エンジニアには多種多様な職種があり、各々が異なる専門性と仕事内容をもっています。さらに職種によって年収にも大きな違いがあります。これからエンジニアを目指す人にとって、どの職種がどれくらいの年収を得られるのかを知ることは、キャリア選択の大きな指標となるでしょう。今回は、エンジニアの職種ごとに年収を詳しく解説しますので、自分に合ったキャリアパスを見つけましょう。
開発エンジニア全4種類の年収
まずは、開発エンジニア4種類について、仕事内容と年収を紹介します。
システムエンジニア(SE)|450万円~
システムエンジニア(SE)は、プロジェクト全体を指揮する上流工程のエンジニアです。クライアントの要件をヒアリングし、それをもとにシステムの設計を行います。また、プロジェクトマネジメントやチームの調整なども担当します。経験を積むことで、より複雑で大規模なプロジェクトを任されるようになり、年収も上がっていくのが特徴です。一般的に、システムエンジニアの年収は450万円程度から始まります。
プログラマー|420万円
プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとにコードを書く下流工程のエンジニアです。具体的なプログラミング言語を用いて、ソフトウェアを開発します。システムエンジニアと兼任することもあり、使用言語や扱える技術の幅が広がると年収も上がります。プログラマーの年収は平均して420万円程度ですが、納期に追われることが多く、残業代が年収に影響を与えることも少なくありません。
アプリケーションエンジニア|440万円
アプリケーションエンジニアは、業務アプリやWeb(ウェブ)アプリ、スマホアプリなどを開発するエンジニアです。企業のニーズに応じたカスタムアプリケーションを作成するため、UI/UX(※1)の設計やユーザー要件の理解が重要です。アプリケーションエンジニアの年収は平均して440万円程度ですが、技術の進化や市場の需要によって変動します。
※1:UIはUser Interfaceの略で、ユーザーの目に触れたり操作したりする部分のこと。UXはUser experienceの略で、ユーザーが商品の購入やサービスから得られる体験のことを示します。
組込みエンジニア|500万円
組込みエンジニアは、家電やスマートフォンなどの機械に組み込まれるソフトウェアを開発するエンジニアです。自動車の制御システムや医療機器の開発など、多岐にわたる分野でも活躍しています。組込みシステムは、製品の機能や性能を左右する重要な要素であり、高度な専門知識と技術が求められます。組込みエンジニアの年収は平均して500万円程度と、開発エンジニアの中でも高めの水準です。
Webエンジニア全2種類の年収
Webエンジニアは開発エンジニアの一部として分類されることもありますが、一般的には、Webエンジニアと呼ばれる職種はフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの2種類に大別されます。ここでは、それぞれの年収と仕事内容について詳しく説明します。
フロントエンドエンジニア|600万円
フロントエンドエンジニアの主な仕事内容は、Webサイトやアプリケーションのユーザーが直接触れる部分の設計・開発です。HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を駆使し、UIとUXを向上させるためのデザインやパフォーマンス最適化も含めて対応します。未経験からフロントエンドエンジニアになるためには、基礎的なプログラミング知識の習得と実務経験が必要です。年収は平均で約600万円となっていますが、経験やスキルによってはさらに高収入を目指すこともできます。
バックエンドエンジニア|450万円以上
バックエンドエンジニアの主な仕事内容は、サーバーとデータベースの構築および管理です。ユーザーが入力したデータを適切に処理し、Webアプリケーションの背後で動作するシステムを設計・実装します。バックエンドエンジニアはサーバーサイドエンジニアとも呼ばれ、PHP、Ruby、Python、Javaなどのプログラミング言語を使用します。年収は450万円以上が目安ですが、経験を積みフリーランスとして働くことで700万円以上の収入を得ることも可能です。
インフラエンジニア全5種類の年収
インフラエンジニアは、ITインフラの設計・構築・運用・保守を担当する専門職です。ここでは、インフラエンジニア5種類の仕事内容と年収について詳しく解説します。
ネットワークエンジニア|450万円以上
ネットワークエンジニアは、企業や組織のネットワークインフラの設計、構築、運用、保守を担当します。具体的には、LAN(※2)やWAN(※3)の設計・設定、ネットワーク機器の導入・設定、トラブルシューティングなどが主な業務です。ネットワークエンジニアの年収は、経験やスキルによって異なりますが、一般的には450万円以上となっています。
※2:Local Area Networkの略で、オフィスや建物内といった狭いエリアで構築されたネットワーク
※3:Wide Area Networkの略で、遠く離れたエリアとつながったネットワーク
サーバーエンジニア|460万円
サーバーエンジニアは、物理的なサーバーやネットワークインフラの設計、運用、保守を行います。具体的には、サーバーのセットアップ、ソフトウェアのインストール、パッチ管理(※4)、サーバーの監視などです。サーバーサイドエンジニアとは異なり、ハードウェアに対する知識が求められます。サーバーエンジニアの年収は約460万円で、経験を積むことでさらなる収入アップが見込めます。
※4:パッチとは、プログラムにバグが発生した際に作られる修正用のファイルのこと。それらの適用状況を管理する一連の作業をパッチ管理という。
セキュリティエンジニア|450万円以上
セキュリティエンジニアは、システムやネットワークのセキュリティ対策を企画・実施する専門家です。具体的な業務としては、脆弱性診断、セキュリティポリシーの策定、侵入検知システムの導入・運用などがあります。セキュリティエンジニアの年収は450万円以上で、専門知識や経験が豊富なほど高い年収を得ることができます。
クラウドエンジニア|450万円以上
クラウドエンジニアは、クラウド上のネットワーク設計、構築、運用、保守を担当します。クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)の利用に精通し、クラウド環境の最適化やセキュリティ対策を行います。一般的な年収は450万円以上となっており、クラウド技術の進化にともない、需要が高まり続けています。
データベースエンジニア|580万円
データベースエンジニアは、データの構築、加工、整理、運用を担当する専門職です。データベースの設計、SQL(※5)の最適化、バックアップ、データのセキュリティ管理などを主に担当します。データベースエンジニアの年収は約580万円が目安で、データ分析の需要が増えるなか、重要性が高まっている職種です。
※5:データベースでデータを検索したり挿入したりする際に使用するデータベース言語
その他エンジニア全3種類の年収
ここでは、上記以外のエンジニアの年収と仕事内容を紹介します。
社内ITエンジニア|500万円
社内ITエンジニアは、企業内部の業務システムの設計、開発、運用、保守などを担当する職種です。具体的には、社内のITインフラの管理やトラブル対応、効率化のための新システム導入など、幅広い業務をこなします。年収は平均して500万円程度で、大企業ではさらに高い年収が期待できる場合もあります。
セールスエンジニア|500万円
セールスエンジニアは、保守契約を交わしたクライアント先へ出向いてトラブルの対応を行うほか、クライアントの課題を洗い出し、最適なシステムを提案する役割を担います。フィールドエンジニアとも呼ばれるこの職種は、技術力と営業力の両方が求められます。年収は平均して500万円程度で、業務内容の専門性や担当するプロジェクトの規模によって異なります。
データサイエンティスト|700万円
データサイエンティストは、データの収集、分析・解析から仮説の検証までを行います。データに基づく意思決定のために、ビジネス戦略を支援するのが主な役割です。高度な分析スキルとビジネス理解が求められるため、年収は700万円程度と他のエンジニアと比べて高めの水準になっています。
各職種について、より詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:エンジニアの種類を収入・将来性でランキング!未経験におすすめのエンジニアも紹介
未経験者におすすめのエンジニア職種は?
未経験からエンジニアを目指す場合、下記の職種を検討しましょう。これらの職種は、未経験でも採用されやすく、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせるのに最適です。
【システムエンジニア(SE)】
未経験者でも、IT基礎知識やプログラミングの基礎を学ぶことで、システムエンジニアを目指せます。システムエンジニアの業務ではコミュニケーション能力や問題解決能力も重視されるため、IT以外の経験も活かせるでしょう。
【プログラマー】
多くの企業が未経験者向けの研修制度を用意しており、基礎的なプログラミングスキルを習得しておけば、採用されやすい職種です。自主学習やプログラミングスクールを活用してスキルを磨きましょう。
【ネットワークエンジニア】
未経験者でもネットワークの基礎知識を学び、資格を取得しておくことで、応募しやすい職種です。実務経験がなくても、研修や実習を通じてスキルを身に付けることができます。
さらに、未経験からエンジニアを目指す方法や、職種ごとの必要なスキル、難易度については、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:未経験からエンジニアになるには?必要なスキルとロードマップを紹介
まとめ
エンジニアの年収は、職種によって異なるほか、スキルの習熟レベルや需要に応じて変動するのが特徴です。今回紹介した情報をもとに、自身の目標に合った職種を見つけ、積極的に学習を進めていきましょう。
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