フルスタックエンジニアは、開発の全工程を一人で担える市場価値の高い職種ですが、その年収は一体いくらなのでしょうか。
この記事では、フルスタックエンジニアの平均年収を、経験年数や企業規模、フリーランスといった様々な角度から徹底解説します。現役エンジニアが年収1000万円の壁を超えるために必要なスキルセットや、未経験から高年収を目指すための具体的な学習ロードマップも紹介します。
将来性やキャリアパスに悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考に、自身の市場価値を高める一歩を踏み出してください。
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フルスタックエンジニアの年収相場

フルスタックエンジニアの年収相場は500万〜1,000万円といわれています。
フルスタックエンジニアという呼称に明確な定義はなく、正確な平均年収を算出するのは困難です。しかし、ITエンジニアの平均年収の具体的な数値を算出することはできます。
例えば経済産業省の調査によると、IT関連の職種の年収相場は下記の通りです。
・レベル1(仕事に慣れ始めた新人・初級者レベル):437.8万円
・レベル2(上位者の指導のもとで仕事ができる若手人材レベル):499.2万円
・レベル3(独立して仕事ができる中堅人材レベル):576万円
・レベル4(部下を指導できるチームリーダーレベル):726.1万円
・レベル5(社内での指導者・幹部レベル):937.8万円
参照:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(経済産業省)
フルスタッフエンジニアは、上記のレベル3~5に該当する職種のため、この相場から考えると580万〜930万円となります。
全体の平均年収
日本のフルスタックエンジニアの平均年収は、一般的に600万円前後とされています。ただし、これはあくまで平均値です。実務経験3年以上で700万円以上、5年以上で1000万円を超えるケースも珍しくありません。
経験年数別の年収
年収は経験年数に大きく左右されます。1〜3年目では400万〜600万円、3〜5年目では600万〜800万円が目安です。5年以上の経験を積み、プロジェクトを牽引できるレベルになると、年収1000万円以上が見えてきます。
企業規模・種類別の年収
スタートアップでは幅広いスキルが求められ、ストックオプション等を含めると高収入が期待できます。一方、大手企業では安定した給与体系と福利厚生が魅力です。AI関連など、特に成長分野の企業では高い年収が提示される傾向があります。
フリーランスの年収
フリーランスのフルスタックエンジニアの平均年収は900万円を超え、会社員より高くなる傾向があります。高単価案件を獲得するには、モダンな技術スキルや上流工程の経験、自己管理能力が不可欠です。
フルスタックエンジニアの案件単価例

ここからは、フルスタックエンジニアの実際の案件と単価例について紹介します。
初級向け案件:月額50~60万
初級向けの案件では、例えば大手求人サイトの大規模リニューアルプロジェクトに従事するフルスタックエンジニアの募集があります。
技術環境としてJava/JavaScript、SpringBoot/Nuxt.js、MySQLなどが使用されます。JavaによるWeb開発経験3年以上、実装経験があると優遇されやすいでしょう。
また、30名ほどのチーム体制にもなるとコミュニケーション能力も求められます。
フルスタックエンジニア自体が「独立して仕事ができる中堅人材レベル」とされているため、初級向け案件でも月額単価50万〜60万と高水準の単価を期待できます。
中級向け案件:月額80万円
中級向け案件では、例えばIT人材向けプラットフォームのSaaSプロダクトの開発を行うフルスタックエンジニアの募集があります。
Ruby on RailsとJavaScript、CoffeeScriptを使ったWebアプリケーションの開発などがあり、フロントエンドからバックエンド全般を一貫して担当するイメージです。
Web開発3年以上、Ruby on Railsでの開発1年以上、コードレビューなどの経験があると優遇されやすいでしょう。
コードレビューのようにフィードバックの役割も求められますが、月額80万円という高単価が魅力の案件です。
上級向け案件:月額100万円
上級向け案件では、例えば放送局の同時配信サービス開発プロジェクトでのフルスタックエンジニアの募集があります。
Reactによるフロントエンド開発、PythonのFastAPIを使ったサーバーサイド開発などが行われます。大規模開発の場合、上流工程から関わることもあるでしょう。
Reactを使ったフロントエンド経験2年以上、Pythonでのサーバーサイド開発、詳細設計からリリースまでの一連の開発などの経験があると優遇されやすい案件です。さらに、チーム開発・ドキュメント作成やリーダー経験、コミュニケーション能力があれば望ましいとされています。
報酬月額100万円以上とかなりの高単価が期待できる点が大きな魅力です。
年収1000万円を超えるには

年収1000万円を超えるには、幅広い技術力に加え、特定の分野での専門性が求められます。技術選定や要件定義といった上流工程の経験や、チームを率いるマネジメントスキルを身につけることが重要です。
求められる技術スキル
フロントエンド(React, Vue.js)、バックエンド(Go, Python)、クラウド(AWS, GCP)など、モダンな技術を幅広く扱えることが必須です。特にクラウドネイティブな開発経験や、コンテナ技術(Docker, Kubernetes)の知識は高く評価されます。
専門性・得意領域を持つ
「Webセキュリティに強い」「大規模データの処理基盤を構築できる」など、プラスアルファの専門性を持つことで市場価値が飛躍的に高まります。自身のキャリアプランに合わせ、得意領域を戦略的に作りましょう。
上流工程の経験
フルスタックエンジニアには、単なるコーディングスキルだけでなく、システム開発の上流工程を担える能力が求められます。
上流工程とは、要件定義、機能定義、構成管理、プロジェクト計画立案などの開発初期段階の作業を指します。このような上流工程の経験を積むことで、より高い評価を受けることが可能です。
上流工程を遂行するためには、下流工程におけるプログラミングやテストなどの実務経験が助けとなります。実際にコーディングを行い課題に直面してきた経験があれば、技術的な視点から機能要件を見極めたり、開発計画を立案したりすることが可能になるのです。
マネジメント経験
プロジェクトリーダーやテックリードとして、チームの生産性を最大化したり、若手エンジニアを育成したりといったマネジメント経験は、キャリアアップと年収向上に大きく貢献します。
分析力と問題解決能力
フルスタックエンジニアには、卓越した分析力も求められます。上流工程の業務を担う際や、テストの結果次第で、問題の原因を特定する必要が生じるためです。
上流工程では、クライアントとのコミュニケーションを通じて要件定義を行います。この際、クライアントが求めるシステムの機能や目的を的確に捉え、課題を分析する力が不可欠となります。
また、テストで想定外の結果が出たり、システムの不具合が発生したりするケースにも、迅速かつ正確な原因分析が求められます。
技術力はもちろんのこと、要件や課題を的確に分析する力が重要なスキルとなるのです。
コミュニケーション能力
フルスタックエンジニアに求められるのは、技術力だけではありません。プロジェクトを成功に導くためには、優れたコミュニケーション能力も欠かせないのです。
ユーザーのニーズに沿った機能を提供するため、エンジニアはクライアント側とヒアリングを重ねる必要があります。プロジェクトの目標や要件が不明確な場合、ヒアリングによって要件を明確化していくのです。
また、プロジェクトにはさまざまな関係者が関与します。開発チームのメンバー間でも、常に情報を共有し、連携を密にする必要があります。
クライアントや開発チームメンバーとのスムーズな意思疎通を図ることで、プロジェクトの成功に貢献できるかが問われるでしょう。
ドキュメント作成スキル
フルスタックエンジニアに求められるスキルのひとつに、ドキュメント作成スキルがあげられます。
フルスタックエンジニアは、システム開発の上流工程である企画立案や要件定義、基本設計などの業務にも携わる機会があるでしょう。特に基本設計の段階では、後工程のエンジニアが理解しやすいよう、わかりやすい設計書の作成が求められます。
この際、優れた文章力と図表を正確に描写する能力が問われます。設計書は開発の基礎となる重要な資料となるため、内容を的確に表現するためのドキュメント作成スキルが必須とされるのです。
フルスタックエンジニアのロードマップ|未経験から高年収へ
未経験から目指す場合、まずは基礎を固め、ポートフォリオで実力を証明することが重要です。実務経験を積みながら、徐々に専門性を高めていくことで、着実に高年収への道が開かれます。遠回りに見えても、基礎学習が最も大切です。
基礎スキルの習得
高収入のフルスタックエンジニアを目指すためには、まずシステム開発の下流工程から実務経験を積む必要があります。
下流工程では、設計書に基づきフロントエンド・バックエンドの両面でコーディングやテストを行います。この過程でプログラミングスキル、データベース、ネットワークなど、開発の基礎を身に付けられるでしょう。
下流工程を通して、システム開発に欠かせない基礎知識・スキルを幅広く習得し、次のステップに進んでいきます。
クラウド・OSのスキル習得
次のステップでは、クラウドサービスやOSに関する専門知識とスキルを身に付けます。
近年、システム基盤としてクラウドサービスが広く利用されるようになりました。AWS、Azure、GCPなどに精通していることが、エンジニアに求められるスキルとなっています。それぞれのサービスの特徴を理解し、システムの規模や用途に応じて最適なサービスを選択できる知見が不可欠です。
また、OSについてはLinuxが普及しています。基本的なコマンドはもちろん、サーバ構築や運用管理などのスキルを持つエンジニアが高く評価されるでしょう。
ポートフォリオ作成
学習した技術を使い、オリジナルのWebサービスやアプリケーションを開発しましょう。設計から実装、公開までの一連の流れを経験することで、実践的なスキルが身につき、就職・転職活動で実力を証明できます。
実務経験を積む
未経験可の求人や、まずはフロントエンド/バックエンド特化の職種で実務経験をスタートさせましょう。現場での経験を通じて、徐々に担当領域を広げていくのがフルスタックへの着実な一歩です。
専門性を高める
実務経験を2〜3年積んだら、自身の興味や市場の需要に合わせて専門領域を定めましょう。クラウド、AI、セキュリティなど、付加価値の高いスキルを身につけることで、高年収エンジニアへと成長できます。
「フルスタックエンジニアはやめとけ」と言われる理由
「やめとけ」という意見は、求められるスキルの幅広さや、常に学び続ける必要がある大変さに起因します。器用貧乏になりやすい、中途半端なスキルセットでは評価されないといったリスクも。これらの実情を理解した上で目指すことが重要です。
求められるスキルの幅広さ
フロントエンドからバックエンド、インフラまで、学ぶべき範囲が膨大です。広く浅い知識になりがちで、一つの技術を極めたスペシャリストと比較して専門性が低いと見なされることがあります。
常に学び続ける必要がある
技術の流行り廃りが速いため、常に新しい技術を学び続ける必要があります。学習意欲を維持できないと、すぐに市場価値が低下してしまうため、継続的な努力が苦になる人には向きません。
器用貧乏になりやすい
何でも屋として扱われ、便利に使われるだけでキャリアアップに繋がらないことがあります。専門性が育たず、給与が上がりにくい「器用貧乏」な状態に陥るリスクを認識しておく必要があります。
フルスタックエンジニアの求人|探し方と選び方
求人を探す際は、求める技術スタックや業務範囲を明確にしましょう。転職エージェントやIT専門の求人サイトを活用するのが効率的です。未経験の場合は、研修制度が充実している企業を選ぶと良いでしょう。
転職エージェントの活用
専門のエージェントは、非公開求人やあなたのスキルに合った企業を紹介してくれます。キャリア相談にも乗ってくれるため、自身の市場価値を客観的に把握する良い機会にもなります。
IT専門の求人サイト
Findy, Green, WantedlyなどIT/Web業界に特化したサイトでは、企業の技術スタックや開発文化が詳しく書かれていることが多いです。自分に合った環境を探しやすいでしょう。
未経験者が注意すべき点
「未経験歓迎」でも、実際は基礎知識が前提の場合が多いです。ポートフォリオをしっかり作り込み、学習意欲をアピールすることが重要。研修制度の有無や、入社後のサポート体制を確認しましょう。
フルスタックエンジニアの将来性
DX化の加速やIT人材不足を背景に、開発全体を俯瞰できるフルスタックエンジニアの需要は今後も高まり続けます。特に、AIなどの新技術を柔軟に取り入れられるエンジニアは、市場で高く評価され続けるでしょう。
AI時代における価値
AIに代替されにくい上流工程や、複数の技術を連携させる複雑なシステム設計・実装を担えるフルスタックエンジニアの価値は、AI時代においてむしろ高まります。AIを使いこなす側のスキルが重要になります。
市場の需要
多くの企業、特にリソースの限られるスタートアップでは、一人で幅広く対応できるフルスタックエンジニアは常に求められています。景気に左右されにくく、安定したキャリアを築きやすい職種と言えます。
まとめ
フルスタックエンジニアの年収相場は500万〜1,000万円で、初級から上級まで幅広い案件があります。高収入を得るためには、上流工程の経験、分析力、コミュニケーション能力、資料作成など幅広いスキルが求められます。
基礎知識を身に付け、クラウドサービスやOSのスキルを習得し、上流工程で幅広い能力を磨くといったように、段階を経てスキルアップしていくことが必要です。
フルスタックエンジニアは、システム開発全般に関わる高度な技術力と総合的なスキルが必要とされる、やりがいのある職種といえるでしょう。
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