未経験からITエンジニアになることは可能です。多くの企業が未経験者を採用し、育成するプログラムをもっているためです。ITエンジニアにはさまざまな職種があり、それぞれに求められるスキルや役割が異なります。今回は、未経験者でも挑戦しやすいITエンジニアの職種や、必要なスキル、学習方法について紹介します。自分に合ったキャリアを見つけ、ITエンジニアへの道を進んでいきましょう。
未経験からITエンジニアになれる？
未経験からでも努力次第でITエンジニアとしてのキャリアをスタートすることは可能です。まずは、未経験でもITエンジニアになれる理由を解説します。
未経験可のITエンジニア求人も多くある
IT需要が高まるにつれて、IT業界全体がエンジニア不足に陥っており、経済産業省の予測では2030年までに約79万人のIT人材が不足するとされています。
出典：経済産業省「IT 人材需給に関する調査」
そのため、多くの企業が未経験者でも積極的に求人を出しており、2023年初頭にパーソルキャリア株式会社が実施した調査では、ITエンジニア職の未経験歓迎求人の割合が2021年1月から2023年1月にかけて約3.0倍に増えています。
出典：パーソルキャリア株式会社「＜dodaビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査 第5回「ITエンジニア職」＞doda転職求人倍率は11倍まで高騰、 8割の企業が昨年より採用の重要度が上昇と回答」
このような背景があり、未経験者からでもITエンジニアとしてのキャリアをスタートするチャンスがあるのです。企業は未経験者を採用してから必要なスキルや知識を教育し、専門的なITエンジニアとして成長させることを目指しています。
スキル不問というわけではないので注意
未経験可の求人であっても、一定のスキルや知識が求められる場合が多く、すぐに異職種から転職できるわけではありません。また、未経験可の求人に応募した場合でも、希望通りの仕事ができるとは限らないため注意が必要です。しかし、ITエンジニアは需要が高く将来性がある職種なため、スキルが身に付けば活躍の場が広がるため、他の専門職種と比べると未経験からでもチャレンジする価値があります。
未経験でも挑戦しやすいITエンジニアの職種
ここでは、未経験者でも比較的なりやすいITエンジニアの職種について、その仕事内容や必要なスキルを紹介します。目指す際に考慮すべきポイントや、職種ごとの難易度も含めて解説しているのでぜひ参考にしてください。
プログラマー【難易度★☆☆】
プログラマーが未経験者でも挑戦しやすい理由のひとつは、比較的短期間で基本的なプログラミングスキルを習得できる点です。
プログラマーとは、ソフトウェアやアプリケーションのコードを書く職種のことです。仕様書に基づいてプログラムを作成し、テストやデバッグ（プログラムにおけるミスを発見・修正する作業）を行います。また、既存のコードの修正や機能追加も担当します。必要なスキルは、主要なプログラミング言語（例：Python、JavaScriptなど）の基礎知識や、論理的思考力などです。
プログラマーを目指す場合は、学習サイトやプログラミングスクールを利用することで、未経験者でも効率的にスキルを身に付けられます。
システムエンジニア（SE）【難易度★★☆】
システムエンジニア（SE）は、IT関連の基礎知識は必要なものの、管理能力やコミュニケーション能力に秀でていれば、未経験でも挑戦しやすい職種です。
システムエンジニアは、クライアントの要望をもとにシステムの設計や開発、運用を行います。クライアントとの打ち合わせを通じて要件を明確にし、それに基づいてシステムの設計図を作成します。また、プロジェクトの進行管理やチームとの連携も重要な役割です。必要なスキルは、基本的なIT知識に加え、プロジェクトの予算、人員、および進行を管理する能力やコミュニケーション能力などがあります。
システムエンジニアを目指す場合は、ITパスポートや基本情報技術者試験などの資格を取得することで、転職を有利に進めることができます。
Webデザイナー【難易度★★☆】
Web（ウェブ）デザイナーは、デザインスキルがあれば、プログラミングの知識がなくても始められます。
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを担当する職種のことです。クライアントの要望をもとに、ウェブサイトのレイアウトやビジュアルデザインを作成します。また、HTMLやCSSのコーディングを実装することもあります。必要なスキルは、デザインソフト（Photoshop、Illustratorなど）の操作スキル、基本的なHTM・CSSの知識などです。
Webデザインの基礎は、学習サイトや書籍を活用した独学のほか、デザインスクールなどで学ぶことができます。加えて、ポートフォリオを作成することで、転職活動を有利に進めることが可能です。
フロントエンドエンジニア【難易度★★★】
フロントエンドエンジニアは、扱うプログラム言語が取得しやすく、学習の成果が見えやすいため未経験でも挑戦できるでしょう。
フロントエンドエンジニアとは、WebアプリケーションやWebサイトのユーザーが直接触れる部分を開発する職種のことです。HTMLやCSSに加え、JavaScriptなどを使って、デザイナーが作成したデザインを実装します。必要なスキルは、HTML・CSS・JavaScriptのスキルや、ブラウザの動作原理の知識などです。
フロントエンドエンジニアのスキルを習得するには、学習サイトやプログラミングスクールで学べるほか、実際のプロジェクトに参加し、実践的な経験を積むのが重要です。
サーバーサイドエンジニア【難易度★★★】
サーバーサイドエンジニアは、人手不足であり求人数が多いため、未経験でもチャンスがあります。
サーバーサイドエンジニアとは、サーバー側を専門に設計・構築・運用・保守を担う職種のことです。ユーザーのリクエストに応じたデータ処理や、データベースの管理、API（※1）の開発などを行います。必要なスキルは、主要なサーバーサイドプログラミング言語（Python、Ruby、Javaなど）の知識、データベースの理解、セキュリティの基礎知識です。
サーバーサイドエンジニアのスキルを習得するには、学習サイトや技術書のほか、実践経験を積むことが重要です。
※1：プログラムやソフトウェア同士を連携し、機能を拡張させる仕組み。
未経験からITエンジニアになるためのステップ
ITエンジニアを目指すには、計画的な学習と実践が必要です。下記のステップに従って、効率的にITエンジニアへの道を歩みましょう。
1.キャリアを明確にする
まず、自分がどのようなITエンジニアを目指すのかを明確にしましょう。ITエンジニアには、上記で紹介したようなさまざまな職種があります。それぞれの職種には求められるスキルや役割が異なるため、自分の興味や将来のキャリアプランを考慮して選択することが重要です。
2.学ぶべき内容を把握する
次に、選んだキャリアに必要なスキルを理解し、それに基づいて学ぶべき内容を把握しましょう。例えば、Webデザイナーを目指す場合は、デザインソフトの操作スキルの習得が必要です。サーバーサイドエンジニアを目指す場合は、プログラミング言語の知識やスキルに加え、データベースに関する知識やクラウドサービスの知識なども学ぶ必要があります。
3.学習方法を選択する
学ぶべき内容が決まったら、自分に合った学習方法を選びましょう。独学で学ぶ方法もありますが、スクールに通うことで挫折しにくく、効率的に学ぶことができます。スクールでは、プロの講師による指導や同じ目標をもつ仲間との交流があり、学習のモチベーションを維持しやすいのがメリットです。
4.ポートフォリオを作成する
学習を進めながら、自分のスキルを証明するためのポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、あなたの能力を具体的に示すために欠かせないツールです。プロジェクトを通じて実際にコードを書き、成果物を公開することで、求人企業に対して自分のスキルをアピールできます。ポートフォリオの作成を支援してくれるスクールもあるので、積極的に活用しましょう。
5.求人を探す
スキルを身に付け、ポートフォリオが完成したら、求人を探しましょう。ITエンジニアの求人は多岐にわたりますが、自分のキャリアプランに合った求人を見つけることが大切です。案件紹介や転職支援を行っているスクールもあるので、学習から職探しまでサポートしてもらえる環境を利用するのもひとつの手です。
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まとめ
未経験からITエンジニアの仕事に就くには、計画的な学習と実践が鍵になります。まずは目指すITエンジニア像を明確にし、必要なスキルを把握することから始めましょう。独学やスクールで学びながら、ポートフォリオを作成し、求人探しを進めていきます。プログラミングスクールなどを活用することで、未経験者でも安心してスキルを習得し、ITエンジニアとしてのキャリアをスタートすることが可能です。
