フリーターとして働くことには自由な時間や柔軟な働き方といったメリットがあるものの、その一方で将来に対する不安を抱える方も少なくありません。経済的な安定やキャリアの見通しに対する懸念が増えるなかで、どのように安心感を持って生活を送れるかは重要なテーマです。今回は、フリーター生活に感じる不安の理由と、未来を見据えた対策について解説します。
フリーターが抱える将来への不安
フリーター生活には、時間に縛られず、自由度が高く、働きやすいといった魅力があります。一方で、フリーターとしての働き方に不安を感じている方もいるでしょう。ここでは、具体的な不安要素について詳しく解説します。
給料が少ない
フリーターは正社員と比べて生涯年収が大幅に少なく、経済的な余裕が乏しい傾向にあります。例えば、男性正社員の平均年収が594万円、女性正社員が413万円であるのに対し、非正社員では男性が269万円、女性が169万円となっています。収入の差は、生活の質や将来の安心感に大きな影響を与え、贅沢な生活は難しくなり、不便な生活を強いられることが多くなります。
出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
キャリアアップや収入アップが見込めない
フリーターには正社員のような昇進の機会がなく、長年同じ職場に勤めても給料がほとんど上がらないことが一般的です。また、正社員と同じ仕事をしていてもフリーターというだけで、待遇や給料に大きな差が出てしまいます。フリーターとしての経験がキャリアとみなされないことも多く、将来的な安定が見込めない点が不安要素となるのです。
貯金ができない
フリーターにはボーナスや退職金が支給されないケースが多いため、貯金が難しいのが現状です。将来に備えるための貯蓄ができないことは、病気や急な出費に対する備えがないことを意味し、経済的な不安定さがさらに増します。
病気やケガで働けなくなると収入がゼロになる
パートやアルバイトは時給制で働いていることが多いため、病気やケガなどで働けなくなった際には、収入が完全に途絶えてしまいます。このため、予期せぬトラブルによる経済的リスクが常につきまとい、将来に対する不安がより一層高まります。
収入への不安から結婚できない
フリーターの中には、収入の不安定さから結婚に踏み切れないという悩みを抱える人もいます。生活費や将来の教育費を考えると、結婚や子育てが経済的に厳しいと感じ、結婚に対して消極的になってしまうのです。さらに、相手の家族から収入面での不安を理由に結婚を反対されるケースもあります。
将来の年金額が少ない
フリーターは、年金や健康保険の支払い負担が大きい割に、将来受け取れる年金の金額が正社員と比べて少ないのが一般的です。そのため、老後の生活資金が不足し、生活の質を維持するのが難しくなります。老後に不安を抱えながら生活しなければならない点も、フリーターの将来不安の大きな要因です。
いつ解雇されるかわからない
フリーターは有期雇用が多く、企業の都合により解雇されるリスクが常にあります。このため、安定的な収入を得続けられる保証がなく、いつ収入が途絶えるかわからないという不安が付きまといます。正社員と異なり、長期的な雇用の安定がないことが、将来の見通しをより不安定なものにしています。
これからのフリーターの将来性
フリーター生活は柔軟な働き方ができる一方で、将来性の観点でさまざまなマイナス面をともないます。ここでは、フリーター生活を続けることによるリスクについて詳しく解説します。
社会的信用が得られない
フリーターの生活を続けることで、将来的に大きな問題のひとつとなるのが「社会的信用の不足」です。安定した収入がない場合、賃貸契約やクレジットカードの申請が通りにくく、家や車のローンの審査でも不利な条件を突きつけられることが少なくありません。信用が得にくい状況に陥ると、生活の幅が制限され、将来的な計画も立てづらくなるでしょう。
収入が不安定でライフプランが立てられない
フリーター生活の最大の課題は、先述のように、収入が不安定である点です。正社員のように毎月一定の収入が見込めないため、ライフプランや貯金計画が立てにくくなり、思い描いていた将来像の実現が困難になることが少なくありません。特に、生活費や医療費、万一の事態に備えた資金が十分でない場合、精神的な不安が増し、生活の質が低下するおそれもあります。
年齢が上がるほど就職がしにくくなる
フリーターとして年齢を重ねることにより、正社員としての就職が難しくなるのも現実です。多くの企業では、若年層を優遇する傾向があり、特に30代以降になると応募できる求人が減少し、転職市場での競争も厳しくなります。若い頃は選択肢が多くても、年齢を重ねるごとに就職先の選択肢が限られるようになるため、早い段階で安定した働き方を模索することが望ましいといえます。
フリーターの生活に不安を感じたときの対策
フリーターとして働き続けるなかで、将来に対する不安が強まったときには、早めに行動を起こすことが大切です。ここでは、将来を見据えた具体的な対策を紹介します。
自己分析をする
まずは、自分の将来ややりたい仕事について考え、自己分析をしましょう。何が得意で、何が好きなのかを掘り下げることで、自分に合った職種を見つけるための手がかりが得られます。また、自分史を作成することで過去や現在の自分を見つめ直し、そこから興味のある分野や得意なスキルの共通点を見出すのもおすすめです。
目標設定・将来設計をする
次に、収入や生活の基盤となる目標を設定し、将来設計を考えてみましょう。仕事や生活上のビジョンを描くことで、進むべき方向性が明確になります。大まかなビジョンが決まれば、業界研究や資格取得など、具体的な行動のスケジュールを組んでいきましょう。
業界・企業を研究する
安定した将来を目指すには、成長が期待される業界や需要の高い職種を調べておくことが役立ちます。特に、今後も人材需要が続くと考えられる業界に注目しておきましょう。
例えば、IT関連や医療・福祉分野などは将来性が高く、自分に合ったスキルを身に付けておくことで就職先の選択肢が広がります。
成長が期待できる職種・業界についてより詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
「これから伸びる職種・業界一覧!将来性・需要の高いスキルを身に付けるには」
資格を取得する
就職を目指すために資格取得を検討することもおすすめです。取得した資格は履歴書のアピールポイントとなり、採用担当者に好印象を与えることができます。資格取得には時間や費用がかかるため、しっかりと計画を立てて取り組むことが大切です。
就職に役立つ資格についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
「需要のあるおすすめの資格10選!業界別に転職や就職に役立つ資格を紹介」
専門的なスキルや経験を磨く
長期的に収入を安定させるには、専門的なスキルや経験を積むことが有効です。手に職をつけることで、転職やキャリアアップがしやすくなります。例えば、プログラミングやITスキルは、やや習得に時間はかかるものの、需要が高い分野です。Web(ウェブ)サイトの作成やデータ管理など、具体的なスキルを身に付けましょう。
IT分野のスキルを身に付けたいなら、プログラミングスクール「NINJACODE」がおすすめです。Web制作コース・Webデザインコース・動画編集コースなど、目指すキャリアに合わせ、それぞれに特化したコースを選べます。気になる方は下記からご確認ください。
また、手に職をつけられる職業についてより詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。
「30代から手に職をつけられる?おすすめの職業を男女別に紹介」
正社員を目指す
フリーターから脱却し、安定を求めるなら正社員を目指すことも選択肢のひとつです。現在のアルバイト先で正社員登用制度があれば、積極的に活用してみましょう。また、ハローワークのサポートや就職支援サービスの利用も有効で、面接対策などのサポートが受けられます。自分に合った就職活動を進めるために、活用してみてください。
厚生年金に加入する
フリーターでも条件を満たせば厚生年金に加入できます。厚生年金に加入していると、老後に受給できる年金額が増え、さらに病気やけがで仕事が続けられなくなった際の障害年金も受給できるようになります。将来の生活を見据えた保障として、加入を検討してみましょう。
まとめ
フリーター生活には自由度や働きやすさといった利点がある一方で、将来への不安も多くあります。収入の不安定さや昇進の機会の少なさ、貯蓄の難しさなどが、将来の生活設計に影響を与え、精神的な負担となる場合も少なくありません。しかし、不安を感じたときこそ自己分析や将来設計、業界研究、資格取得などを通じて一歩を踏み出す好機です。行動を起こすことで、自身のキャリアと生活の安定を築くための道が開けるでしょう。
また、これまでのスキルや経験に自信がない方におすすめなのはプログラマーやWebデザイナーなどのIT系職種です。在宅や副業でも働くことができ、手に職もつけられます。どんな仕事があるのか知りたい方は下記を参考にしてください。