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HTMLのcanvas要素とは?描画の基本とつまずくポイントを解説 - 忍者CODEマガジン

HTMLのcanvas要素とは?描画の基本とつまずくポイントを解説

基礎知識

HTMLの学習を始めると、よく見かけるのがcanvas(キャンバス)です。画像(<img>)と似ているように見えますが、canvasは「画像を置く」のではなく、ブラウザ上に“描画用の白紙(領域)”を用意し、JavaScriptで線や図形を描く仕組みです。

この記事では、canvasの基本を、初心者がつまずきやすいポイントとセットで解説します。

canvas要素とは

canvas(キャンバス)は、本来「絵を描くための布・画用紙」の意味です。HTMLの<canvas>も同じで、Webページ上に絵を描くための四角いスペースを用意する要素です。

大事なのは次の2点です。

  • <canvas>は“場所(枠)を作るだけ”で、置いただけでは何も表示されません。
  • 線・図形・文字などを描くには、JavaScriptから描画命令を出します。

つまりcanvasは、「HTMLで描画エリアを置く」→「JavaScriptでその中に描く」という役割分担です。

canvasでできること

「結局、何ができるの?」をプログラミング学習目線で具体化すると、まずは次のようなものが作れます。

  • 座標の理解:クリックした位置に点を描く(x,yが体感で分かる)
  • 図形描画:四角形・円・線を描く(APIの基本操作)
  • アニメーション:図形を動かす(繰り返し処理の理解)
  • 当たり判定の入門:動く四角形が壁で跳ね返る(条件分岐がつながる)
  • 入力の理解:マウスイベントで操作する(イベント処理の基礎)

一方で、canvasは描いた内容が「ピクセル(ビットマップ)」として扱われやすく、文章やボタンのようなUI(アクセシビリティが必要な要素)には不向きな場面もあります。UIは基本的にHTMLで作り、canvasは「描画が必要な部分」に絞るのが実務ではよくある考え方です。

canvasにおけるHTML/CSS/JavaScriptの役割分担

  • HTML:canvasの置き場所(要素)を作る
  • JavaScript:canvasに「何をどう描くか」を命令する
  • CSS:canvas要素の見た目(余白、枠線、配置など)を整える(ただし描画内容そのものは変わらない)

初心者が混乱しやすいのは、「CSSでwidth/heightを変えた=描画領域も増える」と思い込むことです。canvasには“描画の解像度(座標の広さ)”“表示サイズ”があり、CSSで触っているのは主に後者です。

Canvasの図形の基本

canvas学習で遠回りしやすいのは、いきなり複雑な絵を描こうとすることです。まずは図形の基本セットを揃えるのが近道です。

四角形

canvasで最初に覚えたいのが四角形の描画です。基本となるのは次の3つで、これだけでもcanvasの扱い方がかなり見えてきます。

  • fillRect(x, y, w, h):塗りつぶしの四角形を描く
  • strokeRect(x, y, w, h):枠線のみの四角形を描く
  • clearRect(x, y, w, h):指定した範囲を消す
const canvas = document.getElementById("c");
const ctx = canvas.getContext("2d");

ctx.fillRect(10, 10, 80, 50);
ctx.clearRect(25, 25, 20, 15);
ctx.strokeRect(120, 10, 80, 50);

線・多角形

線や多角形を描く場合は、パス(path)という考え方を使います。beginPath()で新しい線の描画を始めるのがポイントで、これを忘れると以前の線とつながってしまうため、初心者がつまずきやすい部分です。

const ctx = document.getElementById("c").getContext("2d");

ctx.beginPath();
ctx.moveTo(20, 120);
ctx.lineTo(120, 120);
ctx.lineTo(70, 170);
ctx.closePath();
ctx.stroke();

円や円弧はarc()を使って描きます。角度はラジアンで指定するため、最初は「2π(Math.PI * 2)で一周」と覚えておけば問題ありません。

const ctx = document.getElementById("c").getContext("2d");

ctx.beginPath();
ctx.arc(220, 140, 30, 0, Math.PI * 2);
ctx.stroke();

初心者がつまずきやすい3つのポイント

1) <canvas>は閉じタグが必要

<canvas>は必ず</canvas>で閉じます。閉じ忘れると、以降のHTMLが「canvasの中身(代替コンテンツ)」扱いになって表示が崩れることがあります。

2) width/heightは「属性」で決める(CSSだけで拡大しない)

canvasの描画領域(座標系)はwidth/height属性で決まります。CSSのwidth/heightは「見た目のサイズ」を変えるだけなので、描画が引き伸ばされてぼやけたり歪んだりしやすいです。

3) まずgetContext(“2d”)が取れているか確認する

描画するにはコンテキスト取得が必要です。取得できない=描画命令が実行できないので、最初はここで詰まりがちです。まずは「要素が取れているか」「実行タイミングがDOMの後か」を疑うのが定石です。

HTMLの学習に行き詰まったら

Canvasは「小さなズレ」や「前提の取り違え」で時間が溶けやすい分野です。独学で頑張るのは良い選択ですが、行き詰まったときは短時間で詰まりを解消したほうが、結果的に学習が続きやすくなります。

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