SQLはデータベースを管理・操作するために欠かせない言語です。特に大規模なデータの管理が求められる現代において、SQLのスキルはさまざまな職種で必要とされています。
今回は、SQLとは何か、その特徴やSQLでできること、学習方法などについて詳しく解説します。
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SQLとは
SQL(エスキューエル)とは、データベースを操作するための言語です。データの管理や検索、抽出などを効率良く行うために使われます。また、国際標準化機構(ISO)によって規格化されており、どのデータベースでも共通して使用できます。
また、SQLと混同しやすいものとして、MySQLがあります。SQLはデータベースに対して操作を指示するための「言語」です。一方で、MySQLはSQLを使ってデータを管理する「ソフトウェア(コンピューターに指示を出すプログラム)」です。つまり、MySQLはSQLという言語を用いてデータを扱うシステムだと理解すると良いでしょう。
下記では、SQLの特徴についてより詳しく解説します。
関連記事:「MySQLとは?データベースの基礎を初心者でもわかるように解説」
特徴1|データベースを操作する言語
SQLは、一般的なプログラミング言語とは異なり、データベースを操作するために特化した言語です。データベースの構築、データの検索や抽出、更新などの操作を一貫して行えます。SQLはデータの管理や処理に最適化されており、複雑な処理もシンプルな命令で実行できます。
下記で、データベース言語とプログラミング言語について、それぞれ詳しく解説します。
データベース言語とは
データベース言語とは、データの保存や管理を行うために使われる言語です。SQLはその中でも広く使われており、データベースに保存された情報を効率良く取り扱えます。
プログラミング言語とは
プログラミング言語とは、システム全体を作成するために使われる言語です。SQLとは異なり、複雑なアルゴリズムやシステムの動作を記述可能です。
特徴2|基本的に一文で命令する
SQLの大きな特徴は、基本的に一文で命令を行うことです。プログラミング言語では複数の命令を使って複雑な処理を行いますが、SQLはシンプルな文でデータの検索や更新ができます。
また、SQLには「データ定義語」「データ操作言語」「データ制御言語」の3つの文法があり、それぞれ異なる場面で使い分けます。それぞれの用途としては、データベースの構造を定義するのは「データ定義語」、データを挿入や更新するのは「データ操作言語」、アクセス権限を管理するのは「データ制御言語」となります。
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SQLとPythonの違い
SQLとPythonは、どちらもデータを扱う際に使われますが、それぞれ目的が異なります。SQLは、データベースの操作に特化していて、データの保存や検索、更新などを効率良く行うための言語です。できることが限られているため、主にデータベース関連の処理に使われます。
一方、Pythonは、より多くの機能を持つプログラミング言語です。Pythonでは、データ分析をするための便利なツール(「ライブラリ」と呼ばれる、あらかじめ用意されたプログラム)がたくさんあり、データを自由に分析できます。また、PythonはWeb(ウェブ)サイトの開発やAI(人工知能)、機械学習などにも幅広く活用できる言語です。
関連記事:「Pythonとは何か?基本概念や使用用途について初心者向けに解説」
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SQLを使ってできること
ここでは、SQLを使ってできること4つをそれぞれ解説します。
データベース・テーブルの作成
SQLを使えば、データベースそのものを作成可能です。また、データベースにデータを格納するためのテーブルを「CREATE TABLE」という命令で作成できます。
例えば、社員の情報を管理するデータベースを作り、その中に「社員テーブル」を作成して、社員番号や名前、部署名などの情報を保存できます。テーブルは、データを整理して保存するための箱のようなもので、複数の項目(列)を設定して情報を管理します。
データの検索
SQLの「SELECT」文を使うことで、データベース内の大量のデータから、必要な情報を簡単に探し出せます。例えば、顧客の情報を管理するデータベースから、特定の地域に住んでいる顧客や、特定の条件に合った顧客を検索して取り出すことが可能です。
このように、SQLを使うと、膨大なデータの中からピンポイントで情報を抽出できます。
データの操作
SQLでは、データベース内のデータを追加、更新、削除することも可能です。例えば、新しい社員の情報を追加したり、既存の社員の情報を更新したりするのを「INSERT」「UPDATE」文で行えます。不要になったデータを削除する場合は「DELETE」文を使います。
テーブルの結合
SQLの「JOIN」や「UNION」を使うことで、異なるテーブルのデータを結合して、1つのデータとして表示できます。例えば、社員情報を管理するテーブルと部署情報を管理するテーブルを結合し、どの社員がどの部署に所属しているかを一覧にまとめて表示可能です。
こうしたデータの結合により、複数のデータをより効率的に管理できます。
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SQLを習得するメリット
SQLを習得することで、さまざまなメリットが得られます。
メリット1.仕事の幅が広がる
SQLを身に付けることで、バックエンドと呼ばれる、アプリやWebサイトの裏側にあるデータの操作も対応できるようになります。また、開発できる範囲が増えるため、仕事の幅が広がります。
メリット2.キャリアアップにつながる
SQLのスキルを身に付けることで、データ分析のプロであるデータサイエンティストやデータアナリストといった仕事にも挑戦でき、キャリアアップが可能です。これらの職種では、データを使って企業の課題を解決するための分析や提案を行います。
メリット3.業務を効率化できる
SQLを使えば、データベースの専門家に頼らなくても、自分でデータを取り出したり、書き換えたりでき、業務の効率化を図れます。
また、ExcelやGoogleスプレッドシートとも連携できるため、エンジニアでなくても日常の業務をスムーズに進めることができます。
SQLを扱う主な職種
前述したように、SQLを使うことで、さまざまな仕事にキャリアアップが可能です。SQLはデータベースを操作するための言語なので、データを管理したり、活用したりする職種でよく使われます。下記では、SQLを使う仕事例を紹介します。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、企業内のデータベースシステムを設計、開発、管理する専門職です。
主な仕事は、データベースの設計や、データの保存・取り出し・更新を効率的に行うシステムを構築することです。例えば、社員の情報や顧客データを正確かつ安全に保存し、必要なときにすぐに取り出せるようにする役割があります。トラブルが起きた際のデータ復旧や、定期的なデータベースのメンテナンスも大切な業務です。
データベースエンジニアの平均年収は約553万円ですが、スキルや経験に応じてさらに高収入を得ることも可能です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、Webサービスやアプリケーションの裏側のシステムを開発する職種です。例えば、オンラインショップで注文を受けた際に、注文情報や顧客データを管理し、安全に処理するためのシステムを作ります。
この職種では、SQLを使って、データベースの管理やデータの保存・取り出しを行い、システムがスムーズに動作するようにすることが求められます。また、サーバーの構築や保守も担当するため、幅広い技術が必要です。
バックエンドエンジニアの平均年収は約503万円です。プロジェクトの規模や担当する範囲によって、年収がさらに高くなることもあります。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、企業の持つ大量のデータを分析し、ビジネスの課題を解決するための洞察を提供する職種です。SQLを使ってデータベースから必要なデータを抽出し、そのデータを分析することで、新たなビジネスチャンスを見つけたり、企業が抱える問題を改善したりする提案を行います。
データの収集・加工・分析だけでなく、結果を報告書としてまとめ、経営陣にプレゼンテーションすることも求められるため、高度な分析力とコミュニケーション能力が必要です。
データサイエンティストの平均年収は約672万円とされており、データ活用が進む現代において、特に需要が高い職種です。
データアナリスト
データアナリストは、データを活用してビジネスの課題を解決するための提案を行う職種です。SQLを使ってデータベースから必要なデータを抽出し、それを分析して、経営判断や業務改善に役立つ情報を提供します。
例えば、売上データを分析して、どの商品がよく売れているか、どの地域での販売が伸びているかを調査し、マーケティング戦略の改善をサポートします。また、金融機関や営業部門など、データを活用する多くの分野で活躍できます。
データアナリストの平均年収は約696万円で、特にビジネスの成長に直結する役割を担うため、高い報酬が期待されます。
SQLを学習する方法
SQLを学ぶ方法は主に2つです。1つ目は独学、2つ目はプログラミングスクールに通う方法です。ここでは、それぞれの学習方法を詳しく説明します。
独学
独学でSQLを学ぶには、書籍やWebサイトを利用する方法が一般的です。初心者向けのSQLの基本をわかりやすく学べるWebサイトとして、Progateやドットインストールといったサイトがあげられます。
また、paizaラーニングやSAMURAI TERAKOYAなどのWebサイトは実践的な学習が可能です。
さらに、SQLの資格を取得することで、知識やスキルを証明できます。例えば、「Oracle Master」や「オープンソースデータベース技術者認定資格」、日本の国家資格である「データベーススペシャリスト」などがあります。
Oracle Masterは、Oracle社が提供するデータベース技術に関する認定資格です。データベースの設計、運用、管理に関する深い知識とスキルが求められます。
オープンソースデータベース技術者認定資格は、MySQLやPostgreSQLなどのオープンソースデータベースの知識を証明する資格です。企業やWeb開発において、オープンソースのデータベースは広く使われており、これらの技術を扱えることで市場価値を高められます。
データベーススペシャリストは、日本の国家資格で、情報処理技術者試験の一部として実施されます。この資格は、データベースに関する高度な設計、構築、運用、保守に関するスキルを証明します。
これらの資格を取得することで、就職や転職に有利に働く場合もあります。
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本や学習サイトを使って独学でプログラミングを学習するのはなかなか難しいものですよね。
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プログラミングスクール
プログラミングスクールには、オンライン、オフライン、併用型の3タイプがあります。基礎から実践まで体系的に学べるため、特に初心者にはおすすめです。費用やカリキュラム内容を比較して、自分に合ったスクールを選びましょう。
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まとめ
SQLは、データベースを効率的に操作・管理するための言語で、現代の多くの職種で必要とされています。データベースエンジニアやデータサイエンティストなど、SQLのスキルが求められる職種は多岐にわたります。SQLに関する知識やスキルを習得することで仕事の幅が広がり、キャリアアップにもつながります。