エンジニアとプログラマーの違いを徹底解説!どちらを目指すべき?

基礎知識

IT業界に関わったことがない場合、エンジニアとプログラマーの違いがわからない方もいるでしょう。どちらもシステム開発に携わる職種ですが、業務範囲が異なります。今回は、エンジニアとプログラマーの違いについて開発工程を紹介しながら解説します。

エンジニアとプログラマーの違い

エンジニアとプログラマーは異なる職種です。エンジニアは、IT知識のある技術者を意味します。広義ではプログラマーを含めたIT技術者全般を指すこともありますが、今日ではシステムエンジニア(SE)の略称として使用されることが多いです。

一方、プログラマーはプログラミングに特化した職種です。エンジニアとプログラマーでは、業務範囲や求められるスキル、年収などが異なります。

1:業務範囲(工程)

エンジニアとプログラマーは、業務範囲が異なります。

開発工程において、エンジニアはシステムの仕様書作成やマネジメントなどの業務を行います。プログラマーは仕様書に沿ってコードの記述や、テストの実行、不具合の修正などを行います。

つまり、エンジニアは上流工程を担うのに対し、プログラマーが担うのは下流工程です。

2:求められるスキル

エンジニアは、開発工程を全般的にマネジメントしなければなりません。クライアントとの窓口になるため、エンジニアにはIT全般の知識はもちろん、クライアントへのヒアリング能力やプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力なども必要です。

一方、プログラマーは、使用するプログラミング言語に関する知識や論理的思考力、問題解決能力など、技術面のスキルが必要です。また、コードを書き、バグを修正するという細かな作業を繰り返すため、忍耐強さも求められるでしょう。

このように、エンジニアとプログラマーでは求められるスキルが異なるため、適性も異なってくる点に注意が必要です。

3:年収

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、エンジニアとプログラマーが含まれる「ソフトウェア作成者」の年収は550.2万円と、全産業よりも高水準です。

しかし、エンジニアとプログラマーでは業務内容が異なるため、年収にも差が出ています。上流工程を担うシステムエンジニアのほうがやや高年収の傾向です。

フリーランス案件においても、システムエンジニアは月100万円を超える案件もありますが、プログラマーでは最高単価が60万円程度です。このことからも、エンジニアの年収が高いとわかるでしょう。

エンジニアとプログラマーの仕事は「開発工程」で理解しよう

ここからは、エンジニアとプログラマーの仕事内容を説明します。

それぞれの仕事内容を理解するには、どのような流れでシステム開発が行われるのか、開発工程を知ることが大切です。開発の流れは、簡単にまとめると以下のような工程を取ります。

上流工程 要件定義
基本設計
詳細設計
下流工程 プログラミング
単体テスト
結合テスト

エンジニアが担当するのは上流工程、プログラマーが担当するのは下流工程です。開発を効率的に進めていくために、工程が分けられています。

しかし、業務環境によっては、上流工程の一部をプログラマーが行うことも、システムエンジニア自身が下流工程のプログラミングを行うこともあるため、全体の流れを押さえておきましょう。

エンジニアの仕事は「システム制作における仕様書を作成する」

システムエンジニアは開発工程の上流を担い、システム開発における仕様を決定することが主な仕事です。開発工程のうち、要件定義から詳細設計までを担当します。

1.要件定義

開発における最初の工程は、クライアントから要望や環境をヒアリングして取りまとめ、開発要件を決定する要件定義です。予算や開発期間、開発方法などを具体的に決定し、要件定義書を作成します。開発をスムーズに進めるために、もっとも重要なフェーズです。

2.基本設計

基本設計は外部設計ともいい、インターフェース部分を中心に全体像を決定します。要件定義の内容をもとに、以下を設計していきます。

・画面設計(デザイン、遷移、特殊操作、入力チェックなど)

・データ設計(データの保存方法や取得方法など)

・インフラ設計

以下を含めた基本設計書や機能設計書を作成し、クライアントとすり合わせを行います。

・機能一覧

・テーブル定義

・ファイル定義

・システム構成図

・インターフェース設計 など

3.詳細設計

詳細設計は、基本設計で決定した機能の実装方法を設計する工程です。ユーザーから見えないシステムについての設計部分のため、内部設計とも呼ばれます。

詳細設計では、以下の内容を含んだ技術仕様書を作成します。これをもとに、プログラミングを行います。

・データベース論理設計

・API処理設計

・バッチ処理設計

・データフロー図

・モジュール構造図 など

プログラマーの仕事は「仕様書に沿ってコードを書く」

プログラマーは開発工程の下流を担い、技術仕様書に沿ってコードを書く仕事です。プログラミング作業およびプログラミング後のテストを行います。

1.プログラミング

仕様書に基づいて、プログラミングを行います。コードを書いてプログラムを作り出すので、製造工程とも呼ばれる工程です。

プログラミングの際に使用する開発言語は、システムの種類によって異なります。Web(ウェブ)系であればPHPやRuby、アプリケーションではJavaやC、C#、インフラ系ではPython、Java、Ruby、Goなどが主流です。

2.テスト(単体テスト→結合テスト)

プログラミングが終了したら、作成物が正常に動作するかを確認するテストの工程です。単体テストを行ったのち、結合テストを行います。

単体テスト モジュールやコンポーネント単位で行うテストです。プログラムを1行ずつテストするホワイトボックステストを経て、モジュールなどが正常なアウトプットを行っているかをテストするブラックボックステストを行います。
結合テスト 複数のモジュールを組み合わせたサブシステムのテストです。サブシステム内で操作やデータが正しく連結されているかを確認する内部結合テストののち、サブシステム間の連結を確認する外部結合テストを行います。

なお、結合テストで問題がなければ、テスターやテストエンジニアによるシステムの全体を確認するシステムテストが行われ、運用テストを経てリリースとなります。

まずはプログラマーを目指すのがおすすめ!

システムエンジニアは開発工程に関する知識など、求められるスキルも多岐にわたります。実務経験のない方がシステムエンジニアとして採用されるのは現在ではまだ難しいといえます。

そのため、未経験からシステムエンジニアを目指すなら、まずプログラマーとしてシステム開発を経験したのち、キャリアアップするのが一般的です。

システムエンジニアになるためにプログラミングを学びたいとお考えなら、「NINJA CODE」で習得するのがおすすめです。NINJA CODEは、オンデマンド型のプログラミングスクールで、自分の空いた時間を活用して動画で学習を進められます。学習期間は無期限のため、現在在職中の方も無理なく学べます。

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まとめ

エンジニアとプログラマーの違いは仕事内容にあります。システムエンジニアは主にシステムの設計部分やクライアントとの折衝を、プログラマーは設計に基づいてプログラミングを担当します。

システムエンジニアにもプログラムの知識は必要なため、業界未経験の方はプログラマーを経てシステムエンジニアを目指すのがおすすめです。プログラミングスクールを活用して基礎を身に付けてまずはプログラマーを目指してみてはいかがでしょうか。