HTMLはWeb(ウェブ)ページ作成の基本言語であり、初心者でも習得しやすく、スキルを身に付けることで、将来的に多くの職種で役立ちます。また、Web制作の入り口として最適で、実践的なスキルを身に付ける良い機会です。
今回は、HTMLでできることや具体的な活用例について詳しく解説します。
HTMLでできること
HTML(HyperText Markup Language)は、Webページやコンテンツを構成するための基本的な言語です。初心者の方でも、HTMLを学ぶことで、Webサイトやメール、アプリの基本部分を作成することができます。
ここでは、HTMLでできることについて詳しく解説します。
Webサイトの静的要素の作成
HTMLを使うことで、Webサイトの静的な要素を作成できます。静的とは、誰がいつ見ても同じように表示される要素のことです。
例えば、ページのタイトルや見出し、本文テキスト、表、画像などが該当します。これらはサーバーやユーザーの操作によって変化しないため、シンプルなWebサイトやブログ、ニュースサイトなどでよく利用されます。
具体的には、ニュース記事のタイトルや本文、プロフィールページの名前や画像、会社の概要を示す表などです。HTMLを使うことで、これらの要素を整然と配置し、ページ全体のレイアウトを構成できます。
HTMLメールの作成
HTMLを活用することで、テキストだけでなく、デザイン性をもたせたメールを作成できます。HTMLメールでは、フォントのサイズや色の変更や、画像、動画の挿入などが可能です。視覚的に魅力あるメールを作成し、受信者に強い印象を与えたり、メールの内容をわかりやすくしたりできます。
例えば、ビジネスのプロモーションメールでは、商品の画像やリンクボタンを配置したり、色使いを工夫したりすることで、開封率やクリック率の向上が期待できます。
HTMLメールは、一般的なテキストメールよりも表現の幅が広いため、より効果的に情報を伝えることができる手段です。
Webアプリの基本の作成
Webアプリの基礎部分も、HTMLを使って作成できます。
具体的には、入力フォームやボタン、リンクなど、ユーザーが操作する部分をHTMLで作成します。さらに、CSS(Webサイトの見た目を装飾するための言語)やJavaScript(主にWebサイトに動きを付けるのに用いられる言語)などの技術と組み合わせることで、後述するような動的なWebアプリを構築できます。
HTMLは、Webアプリ開発の基礎となる技術のため、その知識はアプリの基本的な構造の理解に欠かせません。
HTMLでできないこと
ここでは、HTMLだけでは対応できない主な機能について解説します。
Webサイトの動的要素の作成
動的なWebサイトを作成するには、HTMLだけでは不十分です。動的とは、ユーザーの端末やアクセスした時間、操作によって表示される内容が変わる要素のことを指します。
例えば、SNSや掲示板のように、ユーザーが投稿した内容が他の人にリアルタイムで表示されるサイトや、異なる時間帯にアクセスすることで表示内容が変化するサイトなどがあげられます。
動的要素を実現するためには、JavaScriptやサーバーサイド(Webサービスのサーバー側)のプログラミング言語(例:PHP、Python)などが必要です。また、HTMLでは実現できない動的なコンテンツの表示だけではなく、データの管理・更新も可能となります。
ユーザーに入力してもらう要素の作成
HTMLだけでは、ユーザーがデータを入力し、そのデータを処理する機能を作成できません。例えば、問い合わせフォームやログインページなど、ユーザーからの入力を受け付け、それを処理して表示内容を変えるような機能が該当します。
この場合は、HTMLのほかにJavaScriptやバックエンド(ユーザーの目に触れないサーバーやデータベース部分のこと)のプログラムが必要です。
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アニメーションの付与
Webページに視覚的なアニメーションを加えることも、HTML単独では実現できません。例えば、画像が自動的に切り替わるスライドショーや、ボタンをクリックした際に表示されるアニメーションなどを作成するには、JavaScriptやCSSなどの技術が必要です。
HTMLで開発されたWebサイトの例
Webサイトは、基本的にHTMLを使用して構築されています。例えば、Appleの公式ストアや、Amazonの日本版サイトもHTMLを基盤として作られています。
これらのサイトのソースコードは、画面上で右クリックして「ページのソースを表示」を選択することで確認できます。
HTMLのスキルが活かせる職種
HTMLの知識やスキルは、Web開発やデザインの世界で活用されています。初心者の方でも、HTMLを習得することでさまざまな職種に挑戦できるようになるでしょう。
ここでは、HTMLのスキルを活かせる代表的な職種を3つ紹介します。
HTMLコーダー
HTMLコーダーは、Webデザイナーが作成したデザインを実際のWebページとして実装する役割を担います。主な業務は、デザイナーが描いたデザインを忠実にHTMLコードに変換し、Webページとして構築することです。正確なコーディング能力が求められ、またCSSやJavaScriptの知識も役立ちます。
HTMLコーダーは、Web制作の基礎的な部分を担うため、初心者にとっては入りやすい職種です。特に、デザインを忠実に再現する細やかな作業が得意な人や、コードを書くのが好きな人に向いています。
年収の目安は約557.6万円であり、経験やスキル次第でさらに収入を上げることも可能です。HTMLに加えて、CSSやJavaScript、レスポンシブデザイン(デバイスの画面サイズに合わせて表示を最適化する手法)などの知識も習得しておくことで、より幅広い仕事を担当できるようになります。
Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトのビジュアル面をデザインする職種です。主な業務はユーザーにとって使いやすく、魅力的なデザインを作成することです。HTMLの知識は、デザインの段階から、実際に実装されることを意識して設計する際に役立ちます。
例えば、デザインがどのようにHTMLで再現されるか、どのようなレイアウトが効率的かなどを考慮することで、実際の実装を見据えたデザインを行うことができます。
また、HTMLの知識があると、コーダーやフロントエンドエンジニアとの連携がスムーズになり、効率的な制作が可能になります。
Webデザイナーは、クリエイティブな作業が好きな人や、トレンドに敏感な人に向いています。年収の目安は約509.3万円であり、実績やポートフォリオが充実しているほど、高収入を期待できる職種です。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリのユーザーが目にする部分を開発する職種です。デザイナーが作成したデザインを基に、実際の画面をHTMLやCSS、JavaScriptを使って構築します。さらに、データやサーバーなどWebサイトやWebアプリの裏側を担当するバックエンドエンジニアと協力して、データのやり取りがスムーズに行われるような仕組みも構築します。
ユーザーの操作に応じて動的に変化するWebページを作成するため、HTMLに加えてJavaScriptの知識が不可欠です。また、UI(ユーザーの目に触れる要素のこと)とUX(ユーザーがサービスを通じて得られる体験のこと)の理解や、パフォーマンスを意識したコーディング能力も求められます。
年収の目安は約557.6万円であり、eactやVue.jsなどのJavaScriptフレームワーク(よく使われる機能をまとめた枠組みのこと)の知識を身に付けることで、さらなるキャリアアップが可能です。フロントエンドエンジニアは、Web制作のなかで需要の高い職種であり、今後もますます成長が見込まれる分野です。
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まとめ
HTMLは、Webサイトやメール、Webアプリの基礎を支える重要な技術です。静的要素の作成からメールのデザイン、アプリの基本構造まで、幅広く活用されますが、動的なコンテンツやアニメーションには追加の技術が必要です。HTMLのスキルは、Web制作に関わる職種において土台となるため、ぜひ学びを進め、さらなるステップアップに挑戦してみてください。
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