バナーとは、Web（ウェブ）サイトや広告でよく使用される画像形式のプロモーションツールです。主にキャンペーンや商品の告知に利用され、視覚的に強いインパクトを与えることで、ユーザーの関心を引き、クリックを促す役割があります。今回は、バナーの種類や役割に加えて、効果的な作成手法についても詳しく紹介します。
バナーとは？
バナーとは、もともと「旗」や「のぼり」を意味する言葉で、Web施策では、商品やサービス、他のページを紹介するために使用される画像です。
バナーには、主にキャンペーンやイベント情報を目立つ形で表示し、視覚的に訴求力を高める役割があります。ユーザーに商品やサービスの情報を簡潔かつ効果的に伝えられるため、テキストよりも注目されやすく、クリック率や認知度の向上を目的とする施策として頻繁に活用されます。
バナーの種類
バナーには、主に「サイトバナー」と「バナー広告」の2種類があります。
サイトバナーは、自社のWebサイト内でページ間の移動を促進するために設置されるバナーです。ユーザーが簡単に、他のページへ移動できるようにサポートする役割があります。
バナー広告は、企業や商品の宣伝を目的として、外部サイトやSNS上に設置される広告バナーです。企業のブランディングや商品のプロモーションを行うために使用され、主に広告枠に掲載されます。
バナーのサイズも重要な要素であり、Google広告の場合、下記のサイズが一般的です。
・レクタングル中（300×250）
・レクタングル大（336×280）
・ビッグバナー（728×90） など
バナーの設置場所やサイズを適切に選ぶことで、視認性やクリック率の向上が期待できます。
バナーの2つの役割
ここでは、バナーが持つ2つの役割について詳しく解説します。
商品・サービスを訴求したいページへ誘導する
バナーは、商品やサービスを効果的にユーザーにアピールし、訴求したいページに誘導する役割を持っています。視覚的な要素である画像や動画を活用するため、文章主体のコンテンツよりもユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。
ユーザーがバナーをクリックすると、商品購入ページや資料請求ページに移動するのが一般的です。これにより、効率的にターゲットユーザーにアプローチでき、より多くの方に商品やサービスを見てもらえるようになります。
販売を促進する
バナーは、販売促進にも大きな効果を発揮する手法です。バナーを設置すれば、まだ商品やサービスを知らないユーザーや、知ってはいるもののニーズに合うか迷っているユーザーにリーチできるため、認知拡大を促せます。そして、新規顧客を引き込めれば、結果的に販売の増加にもつながるという仕組みです。
適切なバナーを配置することで、ターゲットユーザーへの効果的なアプローチができ、ビジネスの成長をサポートします。
バナーを活用するメリット
ここでは、バナーを活用する具体的なメリットについて解説します。
視覚的にアピールできる
バナーを活用する大きなメリットのひとつは、視覚的にアピールできる点です。画像や動画を用いることで、文字だけでは伝わりにくい商品の魅力を効果的に伝えられます。
例えば、食べ物やファッションアイテムなど、実際の見た目や使用感が重要な要素となる商品は、視覚的なコンテンツであるバナーが有効です。また、視覚的に目を引くことで、ユーザーがバナーに注目しやすくなり、クリック率が上がる場合もあります。
ユーザーの印象に残る
バナーはインパクトのある画像や動画を使用するため、テキスト広告よりもユーザーの記憶に残りやすい傾向があります。
商品やサービスに関連した鮮やかで魅力的なビジュアルを使用することで、意図的にユーザーの興味を引くことが可能です。バナーを見たユーザーに商品やサービスについて考えてもらうことで、購入や問い合わせの機会を創出します。
即効性がある
バナーは短期間での効果が期待できる点でも有利です。オンラインで展開されるため、設定したターゲット層に迅速に情報を届けられ、すぐに反応を得られます。
そのため、キャンペーンやセールなど、限られた期間で特定のターゲットにアプローチしたい場合に適しています。
認知度向上につながる
バナーを用いることで、特定の商品やサービスを知らないユーザーにもアプローチできるため、ブランドやサービスの認知度向上を促せます。
バナーの視覚的な要素と効果的なメッセージングにより、ユーザーが目にするたびに商品やブランドの認知が蓄積されていきます。これにより、将来的に購入を検討する際の候補として想起される可能性を高めることが可能です。
潜在顧客にアプローチできる
バナーは、すでに商品やサービスに興味を持っている顕在顧客だけでなく、まだ興味を持っていない潜在顧客にもアプローチできる点が魅力です。
単なる商品名だけでなく、「こんなお悩みはありませんか」といった形でユーザーが抱えている課題を記載することで、潜在顧客にも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
バナーの作成方法6ステップ
ここでは、効果的なバナーを作成するための6つのステップを解説します。
目的を明確にする
バナーを作成する最初のステップは、何のために作るのか目的を明確にすることです。
例えば、自社のWebサイトにバナーを掲載して新商品の認知拡大を図るのか、それとも外部の広告媒体に掲載して新規顧客の獲得を狙うのかによって、バナーのデザインや内容は大きく変わります。
また、クリックしたユーザーにどのようなアクションを取ってもらいたいのか（購入、会員登録、問い合わせなど）も事前に決めておきましょう。
さらに、目的が明確になれば、バナーの効果測定も行いやすくなります。例えば、バナーのクリック数だけでなく、そこから得られるコンバージョン率（Webサイトを訪れたユーザーのうち、購入や問い合わせなど、最終的な成果につながった人の割合）や売上の変化を計測することで、バナーの成果を評価できます。
ターゲットを絞り込む
目的が決まったら、次はどのターゲットに向けてバナーを作成するのかを絞り込みましょう。ターゲットが明確でないと、効果的なメッセージやデザインが決まらず、バナーが多くの方に届いても、期待する結果が得られないおそれがあります。
例えば、新しい家電製品を販売する場合、「共働きで忙しい家庭」や「一人暮らしの方」のように絞り込めば、ターゲットに合ったバナーを作りやすくなります。
また、ターゲットを絞る際には、STP分析（※1）やペルソナ分析（※2）を活用して、具体的な顧客像を描くことが重要です。
※1：市場を細分化し（セグメンテーション）、狙うべき市場を決め（ターゲティング）、競合との差別化を図る（ポジショニング）手法
※2：ターゲットユーザーの人物像を具体化する手法
設置位置とサイズを決める
ターゲットを絞れたら、次はバナーをどこに設置するのか、どのサイズにするのかを決めます。バナーの設置場所によって、ユーザーの反応が大きく変わるため、ターゲットがアクセスする可能性の高いページや場所に配置することが重要です。
例えば、Webサイトのトップページや重要なコンテンツの横にバナーを配置すると、ユーザーの目に入りやすくなり、クリック率が向上します。
また、バナーのサイズもクリック率に大きく影響します。大きすぎると表示速度が遅くなり、ユーザーにストレスを与え、小さすぎるとメッセージが伝わりにくくなるのです。Google Adsなどで推奨される標準的なサイズ（例：336×280ピクセル、728×90ピクセル）に従うのがおすすめです。
伝えたい内容を決める
バナーの設置場所とサイズが決まったら、次はバナーで伝えたいメッセージを決定します。
バナーは、視覚的なインパクトを重視するため、テキストは短く簡潔にまとめましょう。内容としては、商品やサービスの名称、キャッチコピー、特別な価格やキャンペーン期間などを記載します。
この際、バナーの目的に沿った内容に絞り込むことが重要です。多くの情報を盛り込みすぎると、逆にユーザーにとってわかりにくくなります。また、小さなバナーでは、視認性を高めるために、フォントのサイズや色使いに注意しましょう。
ラフを作成する
バナーで伝えたい内容が決まったら、次にラフ（デザイン案）を作成します。
使用する画像やキャッチコピー、ボタンの配置などをあらかじめ決めておくことで、後々の修正が減り、スムーズにデザイン作業を進められます。
ラフ作成時には、チームメンバーやクライアントに共有し、フィードバックをもらいましょう。これにより、必要な修正点が早い段階で見つかり、最終的なデザインの質を高められます。
デザインを制作する
ラフが完成したら、いよいよデザインの制作に移ります。この段階では、IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを使用して、実際にバナーのビジュアルを作り込みます。
自社にデザイナーがいない場合は、デザインを外注するか、Canvaなどのテンプレートが豊富なデザインツールを活用しましょう。
デザイン制作の際は、色使いやフォントなど、細かな点にも気を配ることが重要です。色は企業のブランドイメージに合わせつつ視認性の高いものを選び、フォントは読みやすさを重視します。
まとめ
バナーはWebマーケティングにおいて、視覚的に情報を訴求する手法のひとつです。商品やサービスを効果的に紹介し、ユーザーを特定のページに誘導する役割を果たします。バナーの種類や役割、作成方法を理解し、適切に活用すれば、クリック率やコンバージョンの向上が期待できます。目的やターゲットに合ったデザインを制作し、バナーの効果を最大限に引き出しましょう。
