PythonとJavaScriptは、ともに人気のあるプログラミング言語です。それぞれが異なる用途で強みを持ち、学ぶべきポイントも異なります。プログラミングを始める方にとって、どちらの言語を選ぶかは重要です。
今回は、PythonとJavaScriptの違いを詳しく比較し、適した言語を選ぶためのヒントを提供します。」
Pythonとは
Pythonは、オープンソース(※1)のスクリプト言語のひとつで、他のプログラミング言語と比較して習得が容易であり、開発速度が速いことが特徴です。スクリプト言語とは、プログラムを簡単に記述できる言語で、通常コンパイル(※2)を必要としないため、プログラムの実行が迅速に行われます。
Pythonは、特にシンプルな文法が魅力で、プログラミング初心者でも習得しやすい言語として人気があります。例えば、以下のような簡単なコードで「Hello, World!」と表示することが可能です。
print(“Hello, World!”) |
また、数年前からPythonへの注目が集まっています。その理由としてAI(人工知能)や機械学習(※3)、データ解析の分野での活用が広がっていることがあげられます。
Pythonは、大量のデータを扱うプログラムの開発に適しており、企業でもAI技術の導入が進むにつれ、Pythonを採用するケースが増加しているのです。
さらに、オープンソースであるため、世界中の開発者が開発に参加し、豊富なライブラリ(※4)が提供されていることも、普及に貢献しています。
※1:ソースコードが公開され、誰でも自由に使用・改変・再配布できるもの
※2:人間が書いたプログラムをコンピュータが理解できる形に変換すること
※3:コンピュータがデータから学習し、判断や予測を行う技術
※4:プログラミングでよく使用する機能をまとめたもの
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Pythonで制作できるもの
Pythonは、チーム開発においても非常に優れています。コードの書き方に個人差が出づらく、大規模なプロジェクトでも一貫性を保つことができます。大規模なWeb(ウェブ)システムや、Webを使った業務システムの開発に広く利用されており、特にデータの処理が得意な点が特徴です。
複雑なデータを扱うための機能が豊富で、AIや統計システム、機械学習においても多く採用されています。
例えば、下記のようなことがPythonで可能です。
・データ解析のためのスクリプト(一連の処理を自動的に実行するプログラム)の作成
・自動化された処理を実行するプログラムの開発
・複雑な数値データを利用したモデル(現実世界の事象を数学的に表現したもの)の構築
これらの特徴により、AI開発やデータサイエンス(※5)の分野での活用が拡大しています。
Pythonでできることについては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:「Pythonで何ができる?できること・できないこと一覧!」
※5:大量のデータから有用な情報を抽出し活用する科学
Pythonが使われているサービス
Pythonは多くの有名なサービスで利用されています。例えば、YouTubeやInstagram、Pinterest、Dropboxといった大規模なWebアプリケーションもPythonを活用して開発されています。
これらのサービスでは、Pythonのシンプルな文法と豊富なライブラリが効率的な開発に貢献しています。特にコードのメンテナンス(プログラムの保守や改善)が容易なことが高く評価されています。
また、Pythonを使うと迅速な開発が可能なことから、大規模なプロジェクトにも適しているのが強みです。
JavaScriptとは
JavaScriptは、もともと1990年代のWeb黎明期に「Webブラウザ内でできることを簡単に記述して実行できるようにしよう」という目的で誕生したプログラミング言語です。
初心者でも扱いやすいシンプルな記述を特徴としています。特にWebサイトのインタラクティブな要素(※6)、例えばボタンのクリックに応じて動的なコンテンツを表示させるための言語として、広く普及しています。
ユーザーが直接目にする部分を「フロントエンド」と呼びますが、JavaScriptはこのフロントエンドの開発に欠かせない言語です。現在でも、Webサイトのフロントエンド開発においてはJavaScriptが主役となっており、多くの開発者が利用しています。
JavaScriptについて詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:「JavaScriptとは何か?基本概念からわかりやすく解説」
※6:ユーザーの操作に応じて動的に変化する部分
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JavaScriptで制作できるもの
JavaScriptを使用すれば、フロントエンドに関するあらゆる処理を実装できます。例えば、ユーザーの操作に応じてページの要素を動かしたり、アニメーションを表示したりといった、動的でインタラクティブなWebページを作ることができます。
ただし、最近ではJavaScript単体で使用されることは少なくなっています。その代わり、JavaScriptをベースにした「フレームワーク」と呼ばれる枠組みを利用するケースが増えています。
フレームワークとは、ソフトウェア開発においてよく使われる機能を集めた枠組みのことです。代表的なフレームワークには、Vue.jsやAngularなどがあります。それぞれの特徴は下記の通りです。
・Vue.js
フロントエンドの開発によく使われるフレームワーク
・Angular
Googleが開発したフレームワークで、Webアプリケーションの開発に使われる
これらのフレームワークを活用することで、開発効率を向上させることが可能です。
JavaScriptが使われているサービス
JavaScriptは、現代の動的なWebサイトにおいて欠かせない言語です。世界中で多くのWebサイトがJavaScriptを使用して構築されています。具体的なサービスとしては、WordPressやLinkedInがあげられます。
・WordPress
Webサイトの作成・管理が行えるCMS(コンテンツ管理システム)のひとつ。WordPressそのものはPHPという別のプログラミング言語で書かれていますが、そのフロントエンド部分にはJavaScriptが多用されています。
・LinkedIn
ビジネスSNSとして広く利用されているプラットフォームです。LinkedInのスマホアプリのバックエンドにはJavaScriptの開発環境であるNode.js(※7)が活用されています。
※7:通常ブラウザ上で動作するJavaScriptを、サーバーサイドでも実行できるようにした環境
PythonとJavaScriptの比較
PythonとJavaScriptは、どちらも人気の高いプログラミング言語で、それぞれに特有の強みがあります。プログラミング初心者がどちらの言語を学ぶべきか、さまざまな視点から比較して解説します。
比較1|PythonとJavaScriptの人気
TIOBE Softwareが2024年7月に発表したプログラミング言語ランキングによると、Pythonは1位、JavaScriptは6位にランクインしています。Pythonがこれほど人気なのは、AI(人工知能)やデータサイエンス(※8)、機械学習といった分野で広範に利用できることが理由のひとつです。
AI、データサイエンス、機械学習は大量のデータを分析し、新しい知見を見つけ出すために使われる技術で、Pythonはこれらの処理に適しています。
出典:TIOBE Software「TIOBE Index」
※8:大量のデータを分析して、有用な情報や知識を引き出す科学的な方法
比較2|PythonとJavaScriptのコンセプト
Pythonには、「Pythonの禅(The Zen of Python)」というシンプルで美しいコードを書くための哲学があり、誰が読んでも分かりやすいコードを心がける設計思想が反映されています。これにより、保守や修正がしやすい言語として評価されています。
JavaScriptには明確な設計哲学はありませんが、もともとは「Webブラウザ内で簡単に動く機能を作る」という目的で設計されました。現在では、JavaScriptが複雑なWeb機能を実現するまでに進化しています。
近年、Webサイトやアプリケーションの機能は急速に高度化・複雑化しています。例えば、リアルタイムでデータを更新するWebページや、複雑な計算を行うツールなどが一般的になってきました。JavaScriptは、このような進化に合わせて機能を拡張し、より高度なプログラミングを可能にしています。そのため、最新のWeb技術に対応した開発ができる言語として、JavaScriptの重要性はますます高まっています。
そのため、JavaScriptは無限に近い可能性を秘めていると解釈することもできるでしょう。
比較3|PythonとJavaScriptの汎用性
「汎用的」とは、幅広い用途で使えることを示す言葉です。Pythonは、Webアプリケーションだけでなく、AIやデータ分析、デスクトップアプリケーションの開発にも使える非常に汎用的な言語です。
対して、JavaScriptはもともとWebページに動きを加えるために作られましたが、今ではNode.jsという技術のおかげで、サーバー側の処理も可能となり、汎用性が広がっています。ただし、主にWeb関連で使われる言語であるため、Pythonに比べると少し範囲が狭いです。
比較4|PythonとJavaScriptの学習難易度
Pythonはシンプルで分かりやすい文法が特徴で、初めてプログラミングを学ぶ人にも優しい言語です。ただし、開発環境を自分で整えなければいけない点があり、始めるには少しハードルが高く感じるかもしれません。
JavaScriptは、Webブラウザさえあればすぐに書いたコードを実行でき、学習を始めやすいという特徴があります。どちらの言語も基礎を習得するのは比較的簡単ですが、実際のプロジェクトで使いこなすには、さらに深い学習が必要です。
比較5|PythonとJavaScriptの案件数
freelance hubによると、Pythonの案件数が約21,000件、JavaScriptが約36,000件となっており、JavaScriptのほうが多くの仕事で利用されていることがわかります(※)。特にWeb開発関連の案件では、JavaScriptは高い需要を誇ります。
PythonはデータサイエンスやAI開発などの専門分野で多く使われている一方で、JavaScriptはWebサイトやWebアプリの開発で頻繁に使われています。
参考:レバレジーズ株式会社「fleelance hub」
※2024年9月時点の情報です。
比較6|PythonとJavaScriptの年収
PythonとJavaScriptの年収については、職種によって異なります。Pythonを使う職種としては、AIエンジニア(平均年収597万円)やデータサイエンティスト(平均年収672万円)があり、これらは高度なデータ処理や分析を行う専門職です。
一方、JavaScriptを使う職種としては、Webエンジニア(平均年収503万円)やフロントエンドエンジニア(平均年収549万円)があり、WebサイトやWebアプリの見た目や機能を作る仕事が多く見られます。総じて、Pythonのほうが若干高収入ですが、JavaScriptは初心者向けの案件が多いのが特徴です。
関連記事:「Pythonエンジニアの仕事内容と年収は?必要なスキルや学習方法も解説」
比較7|PythonとJavaScriptの将来性
どちらの言語にも将来性があります。
Pythonは、AIや機械学習、データサイエンスといった分野でますます需要が高まっており、今後も成長が期待されています。GoogleトレンドでもPythonの検索数が増えていることから、特にこの分野での注目度が高いことがうかがえるでしょう。
一方、JavaScriptはWeb開発において欠かせない言語であり、Webの進化とともにその重要性は今後も続くと考えられます。
PythonとJavaScriptはどちらを学ぶべき?
PythonとJavaScriptはそれぞれ得意とする分野が異なるため、自分の目的や興味に応じて選ぶことが大切です。
おすすめの選び方は次の通りです。
目的や興味のある分野で選ぶ
PythonとJavaScriptの比較からも分かるように、各言語は得意とする分野が異なります。Webサイトのフロントエンド開発やインタラクティブなWebアプリケーションを作りたい方にはJavaScriptが向いています。一方、AIや機械学習、データ分析に興味がある方にはPythonがおすすめです。
例えば、視覚的なデザインやUI(ユーザーインターフェース)(※9)に興味がある方、またはWeb系のエンジニアを目指したい方はJavaScriptを選ぶと良いでしょう。一方で、データ処理や複雑なアルゴリズム(※10)に関心がある方はPythonが適しています。
※9:ユーザーが操作する画面や機能のこと
※10:問題解決のための手順や計算方法
将来のキャリアで選ぶ
将来のキャリアを考慮する場合、年収や成長分野で選ぶことも重要です。Pythonは特にAIエンジニアやデータサイエンティストとしての需要が高く、今後もこの分野での成長が期待されています。少しでも高い年収や将来のキャリアアップを目指す方にはPythonがおすすめです。
一方で、JavaScriptはWeb開発において常に必要とされるスキルであり、フロントエンド開発やWebアプリケーションの分野で多くの仕事があります。安定した需要があり、Web業界でステップアップを目指すのなら、JavaScriptは避けて通れない言語です。
まとめ
PythonとJavaScriptは、それぞれ異なる強みを持つプログラミング言語です。PythonはAI開発やデータ分析、機械学習に強く、シンプルな文法で保守性が高いのが特徴です。
一方、JavaScriptはWeb開発、特にフロントエンドの動的なコンテンツ作成に適しています。自身の興味や将来のキャリアを考え、どちらの言語を学ぶか選びましょう。
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