UIデザイナーとWebデザイナーは、Webやアプリ業界においてそれぞれ不可欠な存在です。UIデザイナーはユーザー体験を意識した設計が必要とされる一方、Webデザイナーは視覚的なデザインを表現するスキルが求められます。今回は、UIデザイナーとWebデザイナーの違いについて、必要なスキルや年収、そしてキャリアの将来性を詳しく解説します。
UIデザイナーとは
UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略で、スマートフォンやPCといったデバイスをユーザーが操作するための要素を指します。具体的には、Webサイト上のボタンの配置やメニュー、アイコン、テキストフィールド、動作のスムーズさなどが含まれます。
UIデザイナーとは、このユーザーインターフェースを設計し、ユーザーが快適に利用できるよう機能性を重視してデザインする職種です。もともとWebデザイナーの仕事の一部でしたが、UIの重要性が認識され、UIデザインを専門とするUIデザイナーが登場しました。
UIデザイナーは、ユーザー視点に立ち、操作のしやすさや見やすさを意識したデザインを行います。そのため、デザインスキルだけでなく、ユーザーの行動や心理を理解する力も求められます。
そのような背景から、特にスマホアプリやWeb(ウェブ)アプリの需要が増えるなかで、UIデザイナーは注目される職種です。
Webデザイナーとは
Webデザイナーとは、主にWebサイトの「見た目」を設計する職種です。ユーザーがWebサイトを快適に利用できるように、視覚的にわかりやすく魅力的なレイアウトを作成します。Webデザインだけでなく、Webサイトの企画構成や後工程であるコーディングも担当するケースも多く、多様なスキルが求められるでしょう。
また、Webデザイナーは、配色・フォント・画像の配置といった要素を通じて、Webサイト全体のブランドイメージを統一させる役割も果たします。さらに、Webデザインに関連するツールの知識も重要です。PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのデザインツールを用いて視覚的なデザインを制作し、必要に応じてHTML(※)やCSS(※2)の基本知識を活用することもあります。
Webデザイナーの仕事について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
「Web(ウェブ)デザイナーになるにはどんなスキルが必要?適性とあわせて紹介」
※1:Webサイトのページを作るための言語
※2:Webサイトの見た目(文字や背景、画像など)を設定するための言語
UIデザイナーとWebデザイナーの仕事の違い
UIデザイナーとWebデザイナーは、どちらもWebサイトのデザインに携わる職種ですが、具体的な仕事内容には違いがあります。ここでは、制作物や求められるスキル、年収の3つの観点から、両職種の違いを解説します。
制作物
UIデザイナーの役割は、ユーザーが直感的に操作できるデザインを作り上げることです。例えば、商品の情報を見やすく整理したレイアウトや、視認性の高い色の選定、文字サイズの調整などがその一例です。
また、ユーザーが目的の情報を素早く見つけられるよう、検索機能やページ間の移動のしやすさにも細かく配慮します。UIデザイナーは「ユーザーがストレスなく目的を達成するにはどうすればよいか」を常に考えながら、サイト全体のデザインを構築しています。
一方、Webデザイナーはサイト全体のデザインを美しく整え、視覚的に魅力を引き出すのが主な役割です。サイトの美しい統一感や、ブランドのイメージに合わせたデザインは、ユーザーに強い印象を残すでしょう。
具体的には、写真の配置、文字の色や並べ方などに気を配り、全体のバランスを考えてデザインを仕上げていきます。Webデザイナーはビジュアル面を意識しながら、ユーザーにとって魅力的に感じられるサイト作りを目指します。
求められるスキル
UIデザイナーとWebデザイナーには共通するスキルがある一方、それぞれに特化したスキルも求められます。
共通して求められるスキル
両職種ともに、デザインの基礎知識やツール操作は欠かせません。下記のようなスキルが共通して必要です。
・デザインに関する知識
・デザインツール(PhotoshopやIllustratorなど)の操作スキル
・HTML、CSSの基礎的なコーディングやプログラミング知識
・マーケティングやSEO(検索エンジン最適化)の知識
これらは、デザイナーとしてWebサイトを設計・制作する上で基本となるスキルであり、Webサイトの構造やユーザーに訴求するデザインを効率よく実現するために必要です。
UIデザイナーに特に求められるスキル
UIデザイナーには、特にUI/UXデザインに関する深い知識が求められます。具体的には下記のスキルが必要です。
・UI/UXの知識
ユーザーの行動を想定したデザインを行うための、ユーザビリティ(使いやすさ)や心理学に基づいた知識。
・コミュニケーションスキル
クライアントや他部署と連携し、ユーザーの要望を反映させるためのコミュニケーション能力。特に、ユーザー体験の改善に直接関与する職種であるため、他者との情報共有や調整が重要です。
・プレゼンテーションスキル
自分のデザイン意図やUIデザインの効果を説明する力。例えば、「なぜこのUIデザインが使いやすいのか」「どのような効果が期待できるのか」を明確に説明する能力が求められます。
平均年収
UIデザイナーは、Webデザイナーよりも年収がやや高い傾向にあります。
UIデザイナーの平均年収は約557.6万円です。ユーザーに快適な操作体験を提供するための重要な役割を担うので、年収も比較的高めに設定されることが多い傾向にあります。
Webデザイナーの平均年収は約509.3万円です。Webデザイナーもデザイン力やWebに関する知識を活かして活躍しますが、UIデザイナーほどユーザビリティ設計の専門知識が求められるわけではないため、年収はやや低めとなることが一般的です。しかし、サイトの魅力を引き出す視覚的なデザインに関わるため、ブランドイメージや企業のビジュアル戦略において欠かせない存在といえます。
出典:
jobtag「UX/UIデザイナー」
jobtag「Webデザイナー」
UIデザイナーとWebデザイナーのキャリアの違い
UIデザイナーとWebデザイナーは、デジタル領域における重要な職種ですが、求人数やキャリアパス、将来性に違いがあります。ここでは、それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。
求人数
UIデザイナーとWebデザイナーの求人を比較すると、正社員の求人数に大きな差が見られます。Webデザイナーの正社員求人はUIデザイナーの約2倍以上あり、安定した職種として求められる傾向です。一方で、業務委託の求人に関しては、UIデザイナーとWebデザイナーの間でそれほど大きな違いはありません。
・UIデザイナー
正社員:27,272件
業務委託:21,802件
・Webデザイナー
正社員:73,946件
業務委託:23,730件
これらの数値から、特に正社員としての安定した雇用を求める方にはWebデザイナー職が向いているといえるでしょう。また、フリーランスや業務委託での働き方を希望する場合、どちらの職種でもほぼ同程度の求人数があるため、自由な働き方も選択できます。
キャリアパス
UIデザイナーとWebデザイナーは、スキルを磨きながら多様なキャリアパスを描ける点が魅力です。下記のように、専門性を深める道や、関連職種にステップアップする道があります。
それぞれの分野で専門性を高め、UIやWebのデザインに特化したプロフェッショナルとしての道を歩む方法です。企業内でデザイン部門のリーダーを目指すほか、フリーランスとしてクライアントワークに注力することも可能です。
・Webの上流工程に進む
Webディレクターやプロジェクトマネージャーなど、デザインだけでなく、プロジェクト全体を管理する役割を担います。これにより、より広い視点からWeb制作に関与し、他職種との協業が求められる場面が増えるでしょう。
・Webの別工程を担当する
UIやWebデザインに関連するフロントエンドエンジニア(※3)やWebマーケター(※4)などの役割に転向するケースも多くみられます。これにより、デザインだけでなく技術的なスキルやマーケティングの知識も活かし、キャリアの幅を広げることが可能になるでしょう。
・Web以外の分野に進出する
アートディレクター(※5)として、デジタルに限らず、広告やプロダクトデザインなどに携わるケースもあります。特にUIデザイナーからアートディレクターへとキャリアチェンジする例もみられます。
・独立して、フリーランスとして活動する
UIやWebデザインのスキルを活かし、フリーランスとして多様なプロジェクトに参加する方も多いです。独立した場合、企業に属する働き方とは異なり、幅広い業務経験が得られるため、自分のペースでキャリアを築けるメリットもあります。
また、UIデザイナーからUXデザイナーへ、WebデザイナーからUIデザイナーやUXデザイナーへのキャリアチェンジも可能です。UXデザイナーとは、ユーザーがWebサイトを通して得られる体験をデザインする職種のことです。
ユーザー体験を重視するデザインが求められる昨今、UXデザイナーの役割は重要度が高まっており、キャリアの選択肢として注目されています。
※3:ユーザーが直接触れるWebサイトの部分の設計・開発を担う職種。
※4:WebサイトやWebサービスを活用してマーケティング活動を行う職種。
※5:Webサイトや広告などのビジュアルの質やスケジュールを管理する責任者。
将来性
ITの進化とデジタル化の波が続くなかで、UIデザイナーとWebデザイナーの役割は今後も求められ続けるでしょう。特にUIデザイナーは、アプリケーションやウェブサービスのインターフェース設計が業務範囲に含まれるため、幅広い専門性が求められる将来性が高い職種とされています。
ただし、ノーコードツールやAI技術の発展によって、単純なデザイン作業は一部が自動化される可能性があります。これからのデザイナーは、AIを効果的に活用するスキルや、人間の感覚に基づいたデザインを提供する力が求められるでしょう。また、デザインだけでなく、企画や戦略の段階から携わる能力が今後のキャリアを左右する要素となります。
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まとめ
UIデザイナーとWebデザイナーは、いずれもデジタルデザインの分野で重要な役割を担っていますが、それぞれに求められるスキルや役割が異なります。UIデザイナーはユーザーの操作性を重視し、快適な体験を提供するためのデザインを行う一方、Webデザイナーはサイトのビジュアル面を整え、ブランドイメージを伝えるデザインを追求する役割です。
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