Photoshopは、デザイン業界で広く利用されているツールであり、独学で習得することもできます。しかし、何から手をつけるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。今回は、Photoshopを独学でマスターするための具体的なロードマップを紹介し、その注意点についても詳しく解説します。
Photoshopの独学ロードマップ
ここでは、Photoshopをゼロから独学で扱えるようになるまでの具体的な手順を紹介します。
ステップ1|学習計画と到達目標を決定する
まず、学習を始める前にしっかりとした計画を立てることが重要です。Photoshopの何を学びたいのか、最終的にどのレベルまで到達したいのかを具体的に決めましょう。例えば下記のような目標設定が考えられます。
・基本的な写真編集(色調整、切り抜きなど)ができるようになる
・Web(ウェブ)デザインの基礎を習得し、バナーやWebページのデザインを作成できるようになる
・広告用のデザインやSNS投稿用の画像を制作できるスキルを身に付ける
これらの目標に基づいて、学習計画を作成しましょう。例えば、1週間に3時間学習時間を確保し、最初の1か月は基本機能の習得に集中する、その後は応用的なデザインの制作に取り組むなど、計画を具体的に設定すると学習がスムーズに進みます。
ステップ2|Photoshopの基本機能を学ぶ
Photoshopの学習にはさまざまな方法があり、書籍、オンライン学習サイト、動画講座などを組み合わせて学習するのがおすすめです。
下記では、それぞれの方法のメリットとデメリットを詳しく解説します。
書籍
体系的に学べるため、初心者にとって有益です。例えば、Photoshopの機能を一つひとつ詳細に解説している書籍は、後からも辞書のように活用できます。ただし、実際に手を動かして学ぶには少し時間がかかる場合があります。
なお、Photoshopと直接は関係しませんが、デザインに関する書籍も一冊持っておくと良いかもしれません。Photoshopはあくまで「ツール」であり、その機能を使って何を表現するかはデザインの知識やセンスにかかっています。そのため、Photoshopの勉強と同時にデザインの勉強も進めることをおすすめします。
オンライン学習サイト
無料または有料のサイトを使って、段階的にPhotoshopの基本操作を学べます。初心者向けのコースから中級・上級者向けのコースまで幅広く用意されており、自分のスキルレベルに合わせて学習が可能です。しかし、情報量が多いため、どこから始めて良いか迷うこともあります。
動画講座
動画を通じて実際の操作手順を視覚的に学べるのが大きなメリットです。例えばYouTubeでは、無料で利用できるPhotoshopのチュートリアル動画が豊富にあります。ただし、書籍や学習サイトと異なり、情報が学習順に並んでいるわけではないため、自分で段取りを考える必要はあります。
ステップ3|手を動かしながら学ぶ
Photoshopの習得には、実際に手を動かして操作を覚えることが最も効果的です。座学で知識を得るだけではなく、実際にツールを使ってプロジェクトを進めることで、スキルが定着します。例えば、下記のような課題に取り組んでみましょう。
・自分の写真を編集してみる(明るさやコントラストの調整、不要なオブジェクトの削除など)
・フリー素材を使って、簡単なバナー広告を作成してみる
・Webデザインのテンプレートをダウンロードして、レイアウトや色を変更してみる
実際にプロジェクトに取り組むことで、Photoshopの操作やショートカットの使い方など、効率的な作業方法を自然に身に付けられます。最初は小さな課題から始め、徐々に難易度の高い課題に挑戦していくのがポイントです。
ステップ4|好きなデザインを真似して作ってみる
独学では、他のデザイナーの作品を参考にすることが効果的です。PinterestやBehanceなどのデザインがシェアされているプラットフォームを活用し、自分の好きなデザインを真似しながら制作してみましょう。
模倣すると、下記のようなスキルが身に付きます。
・色の使い方やフォントの選び方
・レイアウトのバランス感覚
・デザインの流れや視線の誘導
ステップ5|オリジナルの制作をしてみる
基本的な技術が身に付いたら、いよいよオリジナル作品に挑戦してみましょう。これまで学んだスキルを応用して、自分のアイデアを形にするのは、Photoshopを本格的に使いこなすための最終ステップです。
オリジナルの制作を通して、さらに高度な技術を習得し、自分のポートフォリオ(これまで作成したデザインの作品集)を充実させられます。
もし独立や転職を考えている場合、ポートフォリオの作成は必須です。ポートフォリオには、デザインのコンセプトや意図、作成プロセスを載せることで、クライアントや面接官に自分のスキルをアピールできます。
独学でPhotoshopを習得するまでの勉強時間の目安
Photoshopを独学で習得するために必要な勉強時間は、学習者の目標や既存のスキルによって異なります。基本的な操作を身に付けるまでの期間と、実務で使えるレベルに達するまでの期間では大きな差があるため、学習のステップに合わせて勉強時間を見積もることが大切です。下記ではそれぞれの目安を解説します。
基本的な操作は1~3か月で習得できる
Photoshopの基本的なツールや機能を使いこなせるようになるには、一般的に1~3か月ほどかかるといわれています。
特に、レイヤー(オブジェクトやテキストを個別に配置し、それらを重ね合わせることで画像を作成すること)や色調補正などの基本操作を繰り返し練習することで、Photoshopの操作感を覚えられます。最初の段階では、単純な写真の加工や簡単なデザインを目標にして取り組みましょう。
実務レベルになるまでは最低でも半年かかる
Photoshopの操作スキルを習得した後、Webデザイナーやクリエイティブ職で求められる実務レベルに達するには、半年以上の学習が必要です。
実務では、Photoshopの操作だけでなく、HTML(Webページの構造を定義する言語)やCSS(Webページの見た目を指定する言語)といったWebサイト制作に必要なコーディングスキルも求められます。
加えて、独立や転職を考えている場合は、自分のスキルをアピールするためのポートフォリオの作成も必要で、さらに数か月を要する可能性もあります。
Photoshopを独学する際の注意点
ここでは、Photoshopを独学で学ぶ際に押さえておきたいポイントを2つ解説します。
独学は挫折しやすい
独学でのPhotoshop学習は、相談できる相手がいないため、挫折しやすくなります。不明点やエラーに直面したときに誰にも質問できない状況が、モチベーションの低下につながるからです。
また、自分一人で適切な学習スケジュールを立てるのは難しく、進捗が滞ることもあります。もしPhotoshopの習得が難しいと感じたら、スクールやオンライン講座など、他の学習方法を検討するのも選択肢のひとつです。
独学だけでは就職・転職は難しい
Photoshopを独学で学ぶだけでは、就職や転職の際に実務レベルのスキルを十分に身に付けるのが難しい場合があります。実際の仕事では、PhotoshopだけでなくWebデザインやマーケティングの知識も求められるため、独学ですべてを網羅するのは難しいといえます。
効率的に実務レベルのスキルを身に付けるためには、Webデザインの一連の知識を学べるスクールや講座に通うのがおすすめです。そうすることで、実際の業務で求められる技術や知識をよりスムーズに習得できます。
Photoshopのスキルを身に付けてWebデザイナーをめざすなら
Photoshopのスキルを仕事に活かすには、ソフトの使い方を学ぶだけでなく、Webデザインの実務に役立つスキルを身に付けることが重要です。
オンラインプログラミングスクール「NINJACODE」の「Webデザインスクール」では、PhotoshopやIllustratorの操作方法から、実際のバナーやロゴの作成方法まで、幅広く学べます。さらに、「Web制作&デザインスクール」では、これらに加えてHTML/CSSやJavaScriptなどのコーディングスキルを身に付けることが可能です。現役クリエイターがメンターとなり質問や相談ができるため、学習中に挫折しにくいのも特徴です。気になる方は下記からご確認ください。
>>Webデザインスクール
>>Web制作&デザインスクール
まとめ
Photoshopを独学で習得するためには、学習計画を設定した上で、今回紹介したようなステップを踏むことが重要です。基本操作の習得には1〜3か月、実務レベルに達するには最低でも半年が必要とされます。特に、独学は挫折しやすいため、モチベーション維持が課題です。難しいと感じた場合は、スクールやオンライン講座などの利用も検討しましょう。