「Pythonの資格は意味がない」という意見がありますが、それは正しくはありません。特に初心者にとって、Pythonの資格は自身のスキルを証明し、キャリアアップのための強力な武器となります。今回は、初心者におすすめのPython資格と取得のメリットについて詳しく解説します。
Pythonの資格が意味ないといわれる理由
ここでは、Pythonの資格を取得することが意味ないといわれる主な2つの理由を紹介します。
資格取得の難易度が易しいため
Pythonの資格は、どれも比較的取得しやすいものが多く、合格率が高い傾向にあります。これによって、資格を持っていることが高度な知識やスキルを有していることの証明になりにくいです。
資格とはいえ、国家資格ではないため資格そのものが持つ権威や信頼性が低く、資格を取得しても就職やキャリアアップに直結するケースがあまり多くありません。
実践スキルが重要なため
Pythonの資格は難易度が低いこともあり、資格を持っているだけでは、実際にプログラミングをできるスキルを持っているかどうかを判断するのが困難です。実際の現場では、資格の有無よりもコードを書くスキルが重視されます。具体的には、Pythonのフレームワーク(※1)やライブラリ(※2)への理解や、データベースのスキルなどが求められます。
資格を取得するだけではなく、実際にコードを書ける環境で経験やスキルを積むことが重要です。
※1:システム開発でよく使われる機能を備えた枠組みのこと
※2:汎用性の高いプログラムを再利用できる形にまとめたもの
初心者がPythonの資格取得をめざすメリット
初心者であれば、Pythonの資格を取得するメリットは大きいといえるでしょう。具体的に解説します。
学習のマイルストーンになる
Pythonの資格を取得することを目標と定めることで、学習のマイルストーンとして機能します。マイルストーンを設定することでモチベーションを維持しやすくなる上に、Pythonの機能やライブラリの活用法など実践的なスキルが身に付き、効率的に勉強ができるでしょう。
合格することで、さらなるスキルアップに対するモチベーションが高まります。
正しく文法を理解できる
独学だとよく使う文法に偏りがちですが、資格取得をめざして勉強することで偏りなく文法を学べます。例えば、独学では頻繁に使うループや条件分岐の文法だけに集中しがちです。資格の勉強を通して、リスト内包表記(一部のプログラミング言語で使用できる構文)やジェネレーター式(ジェネレータ関数を簡単に書くための方法)など、普段自分があまり使わない重要な文法も学ぶことができます。
幅広い知識を身に付けられ、より高度なプログラムを書く基礎を固めることができるでしょう。
転職・就職や案件獲得につながる
Pythonの資格を持っていることは、転職や就職、フリーランスとしての案件獲得に有利に働きます。例えば、IT企業への転職を考えている場合、Pythonの資格を持っていることで書類選考を通過しやすくなります。資格を保有していることで、応募者の基礎的なスキルと知識があることを証明できるためです。さらに、資格は自己学習能力や向上心の高さを示すものでもあり、意欲的で成長志向のある人材として評価されます。
また、フリーランスとして案件を獲得する際も同様です。クライアントは信頼できるスキルを持つエンジニアを探しています。Pythonの資格を持っていることは、プロジェクトの成功に必要なスキルセットを備えていることを示す強力なアピールポイントとなります。例えば、データ分析の案件やウェブ開発プロジェクトなど、Pythonが求められる分野に応募する際に資格を取得しておくと、他者との差別化を図るための大きな武器となり得ます。
初心者におすすめのPython資格
Python資格はいくつもあるため、難易度を理解した上で選ぶ必要があります。多くの資格は通年受験が可能なため、勉強を始めるタイミングを見計らう必要はありません。初心者におすすめのPythonの資格について、詳しく見ていきましょう。
関連記事:【Pythonの資格一覧】各資格の特徴と選び方をわかりやすく解説
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な文法や標準ライブラリの理解を評価する試験です。難易度としては、Pythonを初めて学ぶ初心者向けであり、基本的なプログラミングスキルが求められます。
合格には70%以上の正答率が必要です。全国の指定された試験会場で通年受験可能です。合格を目指すなら、30~40時間ほどの勉強時間を確保するのがおすすめです。
試験時間 | 60分 |
出題形式 | ・40問の選択問題
・CBT(Computer Based Testing)形式 |
受験費用 | ・一般価格10,000円(税別)
・学割価格5,000円(税別) |
Python3エンジニア認定実践試験
Python3エンジニア認定実践試験は、Pythonの実践的なスキルを評価する試験であり、より高度な知識と経験が求められます。難易度は中級から上級者向けで、実務でのPythonの使用経験があることが望ましいでしょう。合格には、最低2か月の勉強時間が必要です。
試験時間 | 75分 |
出題形式 | 40問の選択問題 |
受験費用 | ・一般価格12,000円(税別)
・学割価格6,000円(税別) |
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析のスキルを評価する試験です。試験範囲にはデータ分析の基礎やデータの前処理、データの可視化、統計解析、機械学習の基本などが含まれます。難易度は中級者向けで、データ分析や機械学習の基礎知識が必要です。合格するためには、約30時間の勉強時間が必要です。
試験時間 | 60分 |
出題形式 | 40問の選択問題 |
受験費用 | ・一般価格11,000円(税別)
・学割価格5,500円(税別) |
PythonZen&PEP8検定試験
PythonZen&PEP8検定試験は、Pythonのコーディング規約やベストプラクティスを理解し、適用する能力を評価する試験です。試験範囲には、PythonのコーディングスタイルガイドであるPEP8、およびPythonの設計理念であるPythonZenが含まれます。難易度は初心者から中級者向けで、Pythonの基本的な知識があれば合格できるでしょう。
試験時間 | 60分 |
出題形式 | 20問の選択問題 |
受験費用 | 無料 |
海外の資格
下記はPython初心者から上級者まで、さまざまなレベルに対応する海外のPython資格試験です。これらの資格試験は英語で行われるため英語力が必須です。
試験時間 | 60分 |
出題形式 | 20問の選択問題 |
受験費用 | 無料 |
キャリアのステップアップに役立てられます。グローバルで認知されているため、海外で活躍したい場合は取得を目指してみてもよいでしょう。
Pythonの資格をスムーズに取得するには?
Pythonの資格をスムーズに取得するための勉強方法を解説します。下記の方法を活用して効率的に学習を進め、資格取得を目指しましょう。
独学
Pythonの資格をスムーズに取得するためには、計画的な学習が欠かせません。まず、資格試験に対応した主教材を選定しましょう。例えば、Python3エンジニア認定データ分析試験では、「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第2版」をもとに学習を進めます。試験で問われる内容を網羅しているため、知識を詰め込むことによって合格率を引き上げることが可能です。
次に、模擬問題を繰り返し解くことが大切です。実際の試験形式に慣れるために模擬試験を行い、自己評価とフィードバックをくり返します。模擬問題集や練習問題を活用することで、自身の理解度を確認し、追加学習が必要な部分を明確化できます。
また、模擬試験を通じて試験時間内にすべての問題を解く練習をすることで、試験本番での時間管理能力も向上させられます。日本で実施されているPython資格試験は、独学でも十分に合格可能です。
独学のメリットは、自分のペースで学習を進められる点です。しかし、自分の弱点を見つけ、適切に補強するための自己管理能力も求められます。特に開発環境の構築に時間がかかったり、Pythonのコードで出てくるエラーメッセージの意味がわからなかったりすると、挫折してしまうおそれがあります。
適切な教材と模擬問題を活用し、計画的に学習を進めることで、Pythonの資格取得をスムーズに達成できるでしょう。
プログラミングスクール
Pythonの資格を取得するために独学で基礎を身に付けることは十分可能ですが、本格的にプログラマーを目指すのであれば、専門のプログラミングスクールで学ぶことをおすすめします。スクールでは、体系的なカリキュラムと経験豊富な講師からの指導を受けることができるため、効率的にスキルを習得できます。
オンライン学習の「NINJA CODE」は、プログラミング初心者でも基礎から実践までしっかりと身に付けることができるプログラムを用意しています。
NINJACODEではPythonスクールを用意しており、タスク管理アプリや自動化ツール(WEBスクレイピング)の開発など、実際の案件をもとに作成された課題を通じて学習できるため、実践的なスキルを磨くことが可能です。プログラミングスクールでの学習を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
Pythonの資格は、初心者にとってスキルを証明し、キャリアアップを図るための有効な手段です。資格を取得することで、学習のモチベーションを高め、幅広い知識を習得する機会が得られます。また、就職や転職、フリーランスとしての案件獲得にも有利に働きます。次のステップとして、独学やプログラミングスクールを活用して、効率的に学習を進め、資格取得を目指しましょう。