バックエンドエンジニアは、ユーザーには見えない部分であるシステムやアプリケーションを開発する重要な役割を担っており、今後も需要が高まる職種です。とはいえ、将来性があるのか、キャリアアップして活躍できるかどうか不安になっている人もいるのではないでしょうか。AIなどさまざまなサービスが台頭し、バックエンドエンジニアの将来はないといったことを耳にすることもあるかもしれません。
今回は、バックエンドエンジニアの将来性と必要なスキルについて詳しく解説します。
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バックエンドエンジニアの将来性
ここでは、バックエンドエンジニアの将来性について、3つの観点から解説します。
バックエンドエンジニアの将来は明るい
バックエンドエンジニアの需要は増加の一途を辿っています。バックエンド開発は、フロントエンド(ユーザーが直接触れる部分のこと)開発と連携しながらも、データベースの管理やサーバーの設定など高度な技術が求められるため、企業にとっても必要不可欠な業務です。また、IT人材の不足が深刻化しているため、優秀なエンジニアを確保するために高い給与水準が設定される傾向があります。2030年には日本のIT分野で約79万人もの人材が不足すると予測されています。
さらに、日本国内のIT市場は成長を続けており、2021年度は13兆3,300億円、2022年度は13兆6,400億円、2023年度には13兆8,800億円へと拡大する見込みです。この傾向が続くことで、バックエンドエンジニアの将来性は高いと期待されます。
出典:
経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT分野について」
総務省「令和4年版 情報通信白書 ICT市場規模」
アプリ開発プラットフォーム「Firebase」による影響も問題なし
Firebase(Googleが提供しているアプリケーション開発者向けのプラットフォーム)の登場により、一部のデータ管理業務が効率化されましたが、これがバックエンドエンジニアの需要を下げることにはつながりません。Firebaseはリアルタイムでデータの共有や保存を行うサービスで、特定の領域では便利ですが、大規模かつ複雑なデータ処理を行うことは不得意とされています。
そのため、バックエンドエンジニアのスキルや専門性が求められる場面は依然として多く、今後も重要なポジションとしてあり続けるでしょう。
AIに取って代わられる可能性も低い
AI技術が急速に進化している現在でも、バックエンドエンジニアがAIに取って代わられる可能性は低いとされています。バックエンドエンジニアの業務には、クライアントからの要件を正確にヒアリングし、システム設計に反映させる作業が含まれるためです。
このような業務は、単純なプログラムでは代替しにくく、特に顧客の問題解決や要件分析が必要とされるバックエンドの仕事においては、人間の判断力が不可欠です。今後もバックエンドエンジニアの役割がAIに奪われることは少ないでしょう。
関連記事:「エンジニアの仕事はAIに奪われる?理由や必要なアクションを解説」
将来性のあるバックエンドエンジニアを目指すために必要なスキル
バックエンドエンジニアとして長期的に活躍するためには、さまざまなスキルを身に付けることが求められます。ここでは、将来性のあるバックエンドエンジニアを目指すために重要なスキルについて解説します。
HTMLやCSSの知識
バックエンドエンジニアの役割は、フロントエンドエンジニアがコーディングしたHTMLに対してシステムを実装し、Web(ウェブ)上のサービスを動かすことです。そのため、HTMLやCSSの基本知識を持っていると、フロントエンドエンジニアとのスムーズな連携が可能になります。また、HTMLやCSSの知識は、Web全体の構造を理解する上で役立ちます。
プログラミングスキル
バックエンドエンジニアにとって、プログラミング言語の知識は不可欠です。JavaやJavaScript、Ruby、Go、PHP、TypeScriptなど、各業務でよく使用される言語が何かを把握しておき、プロジェクトに適した言語を選べるようにしておきましょう。
例えば、Javaはセキュリティが高い上、応用力が高いことから、規模の大きいプロジェクトで採用されやすい一方、Node.jsはリアルタイム通信を必要とするアプリケーションで多用されます。
関連記事:「【初心者必見】おすすめのプログラミング言語10選!選び方も紹介」
データベースの知識
現代のWebサービスでは、データの効率的な設計・管理・活用が重要です。そのため、データベースの基礎を理解しておくことで、サービスの信頼性や効率性を向上させることができます。特に、Oracleデータベース、AWS、Microsoft SQL Server、MySQLなど、企業で使われることが多いデータベースの基本操作を学ぶと、現場で役立つ実践的なスキルが身に付きます。
関連記事:「MySQLとは?データベースの基礎を初心者でもわかるように解説」
フレームワークやミドルウェアの知識
効率的な開発と安定した運用を実現するためには、フレームワーク(※2)やミドルウェア(※3)の知識が必要です。
バックエンドのフレームワークには、Django、Ruby on Rails、Node.js、Spring Bootなどがあり、各フレームワークには特有の機能や利点があります。
また、Apacheやnginxなどのミドルウェアを使えることは、サーバーを構築・運用する上で欠かせないスキルです。
フレームワークとミドルウェアの基本を理解し、プロジェクトに合わせて適切に使い分けられるようになりましょう。
関連記事:「Ruby on Railsとは?初心者向けに基本的な特徴を解説!」
※2:プログラムを作るための土台や枠組み
※3:OSとアプリケーションの中間に位置し、それぞれの役割を補佐するソフトウェア
バックエンドエンジニアのキャリアパス
バックエンドエンジニアとしてのキャリアは多岐にわたります。ここでは代表的な例をあげつつ、バックエンドエンジニアとしてどのようにキャリアを発展させられるかを解説します。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、バックエンドの知識に加え、フロントエンドのスキルも併せ持つ、まさにオールラウンドな役割を担うエンジニアです。サーバーサイドの開発だけでなく、クライアントサイド(ユーザーのPCやスマートフォン上で実行される処理のこと)の実装やデータベース管理など、幅広い技術をカバーするため、小規模なプロジェクトではプロジェクト全体を1人で管理できる能力が求められます。
企業においても、特にスタートアップや中小企業では、開発の迅速化やコスト効率を図るために、複数の分野に精通するフルスタックエンジニアの需要が高まっています。
関連記事:「フルスタックエンジニアの年収は?案件例や必要なスキルを紹介」
フリーランスのバックエンドエンジニア
フリーランスとして活動するキャリアは、柔軟な働き方が可能で、自身のスキルを高く評価してくれるクライアントを見つけやすい点が特徴です。特に、リモートワークの普及により、地理的な制約を受けずにプロジェクトに参加できる案件が増加しています。
また、フリーランスでは案件の選択肢が豊富で、自分の専門分野に特化したプロジェクトから、幅広いスキルを要求されるプロジェクトまで選ぶことができます。高単価の案件に参画できることで収入面の安定も見込め、ライフスタイルに合わせた働き方が実現しやすいのも大きな魅力です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、エンジニアとしての技術的な基盤を活かしつつ、リーダーシップやマネジメント能力を必要とする役割です。技術的な課題解決能力はもちろん、プロジェクトの進行管理やチームの調整、ステークホルダーとのコミュニケーションなど、技術的スキルと人的スキルの両立が求められます。
バックエンドエンジニアとしての経験が豊富であるほど、プロジェクト全体を技術的な側面を含めて見通せるため、プロジェクトマネージャーとしてのリスク管理に活かせます。
さらに、プロジェクトマネージャーとして経験を積めば、将来的にはCTO(最高技術責任者)や他の管理職への道も開けるでしょう。
まとめ
バックエンドエンジニアは、システムやアプリケーションの根幹を支える職種であり、今後も高い需要が見込まれています。AIやクラウドサービスの普及にもかかわらず、バックエンド業務の高度な技術や専門性は依然として不可欠です。
将来性を確保するためには、プログラミングやデータベースの知識、フレームワークの理解が重要です。キャリアパスも豊富に描くことができ、フルスタックエンジニアやプロジェクトマネージャーなどが候補にあがります。
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