ITは、私たちの日常生活やビジネス活動の基盤としてますます重要性を増しています。企業のDXが加速し、IT人材不足も深刻化しているなか、IT業界は転職先としても注目されています。今回は、IT業界の将来性や需要の高い職種について詳しく解説します。
IT業界の将来性が高い理由
デジタル化の進展にともない、IT業界は社会全体を支える基盤として成長し続けており、今後も高い需要が期待されています。ここでは、IT業界の将来性が高いとされる主な理由について解説します。
インフラとして必要なため
IT業界は私たちの日常生活を支える重要なインフラとなっています。例えば、オンラインショッピングや飲食店のWeb(ウェブ)予約、スマートフォンを使った地図検索など、ITは私たちの生活をより便利で快適なものにしています。社会のデジタル化がさらに進むことで、ITインフラの重要性は今後も増していくでしょう。
企業のデジタル化が進んでいるため
コロナ禍を契機に、企業のデジタル化、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速しています。すべての業務にデジタル技術が浸透し、効率化やリモートワークの推進などが進む中で、IT関連の技術やサービスの需要はさらに高まっています。実際に、世界のICT市場は年々成長しており、2023年は657.3兆円(前年比10.3%増)と大きく増加し、2024年は702.1兆円まで拡大すると予測されています。こうした市場の成長からも、企業におけるIT技術の重要性が見て取れます。
出典:総務省「令和6年 情報通信白書」
人手不足なため
IT業界は急速なデジタル化の影響で人手が不足している状況です。経済産業省の報告によると、2030年にはIT人材の不足が最大で約79万人に達すると予想されています。ITスキルを持つ人材の確保が困難となっていることから、転職を検討している方にとっては、今後も就職・転職のチャンスが多い業界といえます。IT業界でのキャリアを目指すことで、今後の成長市場で活躍できる可能性が広がるでしょう。
出典:経済産業省「IT人材育成の状況等について」
IT業界で需要が高い仕事5選
IT業界は、テクノロジーの進化とともにさまざまな分野に分かれ、それぞれのカテゴリーで専門性が求められています。ここでは、特に需要が高い5つの職種を紹介します。これらの職種は年収やキャリアパスが魅力的で、将来性の点でも要注目です。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、企業のビジネス戦略を支えるために大量のデータを分析し、有効活用できる情報を導き出す役割を担います。年収は平均554.3万円程度で、ビジネスと技術の両面に精通していることが求められます。
主な職種としては、通信技術者、情報処理技術者、マーケティングリサーチャーなどがあげられ、ITやデータ解析のスキルと共に、コミュニケーション能力が重要です。関連資格は特に必要ありませんが、ITやビジネスの知識が求められるため、専門的な学習が有利です。
出典:jobtag「データサイエンティスト」
セキュリティエキスパート
セキュリティエキスパートは、企業の情報資産を保護し、サイバー攻撃からの防御を行う専門家です。年収は平均558.3万円程度で、セキュリティ対策やリスク管理のスキルが求められます。
職種としては、セキュリティ系ソフトウェア開発者やシステムエンジニアが多く、必ずしも資格は必要ありませんが、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験、情報セキュリティマネジメント試験などの取得がキャリアに役立ちます。
出典:job tag「セキュリティエキスパート」
ITプロジェクトマネージャ
ITプロジェクトマネージャは、プロジェクト全体を統括し、成功に導く重要な役割です。プロジェクトの構想段階から終結に至るすべてのフェーズに関与します。年収は平均684.9万円程度で、技術的な知識とマネジメントスキル、そしてコミュニケーション能力が必要です。
一般的に、システムエンジニアとしての経験を積んだ後にキャリアアップとしてITプロジェクトマネージャに就くケースが多数です。そのため、必須資格はありませんが、システム開発に関する深い知識が求められます。
出典:job tag「プロジェクトマネージャ」
AIエンジニア
AIエンジニアは、人工知能(AI)や機械学習の技術を活用し、データ分析や自動化を進めるためのシステムを開発します。平均年収は558.3万円程度で、技術者として極めて需要が高い分野です。
必要なスキルとしては、Pythonなどのプログラミング言語や機械学習、データ解析の高度な知識が求められます。システムエンジニアやデータサイエンティストから転身するのが一般的です。
出典:jobtag「AIエンジニア」
システムエンジニア
システムエンジニア(SE)は、システムの設計・開発・運用を行い、企業のITインフラを支える役割を担います。平均年収は、基盤システムを担当する場合は684.9万円、組込み(家電製品や産業機器などに組み込まれるシステム)やIoT(さまざまなモノをインターネットとつなぐ技術)の領域では557.6万円です。
特定の資格は必要ありませんが、基本情報技術者や応用情報技術者の資格がキャリアに役立ちます。ITスキルだけでなく、顧客との円滑なコミュニケーションや英語力も求められる場合があります。
出典:
jobtag「システムエンジニア(基盤システム)」
jobtag「システムエンジニア(組込み、IoT)」
これからIT業界へ転職する人が身に付けるべきスキル
IT業界は、技術革新が早い業界です。この業界で活躍するためには新しい技術の継続的な習得が欠かせません。それと同時に、身に付けておくべきスキルがあります。ここでは、将来性のあるキャリアを築くために必要なスキルを紹介します。
情報収集能力
IT業界では常に新しい技術やツールが登場します。そのため、日々情報収集を行い、知識をアップデートすることが必要です。特に、人工知能やデータサイエンス、クラウド技術などの分野では技術の進化が速く、最新情報をキャッチし活用する力が求められます。効率的な情報収集の習慣を身に付けておくことで、変化の激しい業界でも対応力を高めることができるでしょう。
ロジカルシンキング
IT業界ではデータに基づいた意思決定が求められます。ロジカルシンキング(論理的思考)は、問題を解決するための重要なスキルです。データを分析し、課題を明確にしながら解決策を考え出す力が必要とされます。また、チームメンバーやクライアントに対しても、物事をわかりやすく説明できる論理的な表現力があると、プロジェクトの進行が円滑になります。
コミュニケーション能力
IT業界では多くの業務をチームで進行します。そのため、円滑にコミュニケーションを取り、情報を共有し合うことが成功の鍵になるのです。特に、開発やプロジェクト管理の場面では、コミュニケーション能力のレベルが成否を分けます。また、IT業界では専門用語が多いため、相手のスキルレベルに応じた説明や調整力が欠かせません。こうしたスキルがあることで、プロジェクトの質と速度が向上し、信頼関係を築きやすくなります。
まとめ
IT業界は成長を続けており、将来的にも市場は拡大する見込みです。企業のデジタル化の進展や深刻な人手不足により、特にデータサイエンティストやセキュリティエキスパートなどの職種において需要が増加しています。
IT業界で成功するためには、情報収集能力やロジカルシンキング、コミュニケーション能力が重要です。これからIT業界を目指す方は、必要なスキルを身に付け、成長を続ける業界で新たなキャリアを築く準備を始めましょう。
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