Webデザイナーとして、優れたデザイン力をもっておくことは、キャリアアップをする上で成功の鍵になります。また、デザイン力は生まれつきのセンスだけで決まるものではなく、知識や技術の習得により磨くことが可能です。今回は、Webデザイナーがデザイン力を高める上で必要なテクニックや身に付ける方法を紹介します。
ウェブ(Web)デザイナーの「デザイン力」は何で決まる?
Webデザイナーの「デザイン力」は、多くの要素によって決まります。前提として、アートとしてのセンスに自信がなくても、Webデザイナーとして活躍することは可能です。ここでは、デザイン力のベースとなる要素を2つの観点から解説します。
デザイン力を決める要素1:知識
Webデザインは、単なるアートではなく、特定の目的を達成するための商業デザインです。商業デザインの主な目的は、ターゲットに対して魅力的で理解しやすい方法で製品やブランドを紹介し、消費者の関心を引き、最終的には購買行動を促すことです。
商業デザインには、レイアウトやカラー、フォントの使い方などの大まかなルールがあります。「こういうときはこういうデザインが良い」という具体的な知識があるかどうかで、デザイン力には大きな差が出ます。
デザインに関する知識は生まれつきのものではなく、後からでも身に付けられるものです。例えば、特定の色の組み合わせが視覚的にどのような効果を生むのか、どのようなレイアウトが情報を効果的に伝えるのかといった具体的な知識が重要です。
デザイン力を決める要素2:テクニック
知識を活用するためのテクニックも、デザイン力に大きく影響します。色の使い方や余白の取り方など、具体的な技術を駆使することで、デザインの質を高めることが可能です。
また、すべてを一から自分で考えるのではなく、良いデザインを参考にしたり、便利な道具やツールを使いこなしたりすることも重要なテクニックのひとつです。
例えば、色彩理論に基づいた配色や、視覚的にバランスの取れたレイアウトを作るためのツールを利用することで、デザインのクオリティを大幅に向上させることができます。
ウェブ(Web)デザイナーのデザイン力を飛躍させるテクニック
Webデザイナーとして、デザイン力を高めることはさらなる成長のために重要です。ここでは、デザイン力を飛躍的に向上させるための具体的なテクニックを紹介します。
テキストの整列方法を統一する
テキストの整列方法がバラバラだと、違和感を感じやすくなり、見づらいサイトになってしまいます。左揃えや中央揃えなどの整列方法は、1種類に統一することが重要です。サイト全体の見た目がすっきりし、ユーザーにとってもわかりやすくなります。
似たような内容のテキストは近くにまとめる
同じような内容のテキストがバラバラの位置に配置されていると、意味がつながらず理解しにくくなります。また、視線を何度も動かすことでストレスが溜まります。似たような内容のテキストは近くにまとめることで、欲しい情報がスムーズに入手でき、「見やすいサイト」を実現できます。
余白をうまく使ってメリハリをつける
情報を詰め込みすぎると、サイトがごちゃごちゃして見づらくなります。適度に余白をつくることで、すっきりとした印象を与えることができます。キャッチコピーや画像の周辺に余白をつくると、目立ちやすくなります。
また、フォントや文字の大きさ、装飾を大胆に使うことで、サイト内にメリハリをつけることができます。
カラーは3色以内にする
たくさんのカラーで彩られたサイトは、目がチカチカして見づらくなり、ユーザーが離脱しやすくなります。サイト内のカラーは基本的に3色以内、多くても4色までに抑えることがポイントです。色の相性も考慮しながら、統一感のあるデザインを心がけましょう。
視線の動きを意識した作りにする
Webサイトのデザインによって、ユーザーの視線の動きはある程度決まっています。基本は左から右、上から下という動きです。同じような情報が均等に並んでいる場合は、左上→真ん中→右下(グーテンベルク・ダイヤグラム)や、テキストが多いサイトの場合は画面上部の左→右、1段下がって再び左→右(F型)などがあります。
サイトの目的やデザインごとの視線の動きを把握し、レイアウトや重要な情報の配置を決めましょう。
画像や素材のクオリティにもこだわる
フォントやレイアウトをどれだけ作り込んでも、画像やイラストなどの素材が低品質だと、サイト全体の印象が悪くなりがちです。画像やイラストは目に入りやすいため、サイトの雰囲気や内容に合ったクオリティの高い素材を使用することが大切です。
また、クライアントから素材を提供してもらう場合、そのまま使うとデザインが損なわれてしまうこともあります。その際は、加工してクオリティを上げる工夫をしましょう。
Webデザイナーにおすすめの素材加工ツールには、下記のようなものがあります。
Adobe Photoshop
業界標準の画像編集ツールであり、高度な写真加工、複雑なグラフィックデザイン、Web用の画像最適化などが可能です。レイヤー、マスク、フィルターなどの機能が豊富に用意されています。
Adobe Illustrator
ベクターベースのグラフィックデザインツールで、ロゴやアイコン、複雑なイラストレーションの制作に最適です。スケーラビリティ(複雑な処理にも対応できる能力)が高く、どんな解像度であってもクオリティの低下がありません。
Sketch
Macユーザー向けのベクターデザインツールで、シンプルで直感的なインターフェースを持っています。WebとモバイルのUI/UXデザインに特化しており、プラグインや共同作業機能が充実しています。
Figma
ブラウザベースのUI/UXデザインツールで、リアルタイムでのコラボレーションが可能です。Webデザイン、プロトタイピング、ワイヤーフレーミングなど、多岐にわたるデザイン作業をサポートします。
Canva
初心者でも簡単に使えるデザインツールで、プリセットされたテンプレートやドラッグ&ドロップ式のインターフェースが特徴です。ソーシャルメディアのグラフィック、プレゼンテーション、ポスターなど、幅広いデザインが手軽に作成可能です。
ウェブ(Web)デザイナーがデザイン力を高める方法
ここではデザイン力を高めるための具体的な方法を紹介します。
方法1|知識量を増やす
デザイン力の決め手は知識量です。デザインの基本的な知識だけでなく、書籍を読んだり他の人のデザインを見たりして知識を増やしましょう。
特にデザインやパーツの見本一覧を作っておくことは有効です。さまざまなスタイルやトレンドを把握することで、自分のデザインに取り入れることができます。
方法2|アウトプットの機会も増やす
インプットした知識をアウトプットすることで、蓄えた知識がテクニックとして身に付きます。頭の中だけにあったイメージが外に出ることで、詳細が鮮明になり客観的に見ることができるようになります。
仕事で作るだけでなく、個人的にサイトを作成したりパーツを作ったりすることで、より実践的なスキルを身に付けることができます。
方法3|画像編集ソフトで扱える機能を増やす
Webデザイン制作では画像編集ソフトを使用する機会が多いため、デザインに役立つ機能を積極的に学んでおくことをおすすめします。
例えば、PhotoShopだと下記のような機能を知っておくと便利です。
・文字をきれいに揃える
・キャンバスを回転しながら絵を描く
・左右対称に絵を描く
・写真から人物や物を消す など
上記のような機能を知っておくことで表現の幅が広がり、デザインのクオリティを向上させることができます。
方法4|UI・UXやコーディングについても学んでみる
Webデザイナーが作成したデータは、コーディングを経てWeb上に公開されます。UI・UXやコーディングについての知識があると、ネット上でどう表示されるのかをイメージでき、より見やすく使いやすいデザインを作成することが可能です。
コーディングの基本的な知識を身に付けることで、デザインと実装のギャップを埋めることができ、全体的なデザイン力を高められます。
方法5|プロのフィードバックを受ける
自分のデザインが他人からどう見えているのかを把握しておくことも大切です。デザイン力が高い先輩デザイナーなどに自分のデザインを見てもらい、改善点を指摘してもらうことで、客観的な視点から学ぶことができます。
オンラインスクールを受講してWebデザインについて学び直し、講師などからフィードバックを受けることもおすすめです。プロの意見を取り入れることで、自分のデザインスキルをさらに向上させることができます。
Webデザイナーを目指すのであれば、オンライン学習スクールのNINJACODEがおすすめです。
NINJACODEではWeb制作&デザインコースを用意しており、Webデザインの基礎知識からLPデザイン、UI/UXデザインなどの実践的なスキルまで幅広く学ぶことができます。動画教材で都合の良いタイミングで視聴できるため、自分のペースで学ぶことが可能です。
また、現役クリエイターによるチャットサポートも受けられるため、疑問点をすぐに解消できます。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
Webデザイナーがデザイン力を高めるには、デザインに関する知識やテクニックを身に付けることが何よりも重要です。また、自分が制作したデザインについてプロからフィードバックを受けることで、自身の課題に気づくことができます。今回紹介したテクニックを実践し、デザインのクオリティを一層高めていきましょう。