Pythonの資格は一部で「意味がない」といわれることがあります。とはいえ、Pythonの資格は、取得することで多くのメリットを得られます。今回は、Python資格の評価やメリット、取得方法について詳しく解説します。Pythonの資格取得を目指す方にとって、役立つ情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
「Pythonの資格は意味がない」といわれる理由
Pythonの資格は一部で「意味がない」といわれることがあります。ここでは、その理由を詳しく解説します。
民間資格しかないため
Pythonに関する資格は、民間資格しかありません。公的な機関や国際的に認められた資格が存在しないため、企業によってはその価値が認識されにくいことがあります。
例えば、転職や就職時にその資格が評価されることが少ないです。このような背景から、Pythonの資格は「意味がない」といわれることがあります。
なお、Pythonの民間資格に関しては後ほど詳しく解説するので、そちらもぜひ参考にしてください。
比較的簡単に取得できるため
多くのPython資格は試験の難易度が低く、初心者でも短期間で取得可能です。そのため、資格を持っていることが必ずしも高い技術力や深い知識を持っている証拠にはならないと考えられがちです。資格を取得するための学習範囲が限定的であることも一因です。
実際の現場では、より高度な知識や問題解決能力が求められます。そのため、簡単に取得できる資格では保有しているスキルを判断することが難しくなります。
実務に結びつきにくいため
Pythonの資格試験で問われる内容が実務と直接関係しないことも多く、資格を取得しても実際の仕事に活かせないことがあります。
例えば、資格試験では基礎的な文法や基本的なプログラムの作成方法が問われることが多いです。しかし、実務では複雑なデータ処理や高度なアルゴリズムの理解が求められることがあります。
資格を取得しただけでは、実務に必要なスキルが身に付いていないと見なされることがあるのです。
Pythonの資格を取得するメリットは？
一方で、Pythonの資格を取得することには多くのメリットがあります。
効率的にPythonの学習ができる
Pythonの資格試験の内容は、実践的なスキルを身に付けるためのカリキュラムとして設計されています。また、独学では見落としがちなポイントも網羅されています。
また、試験対策を通じて実際のコーディングスキルを磨くことができるため、初心者でも段階的なスキルアップが見込めます。
スキルを証明できる
Pythonの資格を取得することで、自分のスキルを客観的に証明することができます。これによって、任されるプロジェクトの範囲が広がり、自信を持って業務に取り組むことができます。
さらに、資格を持っていることでスキルが証明され、昇給や昇進の際にも有利に働くことがあります。具体的には、資格を持つことで年収アップが期待でき、実際に数万円から十数万円の昇給を見込めるケースもあります。
転職時の武器になる
デメリットでPythonの資格は実務に直結しないとお伝えしましたが、転職活動においては大きな武器となります。採用担当者は資格を有する求職者を高く評価する傾向があり、特に技術職の採用においては顕著です。
また、資格を取得していることで、即戦力になり得ることをアピールでき、他の候補者と差別化を図ることができます。これによって、より良い条件での転職が実現しやすくなります。
日本国内で実施されているPythonの資格試験
日本国内で実施されているPythonの資格試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営している「Python3エンジニア認定基礎試験」「Python3エンジニア認定データ分析試験」「Python3エンジニア認定実践試験」の3つがあります。
これらの試験は、Pythonのスキルを証明するためのもので、それぞれで難易度や求められるスキルが異なります。
| 試験名 | 難易度 | 求められるスキル |
| Python3エンジニア認定基礎試験 | 低 | 基礎的な文法スキル |
| Python3エンジニア認定データ分析試験 | 低～中 | 基礎的な技術とライブラリを活用したデータ分析スキル |
| Python3エンジニア認定実践試験 | 低～中 | 実践的な技術とライブラリの知識 |
ここでは、3つの試験それぞれの特徴を解説します。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基礎的な文法スキルを認定する試験です。
この試験では、データ構造やモジュール、入出力、エラーと例外などの基本的な知識が問われます。経済産業省が定めるITスキル標準（ITSS）のレベル1に該当します。
| 項目 | 内容 |
| 問題形式 | 選択問題 |
| 試験範囲 | データ構造、モジュール、入出力、エラーと例外 |
| 合格率 | 約60% |
| 教材 | 公式教材、オンライン講座 |
| 学習時間 | 40〜60時間 |
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、機械学習に不可欠な数学の基礎やライブラリを使用したデータ分析に関する知識が問われます。
この試験では、Pythonを活用してAIの機械学習システムを構築する際の応用力が求められます。
| 項目 | 内容 |
| 問題形式 | 選択問題 |
| 試験範囲 | 数学の基礎、機械学習ライブラリの使用 |
| 合格率 | 約50% |
| 教材 | 公式教材、オンライン講座 |
| 学習時間 | 60〜80時間 |
Python3エンジニア認定実践試験
Python3エンジニア認定実践試験は、Pythonの実践的な使用方法やライブラリの知識を問う試験です。実際の業務でPythonを使う際に必要なスキルを証明することができます。
| 項目 | 内容 |
| 問題形式 | 実技問題 |
| 試験範囲 | 実務でのPythonの使用方法、主要ライブラリ |
| 合格率 | 約40% |
| 教材 | 公式教材、オンライン講座 |
| 学習時間 | 80〜100時間 |
Python3エンジニア認定試験の要項
Python3エンジニア認定試験は、Pythonの基本的な知識とスキルを証明するための資格試験です。コーディング初心者でも受験可能で、スキルアップを目指す方に適しています。試験内容は、Pythonの基礎から実践的なプログラミングまで幅広くカバーしており、受験者は実務で役立つ知識を習得できます。
Python3エンジニア認定試験の資格取得を前向きに考えている方へ向けて、詳しい試験概要を紹介します。
受験スケジュール
通年で試験が実施されているため、自分のタイミングで受けることができます。
| 申込期間 | 随時 |
| 受験日 | 随時 |
| 試験会場 | 全国のテストセンター |
| 合格発表 | 試験終了後、即時 |
志願方法
Python3エンジニア認定試験の志願は、オンラインで行います。公式サイトからアカウントを作成し、必要情報を入力して申込みを完了できます。
詳細は公式サイトの志願方法ページを参照してください。
受験時に必要なもの
受験に必要なものは以下の3つです。
1.身分証明書（運転免許証、パスポートなど）
2.受験票（オンライン申込み後に発行）
3.筆記用具（鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム）
これらの項目を確認して、当日は忘れずに持参してください。
Pythonの資格取得に向けた勉強方法
Pythonの資格を取得するためには、効果的な勉強方法を実践することが重要です。以下に、いくつかの具体的な学習方法を紹介します。
認定テキストや書籍を活用する
Pythonの資格取得に向けた学習には、認定されたテキストや書籍を利用するのが効果的です。これらの資料は試験内容に沿って構成されており、基礎から応用までを体系的に学べます。また、分からない箇所は詳細な解説を読んで理解を深めることができます。
模擬試験を活用する
模擬試験を解くことも、資格取得に向けた準備として非常に有効です。模試を受けることで、自分の苦手な分野を明確にした上で、重点的に勉強することができます。多くの認定スクールが模擬試験を無料で公開しているため、積極的に利用しましょう。
オンライン学習サイトやeラーニングで学習する
近年では、オンライン学習サイトやeラーニングを利用して、いつでもどこでも学習できる環境が整っています。これらのプラットフォームでは、動画教材やインタラクティブな課題を通じて、実践的なスキルを身に付けることができます。
スクールで勉強する
独学に不安がある場合は、スクールでの学習を検討するのも良いでしょう。スクールでは、経験豊富な講師から直接指導を受けることができるため、効率的にスキルを習得することができます。また、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨することで、モチベーションを維持しやすくなります。
プログラミングスクール「NINJACODE」でも、Pythonを基礎から学べるPythonスクールをご用意しています。興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
まとめ
今回は、Pythonの資格の価値が一部で認識されにくい理由や、資格取得のメリットを詳しく解説しました。民間資格であるため評価が低いことや、試験が比較的簡単に取得できる点が理由として挙げられます。とはいえ、効率的な学習手段として役立つ上、スキルの証明や転職時のアピールポイントとしても有効です。
Pythonエンジニアとして活躍したいと考えている方は、Pythonの資格の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
