プログラミングに興味をもち始めたものの、何から手をつけて良いのか分からないと感じていませんか?資格取得はその第一歩として最適です。未経験者でも挑戦しやすいプログラミング資格は、スキルの証明として非常に有用です。
今回は、初心者におすすめの資格をいくつか紹介し、その特徴やメリットについて詳しく解説します。
プログラミングの資格は必要?役に立たないって本当?
「プログラミングの資格は役に立たない、取得する意味がない」と言われがちですが、それは必ずしも正しいわけではありません。確かに、プログラミングは未経験OKな求人も多く、資格がなくてもスキルを習得して転職することが可能です。実務が重視される業界であるため、資格が必須ではないのは事実です。
しかし、プログラミングの資格を保有することで、基本的な知識や技術を持っていることを証明できるため、就職・転職や案件獲得の場において、信頼性が増します。
また、資格を取得する過程で実践的なスキルも得られる場合があり、その結果として就職や転職に有利になることがあります。さらに、資格手当を得られる可能性もあるため、金銭的なメリットも期待できます。
【初心者向け】おすすめのプログラミング資格3選
プログラミングを始めたい初心者にとって、どの資格から始めるべきか迷うことは多いでしょう。
ここでは、プログラミング初心者におすすめの資格を3つ紹介します。
1. ITパスポート試験
ITに関する基礎知識があることを証明できる国家試験です。この試験は、ITの初心者に最適であり、新しい技術や手法の概要、経営全般の知識、ITの知識、プロジェクトマネジメントの知識など、幅広い分野の総合的知識が問われます。
具体的には、コンピュータシステムやネットワーク、データベース、セキュリティなどのIT基礎知識に加え、ビジネス全般に関する知識も求められます。
この試験に合格することで、ITの基本を理解していることが証明でき、次のステップに進むための基盤を築くことができます。
2. 基本情報技術者試験
IT人材に必要な基礎知識や、実践的な活用スキルをもつことを証明する国家試験です。この試験では、プログラミングやデータベース、ネットワーク、セキュリティなど、多岐にわたるIT分野の知識が問われます。
多くの企業では、この資格を持っていることが採用条件のひとつになっており、特にシステムエンジニア(SE)やプログラマーを目指す方にとっては、非常に有利な資格です。また、この試験に合格することで、ITの基礎力が身につき、さらに高度な資格を目指すためのステップアップとしても役立ちます。
3. 応用情報技術者試験
IT人材として必要な応用的知識・技能を確認する国家試験です。この試験は、基本情報技術者試験の次に取得することがすすめられており、プログラマーやIT人材として一人前であることを証明できます。試験範囲は、システム開発や運用管理、ネットワーク設計、データベース設計、セキュリティ管理など、より高度な知識と実践的なスキルが問われます。
この資格を持っていると、就職活動が有利に進む可能性が高まります。特にIT企業や大手企業では、評価の対象となります。
まずは、ITパスポート試験で基礎を固め、その後、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に挑戦することで、着実にスキルアップを図るのがおすすめです。
【Webプログラマー向け】おすすめのプログラミング資格3選
次に、Web(ウェブ)プログラマーを目指す方に向けて、おすすめのプログラミング資格を3つ紹介します。
1. Java™プログラミング能力認定試験
Javaを使ったプログラミングの知識・スキルを測定する民間資格です。
試験は3級から1級まであります。
3級:Javaに関する基礎知識があり、簡単なプログラミングができるレベル
2級:Javaの一般的な知識があり、小規模なプログラミングができるレベル
1級:オブジェクト指向に基づく分析・設計が可能で、仕様の変更にともなう保守ができるレベル
Javaは多くの企業で利用されているため、就職やキャリアアップに有利になるでしょう。
2. PHP技術者認定試験
Webアプリケーション開発やゲーム制作など、幅広い場面で使用されているPHPのスキルを証明する資格です。
この試験には初級・準上級・上級の3つのレベルがあります。初級は基礎的な知識を問う内容で、初心者でも挑戦しやすいですが、準上級以上になると難易度が高くなり、より深い知識と実務経験が求められます。
具体的には、初級の合格率は70%程度です。学習時間は、未経験の場合50~100時間程度必要といわれています。PHPでのプログラミング経験者の場合は、10時間程度です。
一方、上級の合格率は10%程度です。上級試験で得点率が50%以上70%以下の場合は、準上級合格となります。準上級や上級の学習時間は、初級に合格している場合は50時間程度が目安です。
PHPは需要が高く、開発者としての評価を高めることができます。
3. Ruby技術者認定試験
Rubyアソシエーション認定の民間資格です。RubyはWebアプリ開発やWebサイト制作、SNS開発など、さまざまな分野で利用される汎用性の高いプログラミング言語です。
SilverとGoldがあり、Silverは初級者向け、Goldは実務経験者向けです。特にGoldを取得すると、実務に直結したスキルを持っていることが証明され、キャリアアップに大きく貢献します。
【アプリケーションプログラマー向け】おすすめのプログラミング資格2選
アプリケーションプログラマーを目指す初心者にとって、役立つ資格を2つ紹介します。
1. システムアーキテクト試験
情報処理技術者試験のうち「高度区分試験」に分類される国家資格です。高度区分試験は、最高難易度のスキルレベル4に該当し、システムアーキテクト試験を含む8つの試験区分で構成されています。
システムアーキテクト試験では、システムの基盤を構築するために必要な要件定義や基本設計などに関する知識や技術が問われます。具体的には、システム化のプロセス全体を理解し、効率的で信頼性の高いシステムを設計する能力が求められます。
この試験に合格すると、システム全体のアーキテクチャを構築するスキルが認められ、キャリアアップにもつながります。特に、システムの開発・運用に携わるエンジニアにとって、必須の知識を体系的に学ぶことができるため、非常に価値のある資格といえます。
2. Android™技術者認定試験
Android Open Source Projectが提供する公式の認定試験です。レベル別に、下記の2つに分かれています。
・アプリケーション技術者認定試験:Androidアプリの開発に必要な基本的な知識とスキルが問われます。これには、UI設計、データベースの利用、ネットワーク通信など、アプリケーション開発の幅広い分野が含まれます。
・プラットフォーム技術者認定試験:Androidのプラットフォーム自体の開発に関する知識を問うもので、より高度な技術力が要求されます。カスタムROM(※)の開発や、システムレベルでの最適化を行うエンジニア向けです。
※カスタムROM・・・第三者(開発者、コミュニティ)がオープンソースであるAndroidのソースコードを利用して開発したOSのことです。
【通信系プログラマー向け】おすすめのプログラミング資格2選
通信系プログラマーとしてのスキルを証明できる資格を2つ紹介します。
1. ネットワークスペシャリスト試験
情報処理技術者試験の一区分で、ネットワークの設計・運用・保守に関する専門知識があることを証明できる国家試験です。
試験は下記の4部構成で行われます。
・午前I試験:基礎知識に関する選択問題
・午前II試験:専門知識に関する選択問題
・午後I試験:システム構成や運用に関する記述問題
・午後II試験:ネットワーク設計やトラブルシューティングに関する論述問題
すべての試験で合格ラインを超える必要があり、特に午後の試験では実務経験が問われます。
2. Cisco技術者認定(CCNA)
Cisco Systems社が認定する資格試験で、シスコのネットワーク機器に関する知識を評価します。
5段階のうち下から2番目のレベルに相当するCCNAは、将来的にネットワークエンジニアになりたいプログラマーの登竜門ともいえる資格です。下記のような内容で構成されています。
・基本的なネットワーキングの概念
・ルーティングとスイッチングの技術
・ネットワークセキュリティとトラブルシューティング
・インターネットプロトコル(IP)に関する理解
CCNAを取得することで、シスコのネットワーク機器を導入している企業への就職や転職に有利になることが多いです。また、ネットワークエンジニアに必要な基礎知識・スキルを固めることができ、さらに上位資格の取得へのステップアップにもなります。
【組み込みエンジニア向け】おすすめのプログラミング資格2選
組み込みエンジニアにおすすめの資格を2つ紹介します。
組み込み技術者試験(ETEC)
組み込みシステムの開発に関する知識や能力のレベルを測る試験です。基礎から高度な技術までをカバーしており、合否判定はなく、スコア判定によって技術者としてのレベルを評価します。
ETECを受験することで、組み込みシステムの設計や開発に必要な知識を体系的に習得でき、自己学習の指針としても活用できます。また、業界内での認知度も高いため、キャリアアップや転職活動において有利になることが期待されます。
C言語プログラミング能力検定試験
C言語に関する資格試験で、1級から3級までのレベルに分かれています。C言語の基本的な文法から高度なプログラミング技術までを評価し、実際にプログラムを記述する実技試験も含まれています。理論だけでなく実践的なスキルも身に付けることができます。
初級者にとっては基礎固めに、中級者以上にとっては現場での応用力を証明する手段として最適です。資格取得を通じて、自身のプログラミング能力を客観的に証明できるため、就職やキャリアアップにおいて大いに役立ちます。
【インフラエンジニア向け】おすすめのプログラミング資格2選
インフラエンジニアを目指す方におすすめの資格を2つ紹介します。
1. ORACLE MASTER(オラクルマスター)
Oracle Databaseの管理における知識・スキルを証明する資格です。データベースの設計・構築・運用に関する専門知識を持つことを証明でき、インフラエンジニアとしての信頼性と市場価値を高めることができます。
試験では、データベースの管理や運用に関する知識、特にデータベース言語であるSQLに関する知識が求められます。
ブロンズ:データベースの基礎知識
シルバー:データベースの日常的な運用・管理のスキル
ゴールド:データベースの構築や高度な運用・管理のスキル
プラチナ:データベース管理のスペシャリストに必要な知識・スキル
2. マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
マイクロソフト製品に関する知識・スキルを認定する資格です。下記の5つの分野に分かれており、自分が目指す分野に応じた科目を選択することができます。
・サーバー
・デスクトップ
・アプリケーション
・データベース
・デベロッパー
例えば、サーバーエンジニアを目指す場合はWindows Serverに関する知識が求められ、デベロッパー向けにはAzureやVisual Studioに関する技術が含まれます。MCPを取得することで、マイクロソフト製品を活用したシステムの設計・構築・運用における専門知識を証明でき、企業での活躍の場を広げることが可能です。
まとめ
プログラミングの資格は、特に初心者にとってスキルの証明として有用です。ITパスポート試験や基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など、多岐にわたる資格を取得することで、基礎から応用までの知識を習得することができます。資格を持つことで、就職や転職活動が有利になり、キャリアアップの道が開けるでしょう。
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