多くの人が30代になると、仕事に対してさまざまな悩みを抱えがちです。キャリアの進展や家庭との両立、体力の低下といった課題が重なり、「辞めたい」「疲れた」と感じることは珍しくありません。今回は、30代が抱える仕事への悩みとその対処法について詳しく解説します。
30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じる理由
30代に差し掛かり、仕事を続けるなかで「辞めたい」と感じることは少なくありません。実際、年齢別の転職入職率を見ても、20代と比べると少ないものの、30代で転職する方は一定数いることがわかります。
【年齢階級別転職入職率】
男性 | 女性 | |
19歳以下 | 16.6% | 17.5% |
20〜24歳 | 14.6% | 16.5% |
25〜29歳 | 15.6% | 19.1% |
30〜34歳 | 10.0% | 14.2% |
35〜39歳 | 8.5% | 12.4% |
40〜44歳 | 6.3% | 11.4% |
45〜49歳 | 5.3% | 8.9% |
50〜54歳 | 5.6% | 9.0% |
55〜59歳 | 6.6% | 7.6% |
60〜64歳 | 13.5% | 7.6% |
65歳以上 | 12.6% | 6.6% |
出典:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」
この年代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じるのは、ごく一般的なことであり、さまざまな理由が考えられます。ここでは、その具体的な理由について詳しく解説します。
理由1|昇給や昇格が少ない
30代になると、多くの方が収入面での不満を感じやすくなります。仕事で一定の経験を積み、役職や収入が上がることを期待する方が多いですが、実際には昇給や昇格が思ったほど進まないこともあるでしょう。このような収入面の停滞が、仕事へのモチベーション低下につながってしまうのです。
理由2|仕事へのやりがいが低下してしまっている
30代になると、仕事に対するやりがいや達成感を感じづらくなることがあります。新しいことへの挑戦が少なくなり、日々の業務が単調に感じられることが多いためです。また、キャリアにおいて自分がどう成長しているのか実感しづらい状況も、やる気を削ぐ原因となります。
理由3|体力が低下している
年齢を重ねると、体力が低下していくことを実感する方も多いでしょう。20代と同じような働き方が難しくなり、特に長時間労働や残業が続くと疲労感が増し、心身に影響が出る場合もあります。日々のストレスや疲れが蓄積することで、メンタルヘルスにも影響を及ぼすことがあり、退職を考えるきっかけになることもあります。
理由4|職場の人間関係が悪い
職場内の人間関係は、どの年代においても重要な要素ですが、30代では特に大きな影響を受けやすくなります。責任が増えることで関わる人も多くなり、業務において意見が対立することが増えるためです。また、コミュニケーションが円滑に取れない場合、ストレスが増し、仕事を辞めたいと思う要因となります。
理由5|仕事と家庭の両立が難しい
30代になると、結婚や子育てなど、家庭を優先したい場面が増え、仕事と家庭のバランスに悩むことが多くなります。収入面での不安や家族と過ごす時間の不足も、悩みにつながる一因です。また、親の介護に向き合わなければならないケースも出てくるのが30代です。働きながらでは介護できず、やむなく退職というケースもあります。
理由6|自分のスキルを活かしきれていないと感じる
30代は、これまで培ってきたスキルや経験をもっと活かせる場があるのではないか、と考えてしまう時期です。もし、現職ではそのスキルが十分に活かされていないと感じたなら、新しい環境で自身の能力を発揮したいと思うかもしれません。自分のスキルが限られた範囲でしか使われていない場合、転職を検討する動機になり得ます。
理由7|興味のあることが別にできた
30代になると、これまでの仕事以外に興味や関心が向くこともあります。過去の経験から、自分に合った仕事ややりたいことが見えてくることがあり、キャリアチェンジや新しい挑戦を望む人が増えます。ポジティブな理由で現職を辞め、新しい道に進みたいと考えるのも、この年代の特徴です。
30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」ときに考えるべきこと
30代が仕事を辞めたいと感じた場合、今後の人生や生活を見据えた上で、慎重に判断することが大切です。ここでは、どのような場合に辞めた方が良いのか、あるいは続けた方が良いのか、それぞれのポイントについて説明します。
辞めたほうが良いケース
下記のようなケースに該当する場合、退職を考えることが妥当かもしれません。
ハラスメントを受けている
職場でハラスメントを受けている場合、精神的・身体的な健康が損なわれる可能性が高く、無理に働き続けることは望ましくありません。早期に信頼できる人に相談し、必要に応じて転職活動を進めると良いでしょう。
心身に異常をきたしている
長時間労働や過度のプレッシャーにより、健康が悪化している場合は、まず体を最優先に考えてください。無理をして働き続けると、回復が遅れたり、症状が深刻化したりするおそれがあります。
正当な評価を受けられない
自分の努力や成果が評価されず、やりがいを感じられない場合も、他のキャリアを考えるタイミングかもしれません。スキルや経験が活かせる場を見つけることで、モチベーションを取り戻せる可能性があります。
会社の業績悪化が懸念される
会社全体の業績が悪化している場合、将来的な不安も大きくなるでしょう。安定した職場環境を求めるなら、転職の選択肢も視野に入れておくと安心です。
即戦力となるスキルがある
自分が即戦力として活躍できるスキルを持っている場合、他の職場での活躍も期待できます。自己の能力を正確に評価し、キャリアアップを目指しても良いでしょう。
仕事を続けることをおすすめするケース
一方、下記のようなケースに該当する場合は、辞めずにもう少し続けることを検討することをおすすめします。
明確な理由がなく辞めたいと考えている
疲れや気分の問題で辞めたくなっている場合、少し休息を取ったり、新たな目標を設定したりすることで気持ちが変わるかもしれません。
給料の安さだけを不満に感じている
給料面の不満が主な理由である場合、職場環境や福利厚生など、他の要素も考慮して判断することが大切です。昇給やキャリアパスを考慮することで、現職での可能性を再評価できます。
次が決まるまでの生活費がない
次の職場が決まっていない状態で退職をするのは、リスクをともないます。経済的に不安定な状況を避けるため、すぐに辞めてしまうのは控えたほうが賢明です。
求人が少ない地域に居住している
住んでいる地域で希望する職種が少ない場合、転職活動が長期化することも考えられます。慎重に状況を見極め、他の地域も視野に入れて転職活動を行うか、在職のまま別の可能性を模索する方法もあります。
30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じたときの対処法
ここでは、30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じたときに有効な対処法を紹介します。
対処法1|休暇を取って仕事から離れる
仕事に対する疲れやストレスが限界に達していると感じたら、有給休暇を活用して仕事から少し離れることを検討しましょう。特に、イライラしやすい、集中力が低下した、趣味を楽しめない、眠れないといった精神的な不調が見られる場合、しばらく休むことでリフレッシュし、新たな視点が得られることもあります。無理をせずに、まずは自身を労わる時間を持つことが大切です。
対処法2|仕事以外のことに目を向ける
仕事以外の趣味やアクティビティに意識を向けることで、気持ちが楽になる場合もあります。例えば、アウトドアやスポーツ、新しいスキルを学ぶなど、興味のある分野に取り組むことで、仕事の疲れから少し離れることができます。リフレッシュした時間を通して、自分にとっての楽しみやリラックスできる時間を持つことが心身の健康にもつながります。
対処法3|自分自身を見つめ直す
一度立ち止まり、自分の現状やスキル、考えを整理してみましょう。例えば、スキルレベルに対して給与が見合っていない、正当な評価を受けられていないと感じる場合、自己分析やキャリアの棚卸しを行い、自分の現在地を再認識してみましょう。また、現状のタスクを整理することで、仕事への取り組み方に改善の余地が見つかることもあります。
対処法4|小さなゴールを設定する
仕事にやりがいを見失いがちで「辞めたい」と感じる場合、まずは小さな目標を設定し、それをクリアすることで達成感を積み重ねると良いでしょう。例えば、「1か月で〇〇を完了する」「次のプロジェクトで〇〇を実現する」といった目標を設定することで、自己成長ややりがいを見つけやすくなります。自分の将来像を思い描きながら、それに近づくためのステップとして小さなゴールを目指していくことが重要です。
対処法5|部署異動を願い出る
現在の部署での仕事が原因で悩みやストレスを感じている場合、部署異動を検討することもひとつの方法です。異動によって人間関係の悩みが解消されたり、自分のスキルや経験を活かせるポジションに移れたりする可能性があります。部署異動を希望する場合は、直属の上司に相談し、社内の人事制度や他部署の雰囲気を確認してみることが大切です。
対処法6|退職を検討する
もし部署異動や他の対処法でも解決が見込めない場合、退職を考えることも選択肢のひとつです。しかし、その際には退職の理由を明確にし、辞めた場合と残った場合のメリット・デメリットを十分に検討することが必要です。限界を感じている場合でも、まずは冷静に自分の状況を見極め、どのような選択が自分にとって最良なのかを慎重に判断するよう心がけましょう。
まとめ
30代で「仕事を辞めたい」「疲れた」と感じることは多くの人が経験する一般的な悩みです。仕事で悩みやストレスが溜まっていると感じたとき、無理せず自分の状況を見つめ直し、適切な対策を講じることが大切です。自分に合った解決策を見つけ、新しい一歩を踏み出しましょう。
また、自分のペースで働きたい、在宅で働ける仕事に就きたい、という方はIT業界がおすすめです。IT業界の職種と、転職のコツについては、下記も参考にしてください。
仕事に疲れ、将来を見つめ直したいと感じているなら、新たなキャリアを築く一歩として、プログラミングスキルを習得しませんか。「NINJA CODE」は、未経験からでもプロを目指せるオンラインスクールです。自分のペースで学べる複数のコースが用意されており、実践的なスキルが身に付く内容となっています。気になる方は下記からご確認ください。