マークアップエンジニアは、Web(ウェブ)サイトやアプリケーションのデザインを実現するために重要な役割を果たします。HTML、CSS、JavaScriptを駆使して、視覚的に美しいだけでなく、Googleをはじめとする検索エンジンで上位表示されるように工夫を凝らしたページや、ユーザーの使いやすさにも配慮したページを作成するのが主な仕事です。今回は、マークアップエンジニアの仕事や必要なスキルについて、詳しく解説します。
マークアップエンジニアとは?主な仕事内容
マークアップエンジニアは、HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を使ってWebサイトやアプリケーションのコーディングを担当するエンジニアです。Webデザイナーが作成したWebデザインを忠実に再現し、Webページが視覚的に正しく表示されるようにコーディングします。
また、デザインの再現だけではなく、SEO(検索エンジン最適化)やユーザビリティ(使いやすさ)に配慮したコーディングも、マークアップエンジニアの重要な役割です。
SEOとは、Webページが検索エンジンで上位に表示されるための施策のことです。適切なHTMLタグの使用や効果的なキーワードの配置により、検索エンジンにページ内容を正確に伝えることができます。
ユーザビリティとは、Webページを訪れるユーザーが簡単に目的を達成できるような使いやすさのことです。ページの読み込み速度が速いことや、メニューなどの操作がしやすいことなど、ユーザーが快適にWebサイトを利用できるような設計が求められます。
マークアップエンジニアに必要なスキル
ここでは、マークアップエンジニアとして必要なスキルについて詳しく解説します。
HTML・CSSの知識
HTMLとCSSは、Webサイトを作る上で欠かせない言語です。HTMLはWebページの構造を作る言語で、CSSはWebサイトの見た目を整える役割を担います。マークアップエンジニアにとって、この2つの言語の理解は必須です。
HTMLでは、見出しや段落、リンク、画像といった要素を「タグ」と呼ばれる文字列で囲み、ページの構造を整理します。一方、CSSは各要素の色やフォント(文字のデザイン)、配置を決めて、ページ全体のデザインを整えます。
Webデザインの技術は日々発展しているため、新しい仕様や機能への理解も重要です。
JavaScriptの知識
JavaScriptは、Webサイトに動きのある要素を取り入れることができるプログラミング言語です。
具体的には、ユーザーがボタンをクリックした際に画面の一部を動かす、スクロールするとアニメーションを表示させるといった機能を実装できます。JavaScriptを活用することで、Webサイトをより魅力的で使いやすいものに作成することが可能です。
近年のWebサイトでは、動的なコンテンツやインタラクティブ(相互作用)な要素が重要視されているため、JavaScriptのスキルが求められています。
UI・UXに対する意識
Webサイト制作ではユーザーの視点に立つことが非常に大切であるため、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の知識が不可欠です。
UIとはWebサイトの使いやすさ、UXとはユーザーがサイトを利用した際に得られる体験を指します。これらはユーザーがWebサイトを快適に利用でき、目的を達成できるかどうかを左右する重要な要素です。
例えば、ボタンの配置や色、メニューのわかりやすさなど、細部まで配慮して設計します。ユーザーが迷わず情報を見つけられ、直感的に操作できるサイト作りが求められるのです。使いやすさを重視したサイトは、ユーザーの満足度を高め、リピーターを増やすことにつながります。
SEOの知識
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、検索エンジンでWebサイトを上位表示できるようにするための施策です。
Webサイトを作成する際は、SEOを意識したコーディングが求められます。SEOに配慮したWebサイトは検索エンジンが理解しやすく、検索結果で上位表示される可能性が高くなります。
例えば、HTMLの構造を適切に整えることが重要です。具体的には、見出しタグ(h1やh2)などを正しく使用することや、画像に説明文(alt属性)を付けることなどです。
また、ページの表示速度を向上させる最適化も、SEOには欠かせません。
CMSの運用スキル
CMS(コンテンツ管理システム)は、Webサイトの制作や更新を簡単に行うためのツールです。代表的な例として、ブログやWebサイトの作成によく使われるWordPressがあります。CMSを利用すると、HTMLやCSSの知識がなくても、Webページの更新やコンテンツの管理を行うことが可能です。
マークアップエンジニアは、CMSのテンプレートを目的に合わせて調整したり、独自のデザインを加えたりします。CMSの運用スキルを持つことは、効率的にWebサイトを運営するための重要な要素です。
マークアップエンジニアのキャリアパス
マークアップエンジニアは、HTMLやCSSを使ってWebページを作成する専門職であるものの、そのキャリアパスは多岐にわたります。
ここでは、具体的にどのようなキャリアパスが考えられるのかを説明します。
エンジニア系へ進む
マークアップエンジニアから、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアへ進むキャリアがあります。フロントエンジニアはWebサイトの見た目や操作性を実現する技術者、バックエンドエンジニアはサーバー側でデータ処理や機能を開発する技術者のことです。
これらのキャリアを目指すなら、まずはJavaScriptやCMS(コンテンツ管理システム)などの知識を深めることが重要です。
特に、フロントエンドエンジニアを目指す場合、Webサイトの見た目を作るHTMLやCSSに加えて、JavaScriptの習得が不可欠です。
バックエンドエンジニアとしてのキャリアを考えるなら、PHP(※1)、Ruby(※2)、Python(※3)などのプログラミング言語を学ぶ必要があります。また、サーバーの運用やデータベースの管理に関する知識も必要になります。
※1:Webサイトの裏側で動作するプログラムを作る言語)
※2:日本で開発された、シンプルで書きやすいプログラミング言語
※3:人工知能や統計処理でよく使われる言語
マーケティング系へ進む
マークアップエンジニアとしてのスキルを活かし、マーケティング系の職種に進む道もあります。例えば、Webサイトのコンテンツ立案や設計を担当することも可能です。また、Web制作だけでなく、その後の運用や分析も行うため、SNS広告運用やGoogleアナリティクスを活用したデータ分析スキルが求められます。
マーケティング系の職種では、デザインや開発の知識に加えて、プロジェクトの進行管理やチームとのコミュニケーション能力、さらにはマネジメントスキルも重要となります。Web制作から運用まで一貫して行えるスキルセットがあれば、マーケティング分野での活躍の場が広がります。
デザイン系へ進む
マークアップエンジニアとして培った知識を活かして、Webデザイナーへとキャリアを進めることも可能です。特に、現在ではマークアップエンジニアがデザインやマーケティング業務を担うことが増えてきています。そのため、デザインスキルを身に付けることで、デザインから制作までを一貫して担当できるようになる可能性があります。
Webデザイナーとしての仕事を始める場合、Adobe PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを使いこなすことが求められます。また、UIやUXについての理解も重要です。デザインのセンスを磨き、クオリティの高いWebサイトを制作するスキルを習得することが、デザイン系へのキャリアチェンジには不可欠です。
未経験からマークアップエンジニアになるには?
マークアップエンジニアは、Webサイトの構築に欠かせない重要な職種です。しかし、転職するにあたって、まずどこから始めるべきかが不安になるでしょう。
転職エージェントや転職サイトでは、「未経験可」の求人もありますが、まったく知識がない状態で入社すると、入社後に苦労することがあります。そのため、事前に基礎的な知識を身に付けておくことが、スムーズに転職するための鍵となります。
マークアップエンジニアとして必要なスキルを身に付ける方法は、いくつかあります。独学で勉強する方法もありますが、モチベーションを保つのが難しく、実践的なスキルを習得できない可能性があります。
また、Web制作会社やIT企業に就職して、実務を通じて学ぶ方法もあるものの、初心者にとってはハードルが高いことがあります。
そのため、最も効率的で確実な方法は、専門的なスクールに通うことです。スクールでは、講師から直接指導を受けることができ、必要なスキルを段階的に学べます。また、スクールによっては転職支援を行っており、転職活動に向けたサポートも受けられます。
オンラインプログラミングスクールの「NINJACODE」では、転職支援プランを提供しています。実際のプロジェクトを通じて学びながら、転職成功に向けて必要なスキルを効率的に習得できます。また、転職活動の際には、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策などのサポートも受けられるため、安心して次のステップに進むことが可能です。
まとめ
マークアップエンジニアは、Webサイトやアプリケーションのデザインを実現するために、HTML、CSS、JavaScriptを駆使してコーディングを行う重要な職種です。デザインを忠実に再現するだけでなく、検索エンジンに適したページ構造を作り、ユーザーが直感的に操作できるように配慮することも必要です。
また、キャリアパスは幅広く、エンジニア、マーケティング、デザインなどさまざまな職種に進む道が開かれています。未経験からでもスクールを活用することで、効率的にスキルを習得し、転職を成功させることができるでしょう。
マークアップエンジニアとしてのキャリアをスタートしたいと考えている方は、NINJACODEをご検討ください。「NINJACODE」では、Web制作やWebデザインの基礎から実践までを学べるコースを提供しています。初心者でも安心して学べるカリキュラムが揃っており、スキルアップに最適です。詳細は、下記よりご確認ください。