HTMLとPHPは、Web制作において欠かせない技術であり、それぞれ異なる役割をもちながらも連携して使用されます。特に、動きのあるWebサイトを作成する際には、この2つの技術を深めておくことが重要です。HTMLはWebサイト上でどのようにテキストを表示させるか、画像やリンクをどこに配置するかを定義し、PHPはHTMLで定義した要素に動きを加えます。今回は、HTMLとPHPの違いや関係性、さらにそれぞれの習得方法について詳しく解説します。
HTMLとPHPの関係性
HTMLとPHPは、Web(ウェブ)サイトの構築において欠かせない要素であり、それぞれが異なる役割を果たしています。ここではそれぞれの概要や関係性を紹介します。
HTMLとは？
HTMLは「Hyper Text Markup Language（ハイパーテキストマークアップ言語）」の略で、Webページの骨組みを作るための言語です。具体的には、見出しや段落、画像、リンクなど、ページに表示される内容を定義します。
HTML自体は静的な言語であり、動的な要素をもちません。静的とは誰がいつどこで閲覧しても内容が変化しないことを指し、動的とはアクセスしたユーザーや時間など特定の条件によって異なる情報を自動で表示することです。そのため、HTMLのみで作られたWebページは固定的な表示になります。つまり、HTMLだけではユーザーの操作や入力に応じて表示内容を変更することができないということです。
PHPとは？
PHPはWebサーバー上で動作するプログラミング言語です。Webサーバーとは、インターネット上で情報を提供するためのコンピューターシステムまたはソフトウェアです。主にWebページやその他のデータを、Webブラウザを通じてユーザーに送信する役割を担います。
PHPの正式名称は「Hypertext Preprocessor(ハイパーテキストプリプロセッサー)」で、主にHTMLを生成するために使われます。
この言語をHTMLファイルに埋め込むと、ユーザーのリクエストに応じて内容を変更したり、新しいページを生成したりする動的なWebサイトを作ることが可能です。
例えば、ユーザーがフォームに入力したデータをもとに、特定の情報を表示するページを作成することができ、ユーザーがフォームに入力した際に、ページ上のテキストが変わるなどの要素を加えられます。
なお、WebサーバーにPHPをインストールしなければ、この言語は導入することができません。
HTMLとPHPの関係性
HTMLとPHPは連携して機能し、Webサイトの動的・静的な部分をそれぞれ担当します。
2つの言語でWebページができる仕組みは下記の通りです。
1.PHPは、ユーザーからのリクエストを受け取り、それに応じてHTMLを生成する。
2.1で生成されたHTMLはユーザーのブラウザに送信され、ページとして表示される。
例えば、ユーザーが特定の商品を検索したとき、その結果に応じたページを生成するのがPHP、商品リストを含む新しく作られたページ自体がHTMLです。
PHPの働きにより、検索者が必要とするページを柔軟に作成することができるため、開発者がすべてのページを手動で作成する必要がありません。
このように、HTMLとPHPは互いに補完し合い、Webページの機能を最大限に引き出すことができるのです。
HTMLとPHPの違い
HTMLとPHPは、Web制作においてそれぞれ異なる役割を果たす重要な技術ですが、その目的や使用方法には大きな違いがあります。
ここからは、HTMLとPHPの主な違いについてより詳しく解説します。
1.動的ページか静的ページか
上記にもあるように、HTMLとPHPは制作できるWebページが異なります。
HTMLはWebページの基本的な構造を定義する言語で、静的なページを作成します。これは、ページの内容が固定されており、ユーザーの入力や操作に応じて内容が変わることはないという意味です。
一方、PHPは動的なページを作成するための言語であり、ユーザーのリクエストに応じてページの内容を生成したり、変更したりすることができます。例えば、ユーザーがフォームに入力したデータに基づいて、表示内容が変わるようなWebページを作成することが可能です。
2.Webサーバーの構築が必要か
HTMLはユーザーのブラウザ上で直接動作するため、特別なサーバーを構築する必要がありません。ファイルを保存してブラウザで開くだけで、HTMLによって定義されたWebページが表示されます。
対して、PHPで作成されたプログラムはWebサーバー上で実行され、これにより生成されたHTMLがユーザーのブラウザに送信されるため、サーバーの構築が必須です。
3.データベースを扱えるか
PHPが動的なWebページを作成できるのは、データベース（一定の形式で整理された情報群）に接続できるためです。これにより、ユーザーからのリクエストに基づいてデータを取得、保存、そして必要な情報を表示することができます。
一方、HTMLはデータベースに直接アクセスすることはできません。そのため、データベースとの連携が必要な場合には、PHPや他のサーバーサイド技術と組み合わせる必要があります。
HTMLとPHP/CSSはセットで覚えよう！
PHPは動的なWebページを作成するためのプログラミング言語ですが、Webサイトを構築する際には骨組みであるHTMLもあわせて学ぶ必要があります。
さらに、Webサイト作成にはCSSやJavaScriptの基礎知識も必須です。CSSはサイト内のデザインやレイアウトを整えるための言語であり、これによりページ全体の見た目を美しく保つことができます。また、JavaScriptはPHPと同様にWebサイトに動きを加えるためのプログラミング言語です。しかし、PHPはサーバー側、JavaScriptはブラウザ上と、処理が行われる場所が異なります。
これらの技術を組み合わせて学ぶことで、より魅力的で機能的なWebサイトを構築できるようになるのです。
プログラミング初心者がHTML・PHPを学習する手順
ここではHTMLとPHPを学ぶ際の手順を紹介します。
【STEP1】HTML/CSSの基礎知識を習得する
Webデザイナーやプログラマーを目指す場合、HTMLとCSSの基礎知識を習得することが最初のステップです。
具体的には、下記のような内容を勉強しましょう。
・HTML
-ドキュメント構造
-タグ
-属性の使い方
-セマンティックHTML
・CSS
-セレクタと宣言
-ボックスモデル
-ポジショニングと表示
-フレックスボックスとグリッド
-レスポンシブデザイン
HTMLはWebページの構造を定義するための言語であり、CSSはその骨組みを装飾し、デザインを整えるための言語です。この2つをしっかりと学ぶことで、見た目が美しく、使いやすいWebサイトを作成できるようになります。
特に初心者の方は、無料で利用できる問題集や練習サイトを活用するのがおすすめです。NINJACODEが提供する無料問題集もチェックしてみてください。
【STEP2】JavaScriptの基礎知識を習得する
HTML/CSSの基礎が理解できたら、次にJavaScriptの基礎学習に進みましょう。
JavaScriptは、Webページに動きを加えるためのプログラミング言語です。まずは下記の手順で開発環境を準備します。
1.テキストエディタの選択
JavaScriptのコードを書くためには、テキストエディタが必要です。一般的には下記のようなエディタが使用されています。
JavaScriptは、Webページに動きを加えるためのプログラミング言語です。まずは下記の手順で開発環境を準備します。
1.テキストエディタの選択
JavaScriptのコードを書くためには、テキストエディタが必要です。一般的には下記のようなエディタが使用されています。
無料で利用できる人気のエディタで、多くの拡張機能が利用可能です。JavaScript開発に適した機能が充実しています。【Sublime Text】軽量で高速なエディタです。シンプルで使いやすいですが、プラグインを追加することで機能を拡張することもできます。
2.Webブラウザの準備
JavaScriptのコードは基本的にWebブラウザで実行されます。ほとんどのブラウザ（Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeなど）には、JavaScriptのデバッグ（ソフトウェアの問題を特定し、取り除くこと）や検証に便利な「開発者ツール」が組み込まれています。これを使い、コードの動作を確認しながら開発を進めていきます。
一例として、Google Chromeの開発者ツールへのアクセス方法を紹介します。
F12キーまたは右クリックメニューから「検証」を選択することでアクセスできます。
3.学習サイト・本を活用して学習
開発環境を整えられたら、学習サイトや書籍を活用して知識を深めましょう。
具体的には、基本的な構文、関数の定義、DOM操作、イベント処理、エラー処理とデバッグ、非同期処理、JSONの使い方、Web APIの使い方などを習得します。
HTML/CSS同様、実際に手を動かしながら学ぶことで、より理解が深まります。NINJACODEが提供する無料問題集もチェックしてみてください。
4.JavaScriptでオリジナルWebサイトを作成
JavaScriptの基礎が身に付いたら、オリジナルのWebサイトを作成してみましょう。自分の思い通りのWebページを作ることができると、実力の確認だけでなく、学習意欲の向上にもつながります。
【STEP3】PHPを学習する
HTML/CSSとJavaScriptをある程度理解できたら、いよいよPHPの学習に取り掛かりましょう。
まずはPHPの基礎文法を覚え、その後、環境構築を行います。環境構築では、PHPや必要なWebサーバーをローカル環境（個人のコンピュータ内で完結する環境）にインストールします。
PHPはサーバーサイドで動作するため、ローカルでPHPコードを実行するにはサーバー環境が必要です。下記のソフトウェアをインストールすることで、簡単にローカルサーバー環境を構築できます。
Windows、macOS、Linux用の無料のオープンソース（ソースコードを無償で一般公開すること）パッケージで、Apacheサーバー（※1）、MySQL（MariaDB）（※2）、PHP、Perl（※3）を含んでいます。・MAMP
macOSとWindows用のローカルサーバー環境で、Apacheサーバー、MySQL、PHPを簡単にセットアップできます。・WAMP
Windows用のローカルサーバー環境で、Apache、MySQL、PHPを含んでいます。※1：Webサーバーソフトウェアで、Webページのリクエストを受け取り、ブラウザにそのページを表示するためのデータを返す役割を担っています。
※2：データベース管理システムで、データの保存、管理、検索などを行うために使用されます。
※3：高水準のスクリプト言語で、テキスト処理やシステム管理、Web開発などで使われます。
ここまでできたら、変数の使用方法、条件分岐（if文）、ループ処理、関数、クラス、ファイル処理などの応用知識も習得していきます。
たくさん学ぶべきことがありますが、これらの技術を身に付けることで、PHPを用いて動的なWebサイトを構築することが可能です。
プログラミング初心者がWeb制作を1から学ぶならNINJACODE
Web制作を独学で学ぶ場合、HTML/CSS、JavaScript、PHPといった幅広いスキルを習得するには時間がかかります。特に、効率よく学びたい方や、1人で学習を進める自信がない方には、プログラミングスクールの利用がおすすめです。
NINJACODEでは、完全初心者でも実務で通用するスキルを身に付けられるよう、実践的なカリキュラムを提供しています。短期間でしっかりとしたWeb制作スキルを手に入れられる学習環境を整えているので、ぜひご検討ください。カリキュラムやサポート体制、費用など詳細を知りたい方は、下記からご確認いただけます。
