Rubyの将来性は？業界シェアやRubyエンジニアの市場価値も紹介

「Rubyの将来性について詳しく知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。業界シェアやRubyエンジニアの市場価値など、将来性を考慮してRubyに挑戦するかを決めたいものですよね。

Rubyはシンプルな文法に加えてフレームワーク（プログラミングにおける一般的な機能や定型コードをあらかじめ用意したもの）が高い人気を集めており、需要は今後も続く見込みです。今回はRubyエンジニアの市場価値や業界シェア、将来性について解説します。

Rubyの業界シェア・市場価値
1. サーバーサイド向け開発のシェアを獲得しつつある
2. SNSの拡大で開発が得意なRubyの価値が高まる
Rubyの将来性
1. Rubyの需要が続くかどうか
2. Rubyの需要が今後も続く理由
Rubyエンジニアの市場価値
1. 求人が豊富にある
2. 人気の言語と変わらない年収がある
まとめ

Rubyの業界シェア・市場価値

Rubyは多くのWeb（ウェブ）サイトやアプリケーションで使用されており、開発言語の中でも高い人気と需要を誇ります。特にRubyのフレームワークであるRuby on Railsが普及した結果、開発効率やセキュリティの向上が評価され、多くの成功事例も生まれました。

ここでは、Rubyの業界シェアや市場価値について詳しく解説します。

サーバーサイド向け開発のシェアを獲得しつつある

RubyはWebアプリやWebサイトの裏側（ログイン機能やデータ保存の仕組み）を開発する際の開発言語として、シェアを着実に拡大しています。このような言語は、サーバーサイド言語と呼ばれることもあります。

またRuby on Railは、複雑な機能であっても少ないコードで実装できるため、Webサイトやアプリケーションの開発を効率的に進められます。

クックパッドやクラウドワークスなどの大規模サービスでの採用実績もあり、成長して拡大し続けるサービスに対応できる柔軟性もシェアを獲得しているひとつの要因です。

多くの成功事例によってRubyの信頼性と有用性が証明された結果、さまざまな開発現場で採用されており、今後も長期的に使用率が向上する見込みです。

Q-Successのデータによると、WebサイトにおけるRubyの使用率は2013年で0.5％だったものの、2024年6月時点では5.9％です。また、オープンソースで汎用性の高い言語であるPHPに比べるとまだまだ利用率が低いものの、その数値は年々伸び続け、現在ではシェア率2位を誇っています。

下記は利用率が高い上位5つのサーバーサイド言語です。

言語名/年	2013年	2024年
PHP	77.7%	75.9%
Ruby	0.5%	5.9%
ASP.NET	19.9%	5.8%
Java	4.0%	4.9%
JavaScript	0.1%	3.5%

これらの数値から、Rubyはサーバーサイド開発において確固たるポジションを確立しており、市場価値も高まっていることがわかります。

出典：Q-Success「ウェブサイトのサーバーサイドプログラミング言語の使用統計の過去の年間傾向」

SNSの拡大で開発が得意なRubyの価値が高まる

SNSの市場拡大により、Rubyの価値も高まっています。SNSの利用者数は年々増え続けており、さまざまなニーズに応えるために機能の追加や改善が欠かせません。

Rubyであれば言語がシンプルで記述コードの自由度も高いため、SNSの複雑な機能を迅速に実装できます。例えば、アカウントのログインや投稿、検索といった機能の実装が可能です。

Ruby on Railsでは、SNSに欠かせないユーザー登録やデータベース管理など多くの機能が標準で備わっているため、開発速度が飛躍的に向上します。SNSのXにおいても、構想の初期段階では、短期間での開発を得意とするRuby on Railsが使用されました。なお、Xの性質上スピーディーに大量のリクエストに応える必要があったため、2008年以降はより処理効率の高いJava仮想マシン（※）の利用に切り替えています。

ただし、Ruby on Railsは開発スピードに加えて保守性も高く、長期的なプロジェクトにも向いています。SNS市場の成長にともない、Rubyの価値も高まり続けると予測されています。

※Java仮想マシン…Javaプログラムを動かす際に必要なソフトウェア

Rubyの将来性

Rubyはその開発スピードの早さから、限られた時間と人材で製品をリリースする必要のあるスタートアップや中小企業を中心に支持を集めているプログラミング言語です。ここではRubyの将来性や、需要が今後も続く理由について解説します。

Rubyの需要が続くかどうか

Rubyの需要は今後も続く可能性が高いです。Rubyは迅速な開発ができるだけでなく、国際電気標準会議（IEC）の認定を受けており、高い信頼性を誇ります。

また、他のサーバーサイド言語と同じく、Rubyも無償で配布されており、世界中の多くのサービスで採用され続けていることも需要が続く理由のひとつです。

AirbnbやShopifyなどの有名なサービスは、上記に述べたXと同じ理由で初期の開発段階でRuby on Railsを採用し、成功を収めました。Rubyの高い生産性を活用して、迅速に市場へサービスを投入したのが成功の要因と考えられます。

現在でも多くの新興企業やスタートアップがRuby on Railsを採用しており、依然として高い人気を集めています。成功事例からもわかるように、Rubyは高い生産性と迅速な開発を実現するための強力なツールであり、需要は今後も続く見込みです。

Rubyの需要が今後も続く理由

Rubyはコードが短くシンプルであるため初心者でも学びやすく、多くの開発者が選択しています。オンライン教材が豊富なだけでなく、コミュニティも活発であり、さまざまな形でサポートを受けながら学習を進められる環境が整っています。

学習のしやすさだけでなく、Ruby on Railsの存在も需要が今後も続く理由です。

「Ruby on Rails」は、2004年にデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン氏によって作られました。エンジニアの間ではRailsまたはRoRと呼ばれており、簡単なコードでWebアプリケーションの開発ができるように設計されています。

開発者がコードを整理しやすく、バグの発生を減らせるのもRuby on Railsの大きな強みです。Ruby on RailsはECサイトやWebサイトの構築、各種アプリケーション開発において活用されており、応用力も高いため幅広い職種のエンジニアから人気を得ています。

Rubyは学習のしやすさや開発時の効率の良さ、Ruby on Railsの人気と機能性によって、今後も需要は続くと予測されています。

関連記事：Ruby on Railsとは？初心者向けに基本的な特徴を解説！

Rubyエンジニアの市場価値

Rubyエンジニアの市場価値は非常に高く、求人数が豊富なことにも表れています。Rubyエンジニアの市場価値について、具体的な求人数や年収などを解説します。

求人が豊富にある

2024年3月時点でRubyエンジニアの求人数は約2,800件、未経験求人も約100件と豊富です。主要なプログラミング言語である JavaやPythonには求人数で及ばないものの、コードがシンプルで書きやすく、開発速度も早いため多くの企業において採用されています。

特にスタートアップや中小企業など、迅速なプロトタイプ開発（※)が求められている現場で重宝されている傾向です。

Rubyはスキルや知識、情報を交換できるコミュニティも活発であり、質問や問題解決に対するサポートを受けやすい環境があります。開発時につまずいた際も迅速に解決策を見つけられるため、プロジェクトをスムーズに進めやすくなるだけでなく、未経験者の学習環境としてもおすすめです。

Rubyは開発中にコードの変更を行い新機能の追加もできるため、変化の多いプロジェクトにも対応できるのが強みです。Rubyは開発効率の高さや使いやすさなど多くの利点を備え、スピード開発が求められる現場で需要が高いため、今後も求人がなくなる可能性は低いといえます。

※プロトタイプ開発…開発が本格始動する前に試作品を制作し、実際に利用したユーザーの感想をもとに改良していく開発方法のこと

まとめ

Rubyは学習しやすく開発効率も良いため、高い需要を誇っています。スキルと経験次第で高収入を実現できるのも、Rubyエンジニアの大きな魅力です。

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言語名	平均年収	未経験想定年収
Ruby	600万円	300万円
Python	607万円	300万円
Java	400~700万円	400万円
JavaScript	480万円	350万円