「Pythonエンジニアは高年収って本当?」
「どうすれば年収1000万円を狙えるんだろう?」
今、最も注目されているプログラミング言語の一つであるPython。AI(人工知能)やデータサイエンスの分野で不可欠な言語として、その需要は急速に高まっています。
そして、需要の高さに比例して、Pythonエンジニアの年収も高い水準にあることをご存知でしょうか?
この記事では、2025年の最新データに基づき、Pythonエンジニアのリアルな年収事情から、未経験から年収1000万円を目指すための具体的なキャリアパスまで、徹底的に解説します。
Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアの年収は、仕事内容や働き方などによっても差があります。そこで、Pythonエンジニアの年収を違った側面からそれぞれみていきましょう。
Pythonエンジニアの平均年収
日本のPythonエンジニアの平均年収は約608万円です。国税庁が行った調査によれば、職種や雇用形態を問わず、令和4年の給与所得者全体の平均年収は約458万円でした。
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告」
日本の平均年収との比較
国税庁の調査によると、日本の給与所得者全体の平均年収は約458万円(令和5年分)。
Pythonエンジニアの平均年収は、これを150万円以上も上回っていることになります。
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告」
Pythonエンジニアの年齢別年収
次に、2020年のデータに基づくPythonエンジニアの年代別年収です。
| 年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
| 平均年収 | 403万円 | 546万円 | 624万円 | 582万円 |
出典:
TECH Street「2020年プログラミング言語別年収ランキング」
Geekly Media「Pythonエンジニアの年収が高い理由。年代別・職種別で解説します。」
もっとも年収が多いのは40代のPythonエンジニアで約624万円です。年齢別の年収はエンジニアの経験年数やスキルセット、所属する企業の業種、担当プロジェクトの規模などによって変動するため目安として捉えましょう。
Pythonエンジニアの職種別年収
職種別でみると、Pythonエンジニアの平均年収には開きがみられます。そこで代表的な5つの職種を取り上げ、正社員の平均年収を比較してみましょう。
・データサイエンティストの年収:約672万円
データサイエンティストとは、ビッグデータを分析し、ビジネスにおける課題を解決する職業です。この仕事を担うためには、ビッグデータ解析に必要な数学や統計などの専門知識が求められます。そのほか、経営判断を左右するような重い責任も担う分、年収は高水準です。
・AIエンジニアの年収:約597万円
AIエンジニアとは、人工知能を活用したシステム開発を行う技術者のことを指します。高度なAI分野の専門知識に加え、最先端の知識や技術をアップデートし続けることも求められることから年収は高めです。
・Web(ウェブ)アプリケーションエンジニア:約503万円
Webアプリケーションエンジニアとは、Web上で動作するアプリを開発するITエンジニアです。AI分野に強いPythonは、Webアプリケーション分野でも広く活用されており、今後も需要が見込まれます。
・システムエンジニア:約496万円
システムエンジニアとは、ソフトウェアの設計から開発、運用、保守までを担う専門家のことをいいます。利用範囲の広いPythonを高いレベルで扱えるシステムエンジニアは、いまだ人材不足の状態にあるため、採用市場でのニーズも高めです。
・プログラマー:約419万円
プログラマーとは、プログラミング言語を用いてシステムの設計やソフトウェアの開発などを行う技術者を指します。プロジェクトの基盤である上流工程に関わることが少ないため、他の職種よりも年収は低めです。スキルと経験を積み重ねることで上流工程の業務へとステップアップできます。
Pythonエンジニアの働き方別年収
Pythonエンジニアの平均年収は、正社員とフリーランスで大きく異なります。下記は、2023年の働き方別の平均年収です。
| 働き方 | 正社員 | フリーランス | 副業フリーランス |
| 平均年収 | 約556万円 | 約720~960万円 | 約120~360万円 |
このデータから、フリーランスエンジニアは企業に直接雇用される正社員エンジニアよりも、平均で150万円以上多い収入を得ていることがわかります。実績を積んだハイスキルのフリーランスエンジニアほど、高収入を得られる傾向です。
とはいえ、フリーランスエンジニアはプロジェクトや契約内容によって年収が大きく変動するため、安定性の面では正社員には勝てません。
また、業務にかけられる時間が限られた副業フリーランスエンジニアは、専業のフリーランスエンジニアと比較して、平均収入は低い傾向にあります。
Pythonと他言語との年収比較
Pythonエンジニアの年収帯は約450〜780万円といわれています。他言語の年収帯は、下記が目安です。
| 言語 | 年収帯 |
| PHP | 約405~690万円 |
| Java | 約440~720万円 |
| Ruby | 約435~780万円 |
| C# | 約435~775万円 |
汎用性があり、需要も伸びているPythonは企業ニーズが高く、他の言語と比較して年収もやや高めを推移しています。
Pythonエンジニアの年収が高い理由
では、なぜ高年収を得られるPythonエンジニアが登場しているのでしょうか。その理由を解説します。
AI・機械学習分野で需要が高まっている
Pythonエンジニアの年収が高い理由のひとつに、AIツールの台頭により、AI開発に強いPythonエンジニアのニーズが増加している点があげられます。
その背景にあるのが、IT人材の不足です。経済産業省は2025年に約43万人、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると試算しています。
IT人材のなかでも特に必要性を叫ばれているのが、AIやIoTなどの分野で新しい価値を生み出せる高度IT人材です。そのため、AIやIoTをはじめとする先端領域でPythonのスキルと経験を活かせるエンジニアは需要が増しており、市場価値も上昇しています。
出典:経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」
Pythonを扱えるエンジニアがまだ少ない
世界各国との比較でみると、日本はプログラミング教育の後進国といわれています。そのため、Pythonを扱えるエンジニアがそれほど多くありません。
日本でもIT大国のアメリカやインド、北欧諸国などの後を追い、IT人材の育成が進められていますが、人材不足の根本的な解消には至っていません。
高度IT人材の需要増により人材不足に拍車がかかったことも、Pythonエンジニアの市場価値を押し上げている要因です。
Pythonエンジニアの年収別に見る仕事内容とスキル
Pythonエンジニアと一言で言っても、その年収や仕事内容は様々です。ここでは、年収別に具体的な仕事内容と求められるスキルを見ていきましょう。
年収400〜600万円
Webアプリケーションの開発や、テスト・運用保守などが主な業務です。まずはPythonの基本的な文法を習得し、フレームワーク(DjangoやFlaskなど)を使った開発経験を積むことが、この年収帯での目標となります。
年収600〜800万円
自社サービスや受託開発において、中心的な役割を担うエンジニアです。Webアプリケーションの設計・開発・運用までを一貫して担当します。データベースやAPI連携、クラウド(AWS、GCPなど)に関する知識・スキルが求められます。
年収800〜1000万円
専門的な知識を活かして、AIモデルの開発やデータ分析基盤の構築などを行います。scikit-learn、TensorFlow、PyTorchといった機械学習ライブラリの深い知識に加え、統計学や数学の知識、そしてビジネス課題を解決するためのデータ分析能力が不可欠です。
年収1000万円以上
技術的なスキルだけでなく、プロジェクト全体を率いるマネジメント能力や、経営層に対して技術的な観点からコンサルティングを行う能力が求められます。複数のプロジェクトを成功に導いた実績や、高いレベルでのシステムアーキテクチャ設計経験などが評価されます。
Pythonエンジニアの年収アップ方法5選
前述したように、高単価の案件を受注できるフリーランスのPythonエンジニアであれば年収2,000万円も狙えます。下記で、高収入のPythonエンジニアをめざす際に押さえておきたいポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
需要の高いスキル習得
時代が求める最先端の知識とスキルをキャッチアップし続けられれば、Pythonエンジニアとしての評価も上昇し、高収入を得られます。
例えば、AIをはじめ、IoTや5G、ロボットなどの高度なデジタル技術はシステム開発でも併用される機会が多く、需要のある分野です。
また、データサイエンティストが高収入であることからもわかるように、データ分析に関する専門的な知識とスキルは非常に需要があり、身に付けることで収入の増加が見込めます。
上流工程の経験
システムの要件定義や設計といった「上流工程」の経験を積むことで、より付加価値の高いエンジニアとして評価されます。顧客のビジネス課題を深く理解し、それを技術で解決する能力を磨きましょう。
マネジメントスキル
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとして、チームを率いて開発を成功に導く経験は、年収アップに大きく貢献します。技術力だけでなく、コミュニケーション能力や調整能力も重要になります。
複数言語の習得
Pythonだけでなく、複数のプログラミング言語を習得することはエンジニアが収入アップを狙う上で効果的な方法です。
おすすめはHTML、CSS、JavaScriptといったユーザーが直接触れるフロントエンドを構築する言語です。サーバー側で動くバックエンドの構築に使用されるPythonとセットで使用できれば、バックエンドとフロントエンドの両面から業務に携われます。
複数のプログラミング言語を身に付けることで、対応できる案件の幅も広がり、エンジニアとしての市場価値を高められます。
フリーランスとして独立
企業に所属するだけでなく、フリーランスとして独立することも、年収を上げるための有効な選択肢です。高いスキルと実績があれば、企業員時代を大幅に上回る収入を得ることも夢ではありません。ただし、自身で案件を獲得するための営業力や、不安定な収入のリスクも考慮する必要があります。
Pythonエンジニアへの未経験からの挑戦方法
「Pythonに興味はあるけど、未経験からでは難しそう…」と感じるかもしれません。しかし、適切な学習方法を選べば、未経験からでも十分にPythonエンジニアを目指すことは可能です。
独学
書籍やオンライン学習サイト(Progate、Udemyなど)を活用して、自分のペースで学習を進める方法です。コストを抑えられるのが最大のメリットですが、モチベーションの維持が難しかったり、不明点をすぐに質問できなかったりするデメリットもあります。
プログラミングスクール
体系的なカリキュラムに沿って、効率的に学習を進めたい方には、プログラミングスクールがおすすめです。専属のメンターにいつでも質問できる環境や、共に学ぶ仲間の存在は、学習を継続する上で大きな支えとなるでしょう。費用はかかりますが、転職サポートが充実しているスクールも多くあります。
まとめ
この記事では、Pythonエンジニアの年収事情と、年収を上げるための具体的な方法について解説しました。
人材ニーズのあるPythonエンジニアは、他言語のエンジニアと比較して年収が高めです。AIやデータサイエンスの波に乗り、Pythonの需要は今後も拡大し続けることが予想されます。それに伴い、Pythonエンジニアは、将来性が高く、高年収が期待できる非常に魅力的な職種であると言えるでしょう。
とはいえ、高収入のPythonエンジニアをめざすには、複数言語や先端分野の専門的な知識とスキルの習得、マネジメントや上流工程の経験など、自らを高め続ける努力が欠かせません。
未経験からPythonエンジニアをめざすなら、効率的に学習できる「NINJA CODE」がおすすめです。NINJA CODEのPythonコースでは、タスク管理アプリの開発、自動化ツール(WEBスクレイピング)の開発に関する学習を通じてスキルを習得することができます。「独学では不安」「挫折したくない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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