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UI/UXとは?違いや改善事例など、初心者向けにわかりやすく解説 - 忍者CODEマガジン

UI/UXとは?違いや改善事例など、初心者向けにわかりやすく解説

基礎知識

Webサービスの使いやすさを向上させるために、「UI/UX」という概念が持ち出されることが多いでしょう。UI/UXはユーザーの満足度を高める上で近年重要視されているものの、両者の違いについてあまり理解していない方もいるかもしれません。今回は、UIとUXの違いや重要性、具体的な改善・向上の事例について詳しく解説します。

UIとは

UI(ユーザーインターフェース)は、私たちがデジタル製品やアプリケーションを使用する際に直接触れる部分です。

ボタン、メニュー、フォームなどの要素や、配色、レイアウト、アニメーションなどのデザイン要素を通じてユーザーの反応を引き出し、インタラクティブ(※1)な関係性を構築します。

UIは、ユーザーが製品を直感的に操作し、使いやすさや視覚的な魅力を提供する役割を果たします。

※1:ユーザーが何らかの操作をした際に、システムや機器が反応を返す仕組み。

UXとは

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーが製品やサービスを利用する際に得る全体的な体験です。製品を使用する過程で感じる満足度や使用感、効率性など、あらゆるユーザー体験を対象とします。例えば、Webサイト全体を見やすくする、ボタンや入力フォームの項目数を最小限にするといった体験です。

UXには、製品の使いやすさ、機能性、情報の整理、ユーザーのニーズや目標に対する適切な対応などが含まれます。ユーザーが製品を使う上で生じる問題や課題を特定し、それらを解決するために使いやすい接点を設計することが、UXデザインの目指すところです。

優れたUXは、ユーザーの満足度や忠誠心を高め、製品の成功につながる重要な要素です。

UIとUXの違い・関係性

UIとUXは、表記が似ているだけでなく、どちらも操作性や使いやすさに関わる要素であることから、混同されやすい用語です。

UIの対象がユーザーと製品やサービスとの視覚的な接点に限られるのに対し、UXには製品とサービスから得られるすべての顧客体験が含まれます。その意味で、UIはUXを生み出す一要素ともいえます。

例えば、Webサイトの目標を「サービスへの申し込み」をした場合、ユーザーにとって「申し込みが簡単である」というUXを与える必要があります。その体験を実現するためには、「申し込みボタンを見やすくする」「入力フォームの項目数を最小限にする」といったUIを施すことが重要です。

UIばかりに手を加えてもUXが改善されるとは限らないものの、良質なUXを生み出すには優れたUIが欠かせません。一方で、良いUIを設計する際にも、UXの視点からユーザーのニーズや行動を理解する必要があります。

このようにUIとUXは密接に関わっているため、顧客の満足感を引き出す製品、サービスの設計には、UIとUXの質をどちらも高めることが求められます。

UI/UXの重要性

UI/UXは、製品、サービスの質だけでなく、売上や経営にも影響を及ぼしかねない要素といわれています。次に、Web(ウェブ)制作やシステム開発におけるUI/UXの重要性をみていきましょう。

ユーザビリティの向上

UI/UXの良し悪しは、ユーザビリティに直結します。

ユーザビリティとは、製品やサービスの使いやすさのことで、ユーザーが製品をスムーズに操作できるかどうかが重要です。良いUI/UXデザインによって、ユーザビリティが向上し、ユーザーは直感的に製品を使用できます。

使いやすいレイアウトやデザインは、ユーザーが効率的に目的を達成し、ストレスなく操作できるようにサポートします。

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ユーザー満足度の向上

UI/UXは、ユーザー満足度の向上にも大きく貢献します。

使いやすく魅力的なデザインやスムーズな操作体験は、ユーザーに良い印象を与える要素です。ユーザーが満足していると、製品やサービスへの忠誠心が高まり、長期的な関係を築けます。

また、ユーザーの口コミや評判も向上し、新たなユーザーを引きつけるポジティブな影響を与えます。

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ブランド価値の向上

優れたUI/UXデザインは、ブランド価値の向上にもつながります。

良いユーザーエクスペリエンスを提供することは、製品やサービスの品質や信頼性を示す重要な要素です。ユーザーは、使いやすくて魅力的なデザインを通じて、ブランドに対するポジティブな印象を形成します。

優れたUI/UXは、ブランドのアイデンティティや価値観を反映させることで、ユーザーに対して強い印象を与えるでしょう。

UI/UXの重要性は、ユーザビリティの向上、ユーザー満足度の向上、そしてブランド価値の向上に繋がる点にあります。良好なUI/UXデザインを実現することで、製品やサービスの成功を促進し、競争力を高められるでしょう。

UI/UXの改善・向上事例3選

続いて、UI/UXによって新規事業の創出やサービスの成長、発展を実現させた事例を3つ紹介します。

千葉銀行|ちばぎんアプリのUI/UX改善

千葉銀行では、新たな顧客層の獲得手段として、UI/UXに重点を置いた「ちばぎんアプリ」を開発しました。堅苦しく、制約が多い銀行のイメージを刷新して、ユーザーフレンドリーなUIを追求した結果、77.8%の利用者満足度を達成しています。

競合調査に基づく分析と情報設計、ユーザビリティテストなどを経て、ユーザーにとって利便性の高い下記のような機能を搭載しています。

・リアルタイムな残高照会
・明細を横向きで確認できる通帳モード機能
・入出金情報を可視化したマネーレポート機能

八芳園|ユーザー体験を重視したオンライン結婚式

歴史ある日本庭園で結婚式場やレストランなどを営む八芳園では、参列が難しい方も招待できるオンライン結婚式「WE ROOM」を提供しています。コロナ禍で対面接触が制限されるなか、新規事業の創出を目的に開発されました。

操作を最小限に抑えたUI設計により、誰でも気軽に参加できる環境です。リアリティのある披露宴体験を演出するべく、余興やスピーチに利用できる会場スクリーンへの参加機能テーブルの列席者間での会話機能などが搭載されています。

Shake Shack|注文プロセスのUX化

アメリカのバーガースタンド「Shake Shack(シェイクシャック)」が、事前注文アプリとセルフオーダーデバイスの開発を通じて、注文プロセスのUX化を実現した事例です。

インタビューや観察法であらゆる顧客体験を分析し、注文時の待ち時間の短縮、顧客のフラストレーションの解消を図りました。また、モデルケースではレコメンド機能人件費の削減などにより、顧客単価が15%増加した店舗もあります。

UI/UXデザインの要素

UI/UXでは、次のような要素を組み合わせることで、直感的な操作や満足度の高いユーザー体験を生み出します。

レイアウトとナビゲーション

レイアウトとナビゲーションは、UI/UXデザインの重要な要素です。適切なレイアウトは、情報の整理や視覚的なバランスを提供し、ユーザー直感的な操作を可能にします。

ナビゲーションは、ユーザーがサイトやアプリ内を移動しやすくするための仕組みであり、使いやすさと情報へのアクセス性を向上させます。下記がナビゲーションの例です。

・グローバルナビゲーション:Webサイトの全ページに配置されるメニュー
・ローカルナビゲーション:グローバルナビゲーションで選択されたカテゴリのサブメニュー
・パンくずリスト:現在のページまでの情報経路を示したリスト

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カラースキームとテキストスタイル

カラースキーム(目的にあった配色を考えること)とテキストスタイルは、UI/UXデザインにおける視覚的な要素です。適切なカラースキームは、ブランドイメージやユーザーの感情を伝える役割を果たします。

また、テキストスタイルは、読みやすさや重要な情報の強調に寄与します。適切なフォント、文字サイズ、行間などの設定もコンテンツの理解を促す上で重要です。

イメージとアイコン

イメージとアイコンは、UI/UXデザインにおいて視覚的なコンテンツを提供するための要素です。

適切なイメージを利用することにより、製品やサービスの特徴やコンセプトを視覚的にわかりやすく伝えられます。アイコンは、図形やシンボルを使って情報の要約や次に取るべき操作をわかりやすく表し、ユーザーの理解と操作性を向上させます。

インタラクションとアニメーション

インタラクション(ユーザーの操作に応じた反応)とアニメーションは、UI/UXデザインにおいて動きと反応を提供する要素です。

適切なインタラクションは、状態の可視化や操作のフィードバックを可能にするだけでなく、ユーザーとの双方向のコミュニケーションも促進します。アニメーションは、ユーザーに視覚的な動きを提供し、操作の滑らかさや視覚的な興味を引く効果があります。

魅力的な顧客体験の設計に使用されるのが、レイアウトとナビゲーション、カラースキームとテキストスタイル、イメージとアイコン、インタラクションとアニメーションです。

UI/UXデザインを構成するこれらの要素を適切に組み合わせることで、製品開発の成功率やユーザーの満足度の向上を図れます。

UI/UXデザインの手順

UI/UXデザインは、どのようなプロセスで具体化されるのでしょうか。デザインの手順は、大きく次の4つのステップです。

ステップ1|リサーチとユーザー分析

UI/UXデザインのプロセスは、ユーザーのニーズや要求を理解するためのリサーチとユーザー分析から始まります。ユーザーの行動や好みを調査して、ターゲットユーザーの特徴や課題を把握します。

デザインの方向性や優先順位を決定し、ユーザー中心のデザインを実現する基盤を築くことが目的です。

ステップ2|ワイヤフレームとプロトタイプ

リサーチと分析を基に、ワイヤフレームやプロトタイプを作成します。ワイヤフレームは、デザインの骨組みや要素の配置を示し、画面のレイアウトやナビゲーションの流れを概念的に表現します。

プロトタイプは、ワイヤフレームを具体化したものです。ユーザーが実際に操作して体験します。これらの作業を通じて、デザインの方向性を検証し、改善のためのフィードバックを収集します。

ステップ3|デザインと実装

ワイヤフレームやプロトタイプが完成したら、具体的なデザインの作成と実装に移ります。カラースキーム、テキストスタイル、イメージ、アイコンなどを組み合わせて、魅力的で使いやすいデザインを作り上げるフェーズです。

また、レスポンシブデザインやアクセシビリティにも配慮し、異なるデバイスやユーザーのニーズに対応するデザインを行います。デザインが実装される際には、開発者との協力関係が欠かせません。

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ステップ4|テストと改善

デザインが実装されたら、テストと改善のフェーズです。ユーザーが実際に製品やサービスを使用し、フィードバックを収集します。ユーザビリティテストやユーザーインタビューなどの手法を使用して、問題点や改善の余地を特定します。

その結果に基づいて実施されるのが、デザインや機能の修正と最適化、そして継続的な改善です。テストと改善のサイクルを繰り返すことで、ユーザーのニーズに合わせた最良のデザインを実現します。

UI/UXデザインのプロセスは、リサーチとユーザー分析、ワイヤフレームとプロトタイプ、デザインと実装、テストと改善の一連のステップから構成されます。

このプロセスを通じて、ユーザー中心のデザインを追求し、使いやすさと満足度の最大化を目指しましょう。

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UI/UXを高めるポイント

価値や成果につながる優れたUX/UIを実現するには、いくつかのポイントがあります。下記では、UI/UXを向上させる上で心がけたい4つの要素を紹介します。

シンプルで一貫性のあるデザイン

シンプルで一貫性のあるデザインは、ユーザーが直感的に操作できる重要な要素です。

過剰な装飾や複雑なレイアウトはユーザーを混乱させる可能性があります。シンプルなデザインは、情報の整理や視覚的なバランスを提供し、ユーザーが求める情報に素早くアクセスできるようにします。

また、一貫性のあるデザインは異なる画面や機能間での統一感を生み出し、ユーザーの学習効果を高められる点がメリットです

ユーザーのニーズを理解する

ユーザーのニーズを理解することは、優れたUI/UXデザインの基盤です。ユーザーの要求や課題を把握するために、リサーチやユーザーインタビューを行いましょう。

ユーザーの意見やフィードバックを重視し、デザインの方向性や優先順位を決定します。

ユーザー中心のデザインを実現するために、ユーザーの視点に立って考え、ニーズを満たすインタラクションや機能を提供しましょう。

ユーザーテストを行う

ユーザーテストは、デザインの有効性を確認できるだけでなく、改善のための貴重なフィードバックも得られる重要な手法です。ユーザーテストでは、実際のユーザーにデザインを評価してもらい、使いやすさや理解度、満足度などを測定します。

ユーザーテストを実施したら、結果を分析して、問題点や改善のポイントを特定しましょう。定期的に実施することで、ユーザーのフィードバックに基づく改善ができます。

データに基づいた意思決定

UI/UXデザインの意思決定には、データに基づいたアプローチを採用しましょう。

ユーザーの行動データや分析結果のほか、2つのパターンの比較で効果を検証するA/Bテストの結果などを活用して、効果的なデザインを判断します。

データに基づく意思決定は、主観的な判断や予測を裏付けることができ、ユーザーにとって価値のあるデザインを実現するための重要な手段です。

UI/UXデザインのベストプラクティスとして、シンプルで一貫性のあるデザイン、ユーザーニーズの理解、ユーザーテストの実施、データに基づいた意思決定があげられます。

これらの原則を守りながら、優れたUI/UXデザインを実現しましょう。

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まとめ

UIはユーザーが直接触れる部分のデザインを担当し、UXはユーザーがサービスを通して得られる体験をデザインします。優れたユーザー体験を実現するには、UIとUXのどちらか一方に偏ることなく、バランスよく追及する必要があります。

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