フリーランスとしての働き方は、自由で柔軟な生活を追求する人にとって魅力的な選択肢といえます。ただし、収入の安定性やスキルの需要に関する理解が必要です。今回は、短期間の仕事や未経験からフリーランスを目指す方法を具体的に解説します。
フリーランスの年収相場
フリーランスとして働く場合の年収相場はどれくらいなのでしょうか。
「フリーランス白書2024」の調査では、年収200万～400万未満のフリーランスが最も多く、全体の26.8％を占めていました。次に多かったのが、200万未満で17.9％、続いて400万～600万未満が15.8％です。
国税庁の「令和５年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円なので、フリーランスの厳しさが伝わってくる結果といえます。
フリーランスの年収を上げていくには、自分に合った市場価値の高いスキルを磨きながら、適切な案件に取り組むことが重要です。業界・業種によっては、高い収入を目指せる機会が数多く存在します。
フリーランスは、専門性と社会的ニーズの高い仕事を獲得できるかどうかで、収入に大きな差が生じます。
出典：
リクルートワークス研究所「データで見る日本のフリーランス2020」
一般社団法人プロフェッショナル＆パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2024」
国税庁「令和５年分 民間給与実態統計調査」
フリーランスになるための準備や手続きについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「フリーランスになるには？メリット・デメリットとやるべき準備や手続きを解説」
フリーランスで稼げる仕事8選
フリーランスとして活動する際に、どの仕事が稼ぎやすいのかを知ることは重要です。この記事では、平均年収や仕事内容、求められるスキルをもとに、フリーランスとして稼げる8つの仕事について詳しく解説します。
※紹介している年収は、当該の仕事の従事者全体の平均金額です。
Web（ウェブ）デザイナー
Webデザイナーは、企業や個人が運営するWebサイトやアプリのデザインを手がける仕事です。
平均年収は509.3万円で、案件単価は10万円から50万円程度と幅広く、受注する案件の規模によって収入が変動します。主な仕事内容には、サイトデザインやバナーの作成、さらにUI/UX（ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス）（※）設計が含まれます。
Webデザイナーは、Adobe PhotoshopやIllustratorといったデザインソフトの操作スキル、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を組み立てるスキルが欠かせません。これらのスキルを身に付けることで、より高単価な案件にチャレンジできるでしょう。
出典：jobtag｜厚生労働省「Webデザイナー」
関連記事：「Webデザイナーになりたい方必見！おすすめの資格や必須スキルとは」
※
UIは画面上のボタンやテキストなど、ユーザーが直接的に目にしたり操作したりする部分のこと。
UXはユーザーがサービスや製品を使ったときの使いやすさや楽しさといった経験のこと。
動画クリエイター
動画クリエイターは、映像制作や編集を担当する職業で、平均年収は551.4万円です。案件単価は5万～30万円程度で、制作内容や依頼主の規模によって異なります。
仕事内容としては、動画の編集やエフェクトの制作、ストーリーボードの作成があげられます。
動画クリエイターを目指すのであれば、Adobe Premiere ProやAfter Effectsなどの動画編集ソフトを扱うスキルが必須となります。初心者でも取り組みやすく、副業として始める人も多い点も特徴です。
出典：jobtag｜厚生労働省「映像編集者」
関連記事：
「動画編集の年収相場を紹介！初心者が年収を上げるためのポイントも解説」
「【初心者必見】動画編集の副業の始め方3ステップ！案件を獲得する方法を解説」
データサイエンティスト
データサイエンティストは、データの分析やモデリングを通じて、ビジネスの課題解決に貢献する仕事です。
平均年収は554.3万円で、案件単価は30万～100万円程度となっています。主な仕事内容として、膨大なデータを分析し、機械学習モデルを構築することや、ビジネスの課題を解決するための戦略を提案することが含まれます。
データサイエンティストは、PythonやR、SQLのプログラミングスキルや統計学の知識が必須です。ビッグデータを扱う能力が求められるため、専門性の高い仕事です。
出典：jobtag｜厚生労働省「データサイエンティスト」
Webマーケター
Webマーケターは、SEOやオンライン広告を活用して、企業の集客や売上向上を支援する仕事です。平均年収は645.5万円で、案件単価は50万～200万円程度です。
仕事内容としては、検索エンジン最適化（SEO）の施策やリスティング広告の運用、さらにアクセスデータの分析といった業務を行います。
Google Analyticsを用いたデータ分析や広告運用に関する知識、そして戦略を立案する能力が求められます。収益に直結するため、企業からの需要が非常に高い職種です。
出典：jobtag｜厚生労働省「Webマーケティング（ネット広告・販売促進）」
システムエンジニア
システムエンジニアは、システムの設計や開発を行う職業で、平均年収は557.6万円です。案件単価は50万～150万円程度で、プロジェクトの規模や内容によって変わります。仕事内容には、システムの要件定義や設計、そしてプログラミングが含まれます。
この職種では、JavaやC++、Pythonといったプログラミング言語を扱うスキルや、システム開発の経験が重要です。幅広い業界で需要があり、フリーランスとして安定して働きやすい仕事のひとつです。
出典：
jobtag｜厚生労働省「プログラマー」
jobtag｜厚生労働省「システムエンジニア（Webサイト開発）」
Webディレクター
Webディレクターは、Web制作プロジェクト全体の管理を行う仕事です。平均年収は551.4万円で、案件単価は30万～80万円程度です。仕事内容には、プロジェクトの進行管理やスケジュール作成、クライアントとの調整などが含まれます。
Webディレクターとして活躍するには、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力、そしてWebに関する全般的な知識が必要です。また、プロジェクトを円滑に進められるよう、チームをまとめ上げるためのリーダーシップも求められます。
出典：jobtag｜厚生労働省「Webディレクター」
IT・Webコンサルタント
IT・Webコンサルタントは、企業のIT戦略やWeb施策を支援する職業で、平均年収は684.9万円と高い収入を得られる仕事です。案件単価は100万～300万円程度で、大規模なプロジェクトに携わることが多い傾向にあります。
仕事内容には、IT戦略の立案や業務効率化の提案、さらにシステム導入の支援が含まれます。
IT・Webコンサルタントになるのであれば、ITに関する専門知識や業務改善能力、そしてプロジェクト管理能力が必須です。経験を積むことで、さらに高単価な案件に挑戦できる可能性があります。
出典：jobtag｜厚生労働省「ITコンサルタント」
PM・PMO
PM（プロジェクトマネージャー）やPMO（プロジェクトマネジメントオフィス）は、プロジェクト全体の管理を担う職業です。平均年収は684.9万円で、案件単価は100～500万円程度です。
仕事内容としては、プロジェクトの計画作成やリスク管理、進捗の監視などが含まれます。
PMやPMOを目指す場合、プロジェクト全体を統括するための管理能力や問題解決能力、そしてチームを運営するスキルが必要です。大規模プロジェクトを成功に導く重要な役割を担っているため、フリーランスとしても需要の高い職種となっています。
出典：jobtag｜厚生労働省「プロジェクトマネージャ（IT）」
フリーランスで高単価案件を獲得する方法
フリーランスとして高単価案件を獲得するためには、戦略的な行動が重要です。下記の方法を参考にして、自身のスキルや経験を活かした案件を効率良く見つけましょう。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランス向け案件紹介エージェントは、仕事を効率的に獲得できる手段のひとつです。希望する働き方や条件を伝えることで、エージェントが最適な求人を探してマッチングを行ってくれます。
エージェントを利用する利点は、自分で営業活動を行う手間が省けることです。さらに、信頼性の高い優良案件を紹介してもらえる可能性も高まります。
直接営業をかける
自ら企業にアプローチして案件を獲得するのも有効です。近年では、フリーランスを積極的に採用している企業が増えてきています。興味のある企業に直接営業をかけることで、外注先やプロジェクトの案件を得られるかもしれません。
ターゲット企業にメールや電話で連絡し、自分のスキルや実績をアピールする方法を試してみましょう。直接営業は、スキルアップにもつながる実践的な方法です。
人脈を広げる
人脈を広げると、知人から案件を紹介してもらえる可能性が高まります。過去の職場の同僚や知人と連絡を取り、関係を再構築することも効果的な方法です。
また、業界のセミナーや交流会への参加も、新たな出会いを生む絶好の機会となります。さまざまな業種の人から依頼を受注することで仕事の幅が広がり、実績も積み重ねられます。
単価の交渉を行う
既存のクライアントと単価交渉を行うことも、収入を増やすための重要な手段です。継続的な取引を通じて信頼関係を築き、適切なタイミングで交渉を持ちかけることが鍵となります。
単価交渉の際には、具体的な成果や実績を示し、クライアントの理解を得ることが大切です。交渉が成功すれば、より効率的に収入を増やすことが可能になります。
未経験から稼げるフリーランスを目指すには？
未経験からフリーランスとして活動を始めるには、いくつかの方法があります。ここでは、具体的なアプローチを4つご紹介します。
転職して経験を積む
会社で一度働き、スキルや経験を身に付けてから独立する方法があります。特に未経験の場合、企業の研修制度や教育制度を活用することで、効率的にスキルを磨けます。
また、会社勤務であれば、実務経験を積みながら業界内の人脈を作ることも可能です。これらの経験は、独立後に案件獲得をする際に役立ちます。
副業から始める
いきなりフリーランスになるのではなく、本業を続けながら副業としてフリーランスを始める選択肢もあります。特に未経験の場合、安定した収入を確保しつつスキルを磨くのがおすすめです。
副業として経験を積むことで、フリーランスの働き方や業務の進め方を段階的に学べます。本業の収入があるため、リスクを最小限に抑えてスタートできます。
案件紹介が可能なスキルや資格を身につける
スキルや資格を身に付けるために、スクールに通うのも効果的です。独学の場合、モチベーションの維持が難しく、途中で挫折してしまう可能性があります。
一方、スクールであれば、あらかじめ学習のカリキュラムが決まっており、プロの講師からの指導を受けられるため、そのような課題を回避できます。さらに、案件紹介が可能なスクールで学ぶと、卒業後に実際の案件を受けることも可能です。
未経験からIT系のフリーランスを目指すのであれば、オンラインプログラミングスクールの「NINJA CODE」をご検討ください。
NINJA CODEのフリーランス特化型プランでは、Web制作やWebデザインのスキルを基礎から学べるカリキュラムを用意しております。現役クリエイターがメンターとなり、1on1でのチャットサポートを受け付けているので、疑問点が生じたときでもすぐに解消できます。
また、10万円分の案件紹介や独立までの知識のレクチャーを受けられるため、効率的に独立への準備を進めることが可能です。
興味がある方は、ぜひ下記よりチェックしてみてください。
まとめ
今回は、フリーランスの年収相場や、未経験からフリーランスを目指すための具体的な方法について詳しく解説しました。フリーランスとして仕事を獲得するには、市場価値を高めることが重要です。また、継続的に案件を獲得できるよう、エージェントの活用や直接営業、人脈作りにも力を入れていきましょう。
