CSSは、Web(ウェブ)デザインの基本でありながら、初心者にとってはその複雑さに戸惑うことも多いプログラミング言語のひとつです。多くのルールやプロパティ(文字サイズや背景色などを変更するために適用するCSSのスタイルの種類)が存在し、適切に使いこなすためには時間と努力が必要です。
今回は、CSSが難しいと感じる理由とその克服方法について詳しく解説します。
CSSが難しい理由
CSSは、Web(ウェブ)ページのデザインを調整するためのスタイルシート言語(デザインやレイアウトを定義するために使う言語)です。他のプログラミング言語に比べると学習しやすいといわれていますが、初心者にとっては難しく感じることも多くあります。
まずは、CSSが難しいと感じる理由についてみていきましょう。
ルールが多い
CSSには、文字の色や大きさを変えるための簡単なルールから、どのスタイルが優先されるかを決める複雑なルールまで、さまざまなルールがあります。
下記は、CSSに適用されるルールの一例です。
・カスケーディング(Cascading):CSSのルールがどのように適用されるかを決める仕組みです。複数のスタイルが重なっているときに、カスケーディングによって最も優先順位の高い指定のみを適用します。
・継承(Inheritance):「継承」とは、親要素に適用されたスタイルが子要素にも影響を与える性質を指します。「親要素」と「子要素」は、HTMLの要素同士の階層的な関係を指す言葉です。例えば、親要素に設定されたフォントサイズや色が、その子要素にも自動的に適用される場合があります。
・特異性(Specificity):CSSには、どのスタイルが優先されるかを決定する「特異性」という概念があります。特異性は、セレクタ(どのHTML要素にスタイルを適用するかを指定するもの)の種類や数に基づいて計算されます。
・!important:特定のスタイルを強制的に適用するための特殊なルールです。通常の特異性のルールを無視し、そのスタイルを最優先で適用させることができます。
これらのルールは、一例であるため、すべてルールの内容まで覚えるのは初心者にとって大変で、挫折しやすいポイントのひとつです。
関連記事:【CSS】スタイルの優先順位のルールや!importantを解説
どのプロパティを使えば良いのか分からない
CSSには、多くのプロパティがあり、それぞれが違う効果を持っています。プロパティとは、HTML要素の特定のスタイルや外観を定義するための設定項目のことで、どのようにその要素が表示されるかを指定します。
CSSには数百種類のプロパティがあり、似たような名前や機能を持つものもあります。そのため、これらをすべて覚えるのは非常に難しいです。
また、余計なプロパティが効いていそうで、無効化や削除を行いたいと思っても、どのプロパティが適用されているのかを判断するのが難しいケースも多くあります。
このことから、どのプロパティを使えば良いのか、使ってもどれが適用されているのかが分かりにくい点が、初心者にとって難しいと感じる原因のひとつです。
コードが反映されない
CSSでスタイルを指定しても、思った通りに表示されないことがあります。例えば、指定した色が変わらなかったり、レイアウトが崩れたりすることがあります。
これが起きてしまうと、どこが間違っているのかを探さなければなりませんが、それに時間がかかることがあります。何度もこうした問題にぶつかると、CSSの勉強が嫌になってしまうこともあります。
CSSの勉強で挫折する人にありがちな勉強方法
CSSの勉強を始めたばかりの方が挫折してしまうのには、いくつか共通する原因があります。
ここでは、挫折しやすい人がやりがちな勉強法を紹介します。
全部覚えようとしている
CSSにはたくさんのプロパティやルールがあり、全部を覚えなくてはならないと思い込んでしまうと、挫折しやすくなります。
実際には、すべてを完璧に覚える必要はありません。基本的な部分を押さえておけば、必要なときにインターネットで調べることで十分に対応できます。
プロとして活躍しているコーダーの中にも、すべてを暗記しているわけではない人が多いのが実情です。
実務でよく使う、下記のようなプロパティだけ押さえておきましょう。
プロパティ | 説明 | 例 |
color | テキストの色を指定する | color: red;(テキストが赤色になる) |
font-size | テキストの大きさを指定する | font-size: 16px;(テキストのサイズが16pxになる) |
margin | 要素の外側の余白(スペース)を指定する | margin: 20px;(全方向に20pxの余白を設定) |
padding | 要素の内側の余白を指定する | padding: 10px;(要素内のコンテンツ周りに余白) |
background-color | 要素の背景色を指定する | background-color: blue;(背景が青色になる) |
他人に質問できる環境がない
CSSの勉強でつまずいたときに、すぐに質問できる環境がないと、分からないことがそのまま放置されてしまい、挫折につながります。
特に独学の場合は、孤独に感じることが多く、モチベーションが下がりがちです。可能であれば、勉強仲間を見つけたり、オンラインのコミュニティに参加したりするなど、質問しやすい環境をつくることをおすすめします。
経験者向けの本で勉強している
初心者が経験者向けの参考書で勉強すると、内容が難しすぎて挫折しやすくなります。初心者向けの参考書や入門書を使うことで、基本をしっかりと理解しながら進めることが大切です。
ただし、参考書をそのまま暗記するのはNGです。実際に手を動かしてコードを書いてみることで、理解が深まります。
数か月でマスターしようと思っている
CSSを数か月で完全にマスターしようと考えていると、期待通りに進まないことが多く、挫折の原因になります。初心者がプロのようにスラスラとコードを書けるようになるには時間がかかります。
焦らず、ゆっくりじっくりと学び続けることが大切です。勉強はマラソンのようなもので、一歩ずつ着実に進めることが成功への近道です。
CSSが難しいと感じたときの解決方法
CSSの勉強を進める中で、難しさに直面して挫折しそうになることは誰にでもあります。しかし、多くの時間をかけて勉強してきたのであれば、途中で諦めてしまうのはもったいないものです。
ここでは、CSSの学習を挫折しないための解決方法を紹介します。解決方法を実践することで、CSSの難しさを克服し、さらにスキルアップすることができるでしょう。
適切な習得ロードマップを確認する
CSSを効率良く学ぶためには、適切な学習ロードマップを確認することが大切です。下記のステップを参考にしてみてください。
まずは学習サイトで基礎を学び、その後に参考書で応用を学びます。その次に、実際に既存のWebサイトを模写してみましょう。最後に、自分の力で1からコーディングしてポートフォリオを作成することを目指します。
自分が今どの段階にいるのかを確認し、次に進むべきステップを明確にすることで、挫折せずに学習を続けられるでしょう。
他の勉強方法に変えてみる
CSSの学習方法はひとつではありません。独学での勉強方法には、参考書を使う方法や学習サイト、動画サイト、さらにはゲーム感覚で学べるアプリなど、さまざまな選択肢があります。
ひとつの方法で行き詰まったら、他の方法に切り替えてみるのも良いでしょう。新しい方法を試すことで、学習のモチベーションが上がり、挫折を防ぐことができます。
質問できる人を探す
CSSの勉強で困ったときに、すぐに質問できる人がいると安心です。質問できる環境がないと、つまずいたまま放置してしまいがちになります。
そこで、メンターマッチングサービスやココナラ、SNSなどを利用して、質問できる人を探してみましょう。メンターがいると、挫折せずに学習を続けることができるので、初心者にとって非常に便利な存在です。
Google Chromeの検証ツールを使う
CSSのコードがうまく機能していないと感じたら、Google ChromeやFirebox、Safariなどのデベロッパーツールを使ってみましょう。このツールを使えば、CSSがどのように適用されているのかを簡単に確認でき、記述ミスを発見するのにも役立ちます。
活用することで、効率良く問題を解決でき、学習スピードの向上も図れます。
プログラミングスクールへ通う
独学での学習が難しいと感じたら、プログラミングスクールに通うのもひとつの選択肢です。プロの講師から直接指導を受けることで、挫折することなく確実にスキルを習得できます。
なお、NINJA CODEは「挫折させないオンライン学習」をコンセプトとして、初心者が実践スキルを身に付けるためのカリキュラムを用意しております。Web制作スクールでは、CSSだけでなく、Web制作に必要なHTMLやJavaScript、WordPressなどのスキルも習得可能です。
そのほか、現役クリエイターがメンターとなり、オンラインでの直接指導や個別キャリア相談などができます。
ご興味のある方は下記から費用やカリキュラムをご確認ください。
- CSSWebサイトを制作したい
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まとめ
CSSは、その豊富なルールやプロパティの多さから、初心者にとって難しく感じることが多いプログラミング言語です。しかし、適切な学習方法とサポート体制を整えることで、挫折を避け、着実にスキルを向上させることができます。
また、今回の記事で紹介した解決策を実践し、自分に合った学習方法を見つけましょう。
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