WordPressは、柔軟性の高いWeb（ウェブ）サイト制作ツールです。独学での習得も可能ですが、効率的に進めるためにはいくつかのステップを踏むことが重要です。まずは、自分の目的を明確にし、基礎知識を習得することから始めましょう。
今回は、WordPressを独学するための具体的な方法とおすすめの教材について詳しく解説します。
WordPressを独学するための事前準備
WordPressを独学で学ぶためには、事前の準備が重要です。独学をスムーズに進めるためには、まず自身がWordPressを使う目的を明確にし、基礎的な知識を身に付ける必要があります。また、場合によっては独学以外の学習方法を検討することも大事です。ここでは、WordPressの独学を始める前に考慮すべきポイントを紹介します。
習得する目的を明確にする
WordPressを独学で学ぶ際には、まず「なぜWordPressを学びたいのか」という目的を明確にすることが重要です。目的を明確にすることで、学習の方向性が定まり、挫折しにくくなります。
例えば、ブログを始めたいのか、ビジネスサイトを作成したいのか、またはフリーランスとして活躍するためのスキルを習得したいのかなど、目的によって学ぶべき内容や深さが変わります。
目的を明確にすることで、学習のモチベーションを維持しやすくなり、適切な教材や学習方法を選ぶ指針にもなります。また、目標達成のために必要な機能やデザインの要件も具体化され、学習計画を効率的に立てることができます。
プログラミングの基礎知識を習得する
WordPressを操作するためには、必ずしもプログラミングの知識が必要ではありません。とはいえ、プログラミングの基本的な知識があれば、サイトのカスタマイズやエラーの対処が容易になります。以下は、WordPressに役立つプログラミング言語の一覧です。
| 言語 | 特徴 | WordPressでの活用方法 |
| HTML | ウェブページの基本的な構造を作成するためのマークアップ言語（※） | 記事やページの内容を適切に構造化する際に使用 |
| CSS | ウェブページのデザインやレイアウトを制御するスタイルシート言語（※） | サイトの見た目をカスタマイズする際に使用 |
| JavaScript | ユーザーの操作に応じてリアルタイムでコンテンツを変更するためのスクリプト言語（※） | 動きのある仕組みを追加する際に使用 |
| PHP | サーバー側で実行されるスクリプト言語 | WordPressのテーマやプラグインのカスタマイズに使用 |
上記の言語の基本的な内容を理解することで、WordPressをより自由にカスタマイズできるようになります。
※
・マークアップ言語とは、Web（ウェブ）ページの内容（テキストや画像）を構造的に書くための言語
・スタイルシート言語とは、Webページの見た目を指定するための言語
・スクリプト言語とは、JavaScriptやPythonなど比較的簡単にプログラムを書ける言語
独学以外の方法も検討する
独学での学習は自分のペースで進められる一方で、挫折しやすいという側面もあります。そのため、効率的に学ぶためには、他の方法も検討する価値があります。例えば、通信講座やスクールを活用することで、専門的な指導を受けながら学ぶことができ、途中で挫折する可能性が低くなります。
特に、WordPressを含むWebサイト制作の基礎を体系的に学びたい場合、NINJA CODEのWeb制作スクールを検討すると良いでしょう。実践的なカリキュラムにより、短期間でスキルを習得できます。24時間無制限のチャットサポートでいつでも質問できるため、疑問を放置せずに学習を進められます。
WordPressを独学するための5ステップ
WordPressを独学で学ぶためには、基本的な知識の習得から実際の制作まで、手順を踏むことが重要です。ここでは、WordPressの学習から案件獲得までの5つのステップを紹介します。
なお、WordPressのテーマをカスタマイズしたい場合、HTMLやCSSなどの基本的なWeb開発スキルが求められます。WordPressに関する知識と合わせて身に付けることをおすすめします。
WordPressの基礎を学ぶ
WordPressを始める最初のステップは、WordPressの基礎をしっかりと理解することです。WordPressは、世界中で広く使用されているコンテンツ管理システム（CMS）であり、その仕組みや基本的な使い方を知ることは非常に重要です。
まずは、公式サイトのドキュメントや入門書を利用して、WordPressのインストール方法や管理画面の使い方を学びましょう。特に、テーマやプラグインの役割、投稿と固定ページの違い、メニューの設定方法など、基本的な操作を一通りマスターすることが大切です。
また、WordPress.orgのサポートフォーラムを活用することで、実際に直面する疑問や問題を解決しやすくなります。
WordPress制作のための環境を構築する
次のステップは、WordPressの制作環境を整えることです。ローカル環境で開発するためには、XAMPPやLocal by Flywheelといったツールをインストールしましょう。これらのツールを使うことで、インターネットに接続していない状態でもWordPressのテストや、エラーを見つけて修正する作業が行えるようになります。
また、FTP（通信を持ちかける側のソフトウェア）クライアント（FileZillaなど）の使い方や、テキストエディタ（Visual Studio Codeなど）の設定方法も学んでおくと、開発作業がスムーズに進むでしょう。こうしたツールの使い方を理解することで、サイトのアップロードや修正が簡単になります。
WordPressで作られたWebサイトをトレースする
WordPressの基本的な知識を身に付けたら、実際に既存のWordPressサイトをトレースしてみましょう。例えば、好きなブログや企業サイトを選び、そのテーマやプラグインの使い方、レイアウトの組み方などを調査し、模倣してみると良いでしょう。
この作業を通じて、WordPressのカスタマイズ方法やテーマの構造、プラグインの役割を深く理解できます。
WordPressで一からWebサイトを制作する
トレースで得た知識を基に、次のステップでは実際に一からWebサイトを制作してみましょう。ここでは、ターゲットとなるユーザーや目的を明確にし、それに応じたサイト構成やデザインを考えます。無料または有料のテーマを選んでカスタマイズしても良いですし、ゼロからオリジナルのテーマを作成するのも良いでしょう。
制作を進める中で、HTMLやCSSのコーディングだけでなく、JavaScriptを使用して動きのある機能を追加したり、SEO対策を施したりすることも大切です。さらに、サイトの運用方法やバックアップの取り方、セキュリティ対策についても学んでおくと安心です。
WordPress制作案件を受注する
最後のステップとして、学んだスキルを活かしてWordPress制作の案件を受注してみましょう。まずは、自分のポートフォリオサイトを作成し、過去の制作物やスキルセットをアピールすることで、クライアントにアプローチできます。また、クラウドソーシングサイトやフリーランス向けのプラットフォームで案件を探すのも一つの手です。
案件を受注する際は、クライアントのニーズを正確に理解し、契約書や納期についても慎重に取り決めることが重要です。プロジェクト管理ツール（TrelloやAsanaなど）を活用して、進捗を管理することで、効率的に作業を進めることができます。
WordPressの独学に役立つ学習本・学習サイト
WordPressを独学で学びたいと考えている方にとって、どの教材を選ぶかは非常に重要です。ここでは、初心者向けにおすすめの学習本と学習サイトを紹介します。
おすすめの学習本
WordPressの独学に役立つ学習本を3冊紹介します。それぞれの特徴やメリット、どのような人におすすめかを詳しく解説します。
いちばんやさしいWordPressの教本
この本は、WordPressの初心者にとって最適な入門書です。サイト制作の基本から、記事の投稿、カスタマイズ方法まで幅広くカバーしているので、初めてWordPressを触る人に特におすすめです。
本当によくわかるWordPressの教科書
「本当によくわかるWordPressの教科書」は、実際のプロジェクトで使用することを前提にした実践的な内容が特徴です。WordPressの基本的な操作から、カスタマイズやプラグインの導入、SEO対策までを詳しく解説しています。基本を学んだ後に、さらに一歩進んだ知識を身に付けたいと考えている人に向いています。
WordPress 仕事の現場でサッと使える！デザイン教科書
こちらの本は、WordPressを使ってよりデザイン性の高いサイトを作成したい人向けです。HTMLやCSSの基本的な知識を持っている方を対象に、デザインのカスタマイズ方法や、レスポンシブデザインの実装方法を具体的に解説しています。プロフェッショナルなデザインを目指す方や、サイトの見栄えを良くしたい方におすすめです。
おすすめの学習サイト・動画
次に、WordPressの独学に役立つオンラインの学習サイトや動画を紹介します。これらのサイトを利用することで、どこからでも学習を進めることができます。
ドットインストール
ドットインストールは、初心者向けのプログラミング学習サイトで、WordPressに関する短い動画講座を提供しています。3分程度の短い動画で解説されており、忙しい方でも短時間で学べるのが魅力です。基礎から学びたい初心者に特におすすめです。
Schoo
Schooは、ライブ授業形式でさまざまな講師の話から多様な知識を得られるオンライン学習サイトで、WordPressに関する授業もあります。リアルタイムで質問ができる機能や、他の学習者との交流も可能なので、疑問を解消しながら学習を進めることができます。特にコミュニティを重視しながら学びたい方に適しています。
Progate
Progateは、スライド形式で学べるオンラインプログラミング学習サイトです。PHPの基礎を無料で学べるコースが用意されており、WordPressのカスタマイズに必要なPHPの知識を効率的に習得できます。プログラミングが初めての方でも理解しやすい内容となっており、これからWordPressのカスタマイズに挑戦したい方におすすめです。
まとめ
WordPressの独学は、自分のペースで進められるのが魅力です。学習を成功させるには、まず学ぶ目的を明確にし、基礎知識を身に付けることが重要です。その後、実践を通じてスキルを深め、案件に挑戦して実績を積み重ねることで、着実に成長できます。
効率的な学習のために、本やWebサイトの活用もおすすめです。まずは一歩を踏み出し、自分の目標に向かって学びを進めていきましょう。
