HTML5プロフェッショナル認定試験とは？基本情報や勉強方法を紹介

HTML5は、現代のWeb（ウェブ）開発において不可欠な技術です。そんななか、「HTML5プロフェッショナル認定試験」は、フロントエンド（ユーザーが直接目にする部分）開発者やWebデザイナーに求められるスキルを体系的に修了したことを証明する重要な資格といえます。

今回は、HTML5プロフェッショナル認定試験について詳しく解説し、効果的な勉強方法や試験対策について紹介します。

HTML5プロフェッショナル認定試験とは

HTML5プロフェッショナル認定試験は、Web技術の知識を確認するための資格試験で、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン（LPI-Japan）が運営しています。この試験は、HTMLの基本だけでなく、Web開発に必要なより広範なスキルを問われる点が特徴です。

具体的な試験範囲としては、HTML、CSS、JavaScriptといった言語や、APIについての知識が含まれます。APIは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略で、異なるプログラム同士が情報をやりとりするためのルールや仕組みのことです。例えば、Webページ上で天気予報を表示する際、その情報を別のシステムから取得するためにAPIが使われます。

「HTML5」は2021年に「HTML Standard」に名称変更されていますが、試験内容や有用性は基本的に変わりません。

HTML5プロフェッショナル認定試験のレベルは2つ

HTML5プロフェッショナル認定試験は、2つのレベルに分かれています。レベル1とレベル2で試される知識やスキルが異なるため、それぞれに応じた準備が必要です。

まずはどのような内容が出題されるのか、各レベルの特徴を確認しましょう。

レベル1の試験内容

レベル1の試験は、Webページを作るための基本的なスキルに焦点を当てています。静的（コンテンツが固定した）Webページを作成するための技術が主に問われる試験です。

具体的には、下記のようなスキルが試験範囲に含まれます。

・HTML/HTML5マークアップ

・グラフィックス

・レスポンシブWebデザイン

※1：文書内に画像を表示させるためのタグ

レベル2の試験内容

レベル2の試験は、動的（ユーザーやデータに応じて内容が変わる）Webアプリケーションを作成するためのスキルに焦点を当てています。

より高度なプログラミングの知識が求められ、Webページに動きを加えたり、複雑な操作ができるようにしたりする技術が試験範囲に含まれます。

問われるスキルの例は下記の通りです。

・JavaScriptのプログラミング

・パフォーマンス

・ユーザビリティ

出題数はレベル1の60問に対し、レベル2は40～45問ですが内容がより高度になっています。レベル1の知識を土台にして、さらに深いWeb開発の技術を学ぶことで、フロントエンド開発者としてのスキルをしっかりと伸ばすことができます。

※2：ユーザーの操作に応じてWebページが動的に変化し、双方向のやり取りができること

HTML5プロフェッショナル認定を取得するメリット

HTML5プロフェッショナル認定を取得することには多くのメリットがあります。特に、これからWeb開発の仕事に就きたいと考えている方や、現在のスキルを証明したいと考えている方にとって、この資格は非常に役立ちます。

ここでは、その具体的なメリットについて説明します。

体系的にWeb知識を学べる

資格取得に向けて勉強するにあたり、Webに関する基本的な知識を網羅的に把握することが可能です。例えば、HTMLタグの使い方や、Webページのレイアウトを整えるCSSの知識だけでなく、Webページに動きを加えるJavaScriptの基礎についてのスキルを身に付けられます。

基礎から学んで実践に役立つスキルを習得できるので、プログラミング初心者が目指す資格に適しているといえます。

就職・転職時のスキルの証明になる

HTML5プロフェッショナル認定を取得できれば、自分のスキルを客観的に証明できます。特に、就職や転職を考えている場合、資格を持っていることで、採用担当者に「基礎知識をしっかり学んでいる」とアピールできるでしょう。

資格手当をもらえる可能性がある

企業によっては、HTML5プロフェッショナル認定資格を取得することで、資格手当金が支給される場合があります。資格手当金とは、特定のスキルや資格を持っている社員を評価するための追加の給与です。

ただし、資格手当制度の有無や具体的な金額は企業によって異なりますので、勤務先の規則を確認することが大切です。

HTML5プロフェッショナル認定試験の概要

HTML5プロフェッショナル認定試験の概要について解説します。

試験日程

HTML5プロフェッショナル認定試験は、CBT方式（コンピュータを使ったテスト）で実施されており、試験会場での受験が困難な方は自宅や職場からオンラインで受験することが可能です。

オンライン受験は『OnVUE受験』と呼ばれ、インターネットがあれば好きな場所で受験可能です。試験時間は90分で、受験後すぐに結果が確認できます。

受験資格

HTML5プロフェッショナル認定試験には、特に受験資格がなく、誰でも受験可能です。ただし、レベル2を受験するためには、有意なHTML5レベル1認定を保有している（取得から5年以内）必要があります。

レベル1ではHTMLやCSSといった基本的な技術が問われるため、主にWebデザイナーやマークアップエンジニア、Webディレクター、Webシステム開発者を目指している方に適しています。

レベル2はさらに高度な知識を必要とするため、Webアプリケーションを開発するプログラマーやプロジェクトを統括するディレクターが対象となります。

難易度

HTML5プロフェッショナル認定試験の具体的な合格点や合格率は公表されていません。レベル1とレベル2は、単純な難易度というよりも、出題範囲に違いがあるため、レベルごとの準備が必要です。

受験料

HTML5プロフェッショナル認定試験の受験料は、レベル1とレベル2ともに税込16,500円です。一定の条件を満たすと割引が適用されることがありますので、公式の情報を確認しておくと良いでしょう。

有効期限

HTML5プロフェッショナル認定資格そのものに有効期限はありませんが、レベル1・2の認定には「有意性の期限」として5年間が設けられています。有意性の期限とは、資格が現役で通用する期間のことです。

この有意性の期限内にレベル2を受験したり、必要に応じて更新手続きを行ったりすることで、資格の価値を維持できます。

HTML5プロフェッショナル認定試験の勉強方法

HTML5プロフェッショナル認定試験に合格するためには、計画的に学習を進めることが大切です。効果的な勉強方法の流れは下記の通りです。

1.基礎学習をする
2.公式のセミナーに参加する
3.教育機関で本格的に学習する
4.認定教材を活用して学習する
5.過去のセミナーや講義資料を活用して学習する
6.サンプル問題に取り組む

詳しい勉強方法については、公式サイトをご覧ください。

まとめ

HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTMLやCSS、JavaScriptなどのWeb開発に必要なスキルを証明できる資格です。この試験を通じて、静的なWebページ作成の基礎から、動的なWebアプリケーション開発まで幅広い知識を身に付けることができます。

また、資格を取得することで、就職・転職時にスキルを証明する手段として役立つほか、企業によっては資格手当が支給される場合もあります。これを機に、ぜひ資格取得を目指し、キャリアアップにつなげてみてはいかがでしょうか。

なお、「NINJACODE」ではHTML・CSS・JavaScriptを網羅的に学習できる「Web制作＆デザインスクール」をご用意しています。実践的なスキルを体系的に学べるカリキュラムが組まれていますので、実務に役立つ技術も身に付けられます。

詳細は下記からご覧ください。