Javaは汎用性の高い言語ですが、開発から30年近くが経過しており、「時代遅れ」といわれることがあります。これから勉強しても需要があまりないのではと考えている方もいるかもしれません。しかし、Javaは今後も幅広い場面での活用が期待されています。
今回は、Javaの将来性について詳しく解説します。
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Javaが「時代遅れ」といわれてしまう理由と実態
Javaは現在でも多くの開発現場で使用されているものの、「時代遅れ」といわれることがしばしばあります。その理由と実態を解説します。
古い言語だから
Javaは1995年に誕生したプログラミング言語で、開発に使用されるようになって20年以上を経ています。KotlinやSwiftなど新しく登場した言語に比べてコードの記述方法が複雑なこと、機能面で劣る部分もあることなどが、「時代遅れ」といわれる理由です。
しかし、古い言語だからといって、近い将来に廃れてしまうとは限りません。プログラミング言語はそれぞれ得意領域があり、開発目的に合ったものが選ばれるからです。
例えば、1970年代前半に開発されたC言語は、汎用性の高さや実行速度の速さから、現在でも組み込み系やシステム開発に使用され続けています。
そしてJavaはOSに関係なく開発や動作が可能であり、セキュリティ性に優れているという特徴から、基幹システムの開発からスマホアプリ開発まで幅広く需要があります。
新しい言語が登場しているから
コンピューターの発展にともない、より洗練された新しい言語も開発されています。
中にはJavaよりも機能性や記述性が向上しているものもあり、新しいプロジェクトで採用されるケースが増えていることも、Javaが「時代遅れ」といわれる理由のひとつです。
例えば近年では、ScalaがJavaの代替言語として注目されています。ScalaはJavaのライブラリが再利用可能で、コーディング量もJavaの半分で済みます。新規案件の場合、あえてJavaを選ぶ必要性が薄れている側面があります。
とはいえ、Scalaにはコンパイラ(※1)が遅い、統合開発環境(※2)が整っていないなどのデメリットもあります。扱える技術者も限られており、案件数はJavaが圧倒的に多いのが現状です。素人
また、効率的な開発が求められる大規模な案件では、統合開発環境が充実しておらず、技術者も少ないScalaは不利でしょう。たとえシステムが変更されることになっても、移行のためにはJavaの知識が必要になるのでJavaの需要はなくなりません。
※1 コンパイラ…ソースコードをコンピューターが解釈できる形式(機械語など)に変換すること
※2 統合開発環境…開発に必要なツールを1つにまとめたソフトウェアのこと
モダンなフレームワークが流行しているから
Javaのフレームワーク(※)であるSpringやJava EEは大規模システム向けの重量級のフレームワークです。これは、近年注目されているマイクロサービスの開発には向いていません。
マイクロサービスとは、機能ごとの小さなサービスを組み合わせて開発する手法を指します。マイクロサービスを採用した代表例には、LINEやクックパッドなどがあります。
マイクロサービスに適しているのは、JavaScriptのNode.jsやPythonのDjango、Ruby on Railsなどモダンなもので、現在の開発の主流になりつつあります。
しかし、軽量な開発環境が好まれる現在でも、実行速度の速さや安定性、堅牢なセキュリティが求められる大企業や金融機関では、Javaが使われています。
※フレームワーク…システムなどの開発に必要な機能が備わった枠組みのこと。
高収入案件が少ないから
開発から時間の経っていないプログラミング言語やマイナー言語は、扱えるエンジニアが限られるため、案件の単価が高くなります。例えば2010年代に誕生したSwiftの月単価は平均で月85万円ですが、Javaは約69万円です。
一方、Javaはメジャーな言語であり、扱えるエンジニアが多いため案件の単価が上がりにくい傾向です。ただそれはJavaに価値がある証拠でもあります。実際に日本国内の求人案件数はあらゆるプログラミング言語を上回りJavaがトップです。
すぐに高収入が期待できない点で、Javaは「時代遅れ」といわれることがありますが、需要や案件の幅広さなどではJavaのほうにアドバンテージがあります。初心者でも、エンジニアのキャリアを築きやすい言語といえます。
【結論】Javaは将来性の高いプログラミング言語!
Javaはモダンな言語ではありませんが、安定した需要があり、エンジニアの将来性は十分に期待可能です。なぜJavaの需要がなくならないと考えられているのか、その背景を紹介します。
世界中で広く使われている
Javaは業務システムからWeb(ウェブ)アプリ、組み込み系など汎用性が高く、プラットフォームにも依存しないため、標準的な言語であるといわれます。Javaの開発元であるOracle社によると、Javaで開発されたアプリケーションは世界中で510億以上が稼働しており、開発者は数百万人に達します。
現在でも世界中で広く使われているため、今後大きくシェアが減るとは考えにくいでしょう。特に、Javaが得意とする大規模開発の案件では、新規採用も依然として続いています。
サーバーサイドでの需要が高い
Javaは、サーバーサイドで利用されることの多い言語です。高速で高い堅牢性をもつため、企業の基幹システムでの採用も多く、中規模の企業から大企業にいたるまで高い需要があります。例えば、在庫管理システムや品質管理システムなどに使われます。
また、オブジェクト指向で大規模開発を進めやすいことも、サーバーサイド開発における利点です。
スマホアプリ市場で人気が高い
Javaは、Androidアプリの開発言語としても人気です。
スマートフォンの普及にともなって、スマホアプリ市場は拡大を続けています。
端末の世界的なシェアはiPhoneよりもAndroidのほうが高く、Androidアプリは大きな市場を有しています。
Androidアプリの開発ではほかの言語も使用されますが、Javaがベースであり、高い使用率があります。近年誕生したKotlinもAndroidアプリの開発で注目されていますが、Javaの動作環境で動作することから、Javaのアプリ開発需要は今後も続いていくでしょう。
保守案件の需要がある
Javaは歴史が長いために、Javaで開発されたシステムは膨大な数があります。一定期間は導入済みシステムの保守案件が発生するため、Javaエンジニアの需要は続きます。
特に金融機関や公共機関、大企業などのシステムは堅牢性や安定性が求められるため、実績のあるJavaでの開発が続けられています。これらのアップデート需要は急に減ることはありません。
Javaエンジニアの需要も高い
Javaは、求人数、フリーランス案件数ともに圧倒的に多いことが特徴です。
レバテックが2023年12月に集計したプログラミング言語別の新規発生求人数によると、Javaの月間求人数は1418件で、2位のPHP(494件)の3倍近くに達する圧倒的な数です。汎用的な言語であるJavaを扱うスキルは、転職市場において高い需要があります。
フリーランス案件数でもJavaは群を抜いた人気で、1位のJavaが242件、2位のJavaScript(80件)に比べて3倍以上の案件数です。将来的に独立を考えている場合にも、Javaは有利といえるでしょう。
出典:レバテック「【2024年更新】プログラミング言語別求人案件数ランキング」
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Javaはルールが多くコード量も多いため、習得の難易度が高めです。プログラミング未経験からJavaエンジニアを目指すなら、プログラミングスクールで学ぶのが早道になるでしょう。
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まとめ
Javaは世界的に広く使用されている開発言語であり、歴史を重ねた現在でも「時代遅れ」ではありません。大規模案件での採用や保守案件も多く、将来性が期待できます。
求人数・案件数も豊富にあるので、これからエンジニアの道へ進みたい方にもおすすめの言語です。実践的な知識を効率的に学ぶなら、プログラミングスクール「NINJA CODE」の受講をぜひご検討ください。