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HTML5とは?できることやHTML Living Standardとの違いなどを解説 - 忍者CODEマガジン

HTML5とは?できることやHTML Living Standardとの違いなどを解説

基礎知識

HTMLはWeb(ウェブ)制作において基本的な役割を果たし、その進化はWebの歴史とともに続いています。中でもHTML5は、モバイル対応やマルチメディア機能の向上により、Web技術の基盤を大きく強化しました。今回は、HTML5の概要とその進化、そして現在のHTML Living Standardについて詳しく解説します。

HTML5とは?

HTML5は、HTML(Hyper Text Markup Language)の第5版で、2014年10月28日に発表されました。HTML5の登場により、従来のHTML4に比べて、より多くの機能が追加され、Web制作が効率化されました。なお、HTML5自体は2021年1月に廃止され、2024年8月現在では「HTML Living Standard」が使用されています。

ここでは、HTML5を理解するための基礎知識を解説します。

そもそもHTMLとは

HTMLとは「Hyper Text Markup Language」の略称で、Webページの構造や内容を記述するための言語です。Webの初期から今日に至るまで、Webページの作成に欠かせない存在として使われてきました。

HTMLの基本的な役割は、テキストを段落ごとに分けたり、リンクを貼ったり、画像や動画を表示したりすることです。初心者にとっても記述方法がシンプルでわかりやすいため、Web制作の入り口として広く利用されています。

HTMLの概要や記述方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

HTMLとは?初心者向けに基礎知識と作り方を解説

HTML4からの変更点

HTML5では、HTML4と比較して多くの点で改善されました。まず大きな違いは、HTML5がマルチデバイス対応(ひとつのサービスを複数のデバイスで同じように利用できるようにすること)を強化していることです。HTML4が発表された1999年当時は、携帯電話はガラケーが主流でした。しかし、HTML5ではスマートフォンやタブレットなど、現代のデバイスに適したコンテンツ表示が可能になっています。

また、HTML5では記述がより簡潔になり、効率的なコードを書けるようになりました。さらに、HTML4ではサポートされていなかった音楽や動画の埋め込みが、HTML5では簡単にできるようになったため、ユーザーにとっても利便性が大幅に向上しました。音楽や動画の再生にプラグイン(ソフトウェアの機能を拡張するプログラム)が必要なくなり、ブラウザだけで利用できるようになったことも、HTML5の大きな進歩といえます。これにより、さらにリッチなWeb体験を提供できるようになりました。

HTML5とHTML Living Standardとの違いは?

HTML5とHTML Living Standardとでは、両者に大きな違いはありません。しかし、HTML5は一度標準として策定された後に、バージョン番号が固定されているのに対し、HTML Living Standardは常に進化し続ける仕様です。このため、HTML Living Standardには新しい要素や機能が随時追加され、Web技術の最新トレンドに対応しています。

例えば、HTML5で導入された<article>要素(Webページの中で独立した部分を表すもの)や、<section>要素(Webページの中で関連する内容をグループ化するもの)などは、そのままHTML Living Standardに引き継がれていますが、Living Standardではさらに進化しています。

また、メディア要素やフォーム要素の使い勝手が向上しており、これらも最新のWeb開発において役立つ改良点です。

具体的には、HTML Living Standardでは、新しいAPI(異なるソフトウェアやプログラムが情報をやり取りするための仕組み)や属性(その要素に追加の情報を持たせるもの)の追加が行われており、Web開発者がより多機能でユーザーフレンドリーなアプリケーションを構築しやすくなっています。例えば、例えば、<dialog>要素(Webページ上にダイアログボックスを表示)や<picture>要素(ユーザーや端末の条件に応じた画像を表示)などが追加されました。HTML Living Standardは、開発者にとって、最新の技術を活用するための「進化する標準」として位置づけられており、HTML5と比較してもより多くの機能や改善点を含んでいます。

HTML5でできること

HTML5では、従来のHTMLに比べて大幅に機能が強化されました。ここでは、主なHTML5でできることを紹介します。

スマートフォン対応

HTML5は、モバイルデバイスに対応した機能を提供しており、同じHTMLファイルでスマートフォンとPCの両方に対応した表示を行うことができます。以前は、モバイル用とPC用に異なるHTMLファイルを用意する必要がありましたが、HTML5ではその必要がなくなりました。

これにより、単一のコードで複数のデバイスに対応したWebサイトを提供できるため、管理が容易になり、時間とコストの削減にもつながります。

3D対応

HTML5の3D対応機能により、Webページ上で3Dグラフィックスを表示できるようになりました。これは、オンラインゲームやショッピングサイトの商品画像の表示に有効であり、仮想空間の教育や研究の分野でも活用されています。

例えば、オンラインゲームでは、ブラウザ上でリアルタイムに3Dグラフィックスを描写でき、ショッピングサイトでは、商品を360度回転させて確認できるようなデザインを設計可能です。

音声や動画の埋め込み

HTML5では、音声や動画の埋め込みが簡単に行えます。

<video>タグや<audio>タグを使用すれば、MP4などのファイルを直接Webページに埋め込むことが可能です。

これにより、Flash(Webページに音や動きを加える技術)を中心とした外部プラグインが不要になり、より途切れないスムーズなメディア体験を提供できるようになりました。

フォームの入力チェック

HTML5では、フォームの入力チェック機能が追加されました。これにより、ユーザーが正しい形式でデータを入力しているかどうかをリアルタイムで確認できるため、誤った情報の送信を防ぐことができます。

例えば、メールアドレスや電話番号の形式が適切かどうかをHTMLのみで判断できるため、サーバー側でのエラーチェックが減り、システム全体のパフォーマンスも向上します。

HTML5が廃止された理由

HTML5は、Web標準として一時期広く採用されていましたが、2021年1月には事実上廃止され、WHATWG(※1)により策定された「HTML Living Standard」へと切り替わりました。この変更により、W3C(※2)がHTMLの標準を策定する役割から退き、今後のHTMLは「Living Standard」として更新される仕組みになりました。

WHATWGは2011年に「HTML Living Standard」の開発を開始し、翌年にはW3Cとの共同開発を中止しました。その後、W3Cは独自にHTML5.1を2016年に勧告しましたが、最終的には標準化の主導権をWHATWGに譲り、HTML5の更新は行われなくなりました。これは、よりスピーディーかつ柔軟なWeb標準の進化を目指すための決定であり、実際にGoogle Chrome、Safari、Operaといった主要ブラウザは「HTML Living Standard」を標準仕様として採用しています。

こうした経緯により、HTML5は事実上廃止され、進化を続ける「HTML Living Standard」によってWeb技術の標準化が行われています。

※1:「Web Hypertext Application Technology Working Group」の略称で、Web標準の開発・保守を行う団体のこと
※2:「World Wide Web Consortium」の略称で、Web技術の国際標準化を行う団体のこと

HTML Living Standardを習得するなら

HTML5はWeb制作の基礎として長く使用されてきましたが、現在はHTML Living Standardという形で継続的に進化しています。しかし、HTMLの基本的な構造や概念は大きく変わっておらず、HTML5の知識はHTML Living Standardを理解する上でも有効です。

また、HTMLを使ったWeb制作には、CSSやJavaScriptの知識も不可欠です。これらを組み合わせることで、Webページの表現力が格段に向上します。例えば、CSSでデザインのスタイルを管理し、JavaScriptで動的な要素を実装することで、より魅力的なWebサイトを作成できるようになります。

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まとめ

HTML5はWeb制作において重要な技術革新をもたらし、特にマルチメディア対応やマルチデバイス対応の強化が大きな進歩でした。しかし、現在は「HTML Living Standard」として進化を続けており、これによりWeb技術はより柔軟で最新のトレンドに対応しています。これまでのHTML5の学習経験は無駄にならず、引き続き役立つものです。さらなるスキルアップを目指すなら、NINJACODEのWeb制作コースで最新技術を学びましょう。