オブジェクト指向とは?初心者向けにわかりやすく解説

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オブジェクト指向とは

オブジェクト指向(Object-oriented programming)は、ソフトウェア開発における重要なパラダイムの一つです。

このアプローチでは、プログラムを独立した「オブジェクト」と呼ばれる要素の集合体として捉え、それらのオブジェクトが相互に連携しながら目的を達成することを重視します。オブジェクト指向は現実世界の物事をモデル化する手法であり、プログラムの設計や開発を効率化し、保守性や拡張性を向上させることができます。

今回の記事ではオブジェクト指向について基本的な概念から詳しく解説していきます!

オブジェクト指向の基本的な概念

クラスとオブジェクト

オブジェクト指向では、クラスとオブジェクトの概念が重要です。クラスはオブジェクトの設計図やテンプレートの役割を果たし、オブジェクトはそのクラスから具体的に生成された実体です。

クラスは、共通の特徴や振る舞いを持つオブジェクトの集合体を表します。例えば、クラスが「車」であれば、それに関連する特徴(色、サイズ、速度など)や振る舞い(走る、停止する、ホーンを鳴らすなど)が定義されます。クラスはプロパティ(属性)とメソッド(操作)から成り立ち、それぞれオブジェクトの状態や振る舞いを表現します。

オブジェクトは、クラスのインスタンスとして作成される具体的な存在です。クラスから生成されるオブジェクトは、各々が独自のデータを持ち、メソッドを実行することができます。

例えば、クラスが「車」であれば、それに基づいて「赤い車」や「青い車」といった具体的なオブジェクトを作成することができます。

メソッドとプロパティ

クラスやオブジェクトには、それぞれメソッドとプロパティが定義されます。

メソッドは、オブジェクトが実行する操作や処理を表します。例えば、車のクラスには「走る」というメソッドがあり、それを呼び出すことで車が走る動作を実現します。メソッドはクラス内で定義され、オブジェクトがそれを利用することができます。

プロパティは、オブジェクトが持つデータや状態を表します。例えば、車のクラスには「色」というプロパティがあり、各オブジェクトは異なる色の値を持つことができます。プロパティはクラス内で定義され、オブジェクトごとに独自の値を持つことができます。

メソッドとプロパティは、オブジェクトの振る舞いや状態を定義するために使用されます。オブジェクト指向では、これらのメソッドやプロパティを組み合わせて、より複雑な振る舞いやデータの操作を実現します。

カプセル化とデータの隠蔽

オブジェクト指向では、カプセル化とデータの隠蔽という概念が重要です。カプセル化は、オブジェクト内部のデータや処理を隠蔽し、外部からの直接的なアクセスを制限することを意味します。

カプセル化により、オブジェクトは自身の内部の詳細を隠し、外部からは公開されたインタフェースを通じてのみアクセスが可能となります。これにより、オブジェクトの内部実装を変更することなく、外部からの利用を安定させることができます。

データの隠蔽は、カプセル化の一環としてデータに対する直接的なアクセスを制限することを指します。オブジェクト内のデータは、メソッドを通じて間接的に操作されるため、データの整合性やセキュリティを保護することができます。

カプセル化とデータの隠蔽は、オブジェクト指向の重要な特徴であり、プログラムの保守性や拡張性を向上させる効果があります。これにより、オブジェクト指向のコードはより柔軟で信頼性の高いものとなります。

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オブジェクト指向の利点

再利用性と拡張性

オブジェクト指向の利点の一つは、再利用性と拡張性の向上です。クラスとオブジェクトの特性を活用することで、同じクラスから複数のオブジェクトを生成することができます。

この再利用性により、一度作成したクラスやオブジェクトを他のプログラムやプロジェクトでも再利用することができます。

また、既存のクラスやオブジェクトを拡張することも容易であり、新たな機能や振る舞いを追加することができます。これにより、プログラムの開発効率が向上し、コードの重複を避けることができます。

メンテナンス性と可読性

オブジェクト指向の設計は、メンテナンス性と可読性を高める効果があります。クラスやオブジェクトの階層構造や関係性を明確にすることで、コードの理解や保守が容易になります。

また、カプセル化により、オブジェクトの内部実装を隠蔽することで、他の部分への影響を最小限に抑えることができます。

これにより、変更や修正が必要な場合に、関連する部分のみを修正することができます。コードの保守性が向上するため、長期的なプロジェクトやチームでの開発においても有利です。

 ソフトウェア設計の抽象化

オブジェクト指向は、ソフトウェア設計の抽象化を支援します。抽象化とは、複雑な現実世界の問題をシンプルなモデルに変換することを指します。クラスやオブジェクトを用いることで、現実世界の概念や関係をプログラムに反映させることができます。

これにより、問題をより理解しやすくし、ソフトウェアの設計や開発プロセスを効果的に行うことができます。抽象化により、問題の本質を捉え、柔軟かつ拡張可能なソリューションを提供することができます。

オブジェクト指向の特徴的な概念

継承

継承は、オブジェクト指向の特徴的な概念の一つです。継承とは、既存のクラス(親クラスまたはスーパークラス)の特性や振る舞いを引き継ぎ、それを拡張または変更して新しいクラス(子クラスまたはサブクラス)を作成することを意味します。

継承により、親クラスのプロパティやメソッドを子クラスが利用することができます。子クラスは親クラスの特性を共有しながら、独自の特性や振る舞いを追加することができます。

これにより、コードの再利用性や保守性が向上します。また、継承を通じて階層構造を形成することで、関連するクラスのグループを効果的に表現することができます。

ポリモーフィズム

ポリモーフィズムは、オブジェクト指向の特徴的な概念の一つであり、多様性を表現する能力を指します。ポリモーフィズムでは、同じメソッド名を持つが、異なるクラスやオブジェクトによって異なる動作をすることができます。

具体的には、親クラスが定義したメソッドを子クラスがオーバーライドして独自の実装を提供することができます。そして、プログラムの実行時に、メソッドの呼び出し時に適切な実装が自動的に選択されます。

このように、同じメソッド名に対して異なるクラスやオブジェクトが異なる動作をすることがポリモーフィズムの特徴です。

ポリモーフィズムにより、柔軟で拡張可能なコードを実現することができます。また、プログラムの可読性や保守性も向上させます。さまざまなクラスやオブジェクトを統一的なインタフェースで扱うことができるため、コードの拡張や変更が容易になります。

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カプセル化と情報隠蔽

カプセル化と情報隠蔽は、オブジェクト指向の特徴的な概念であり、データとそれに関連する操作を一体化させることを目的としています。

カプセル化では、データとそれを操作するメソッドをオブジェクト内部にまとめます。

これにより、オブジェクトの内部の状態や振る舞いを他のオブジェクトから隠蔽し、外部からの直接的なアクセスを制限します。情報隠蔽は、カプセル化の一環として、オブジェクト内部のデータに対する直接的なアクセスを制限することを指します。

カプセル化と情報隠蔽により、オブジェクトの内部実装の詳細を隠し、外部からは公開されたインタフェースを通じてオブジェクトとやり取りします。

これにより、オブジェクトの安全性や信頼性を高めることができます。また、オブジェクトの内部実装の変更が他の部分に与える影響を最小限に抑えることができ、プログラムの保守性を向上させます。

オブジェクト指向の実装例

クラスの定義とオブジェクトの生成

オブジェクト指向の実装では、まずクラスを定義し、そのクラスからオブジェクトを生成します。クラスはオブジェクトの設計図であり、オブジェクトの特性や振る舞いを定義します。

クラスの定義は、以下のような形式で行います。

クラス名は任意の名前であり、一般的には大文字で始めるキャメルケースが使われます。クラスの中には、変数やメソッド(関数)を定義することができます。

クラスからオブジェクトを生成するには、クラス名に続けて丸括弧を付ける形でインスタンス化を行います。

このようにすることで、クラスからオブジェクトが生成されます。

メソッドの定義と呼び出し

クラスの中には、メソッド(関数)を定義することができます。メソッドはクラスに関連付けられた関数であり、特定の操作や処理を表現します。

メソッドの定義は、クラスの中に関数として記述します。

メソッド名は任意の名前であり、一般的には小文字で始めるスネークケースが使われます。メソッドは必ず第一引数としてselfを受け取ります。selfはメソッドを呼び出すオブジェクト自体を参照するための特別なキーワードです。

メソッドを呼び出すには、オブジェクト名に続けてドット(.)演算子を使い、メソッド名を指定します。

このようにすることで、指定したオブジェクトのメソッドが呼び出されます。

カプセル化とデータの隠蔽の実現

カプセル化とデータの隠蔽は、オブジェクト指向の重要な概念です。カプセル化により、オブジェクトの内部実装を隠し、外部からの直接的なアクセスを制限します。

データの隠蔽を実現するために、クラスの中で変数を定義する際に、通常はアンダースコア(_)で始まる名前を付けます。これにより、外部からの直接的なアクセスを避けることができます。

また、データにアクセスするためのメソッドを定義し、その中でデータの読み書きを行います。これにより、外部からはメソッドを通じた間接的な操作のみが許可されます。

例えば、以下のようにクラス内に変数とアクセスメソッドを定義することで、カプセル化とデータの隠蔽を実現できます。

__init__メソッドは、オブジェクトが生成される際に自動的に呼び出される特殊なメソッドであり、オブジェクトの初期化を行います。

set_dataメソッドは、データを設定するためのメソッドであり、get_dataメソッドはデータを取得するためのメソッドです。これにより、データへの直接的なアクセスを避けつつ、オブジェクトの状態を安全に管理することができます。
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オブジェクト指向の注意点

過度なクラスの分割

オブジェクト指向では、クラスを適切に設計することが重要です。しかし、過度に細かくクラスを分割しすぎると、逆にコードの複雑さやメンテナンスの難しさを引き起こす可能性があります。

過度なクラスの分割は、クラスの数が増えることによる管理の困難さや、クラス間の依存関係の複雑化などを招く場合があります。また、細かすぎるクラスでは再利用性が低下する可能性もあります。

クラスの分割は機能の独立性や責任の明確さを考慮しながら行う必要があります。適切な粒度でクラスを分割し、必要な機能を持つクラスを設計することが重要です。

継承の乱用

継承はオブジェクト指向の重要な機能ですが、過度な継承の乱用はコードの理解やメンテナンスの難しさを引き起こす可能性があります。

継承は「is-a」の関係が成り立つ場合に使用すべきです。つまり、継承関係があるクラスは、継承元のクラスの一種であるという関係性があるべきです。逆に、単純にコードの再利用や機能の追加のためだけに継承を用いると、クラス間の依存関係が複雑化し、変更が難しくなる可能性があります。

継承を利用する際には、継承関係が適切であり、コードの拡張性や保守性に貢献することを意識しましょう。

適切なオブジェクトの設計

オブジェクト指向の設計においては、適切なオブジェクトの設計が重要です。オブジェクトの設計はシステムの機能や要件に基づいて行われるべきです。

適切なオブジェクトの設計には、以下のような考慮事項が含まれます。

  • 単一責任原則(Single Responsibility Principle)に従い、各オブジェクトには1つの責任を持たせる。
  • オブジェクト間の依存関係を最小限に抑える。
  • インタフェース(Interface)の設計に注意し、オブジェクト間のコミュニケーションを明確にする。
  • オブジェクトの内部状態や振る舞いを適切にカプセル化する。

適切なオブジェクトの設計は、コードの保守性や拡張性、再利用性に大きく影響を与えます。十分な時間をかけてオブジェクトの設計を検討し、システムの要件や目標に適した設計を行いましょう。

まとめ

オブジェクト指向は、プログラミングのアプローチの一つであり、コードをオブジェクト(データとそれを操作するメソッド)の集まりとして捉えます。オブジェクト指向の基本的な概念として、クラスとオブジェクト、メソッドとプロパティ、カプセル化とデータの隠蔽があります。

オブジェクト指向の利点は再利用性と拡張性、メンテナンス性と可読性、ソフトウェア設計の抽象化です。また、継承、ポリモーフィズム、カプセル化と情報隠蔽はオブジェクト指向の特徴的な概念です。

オブジェクト指向の実装例では、クラスの定義とオブジェクトの生成、メソッドの定義と呼び出し、カプセル化とデータの隠蔽の実現について説明しました。

一方、オブジェクト指向の注意点として、過度なクラスの分割、継承の乱用、適切なオブジェクトの設計が挙げられます。これらには注意が必要であり、クラスの分割や継承の使用は慎重に行い、システムの要件や目標に合った適切なオブジェクトの設計を行う必要があります。

オブジェクト指向は柔軟性や保守性を高めるための強力なツールですが、適切な理解と設計が必要です。初心者の方にとっては、基本的な概念と実装例を学ぶことから始めることがおすすめです。