Pythonは世界的にも注目されている人気のプログラミング言語であり、人気の理由のひとつに年収の高さがあります。Pythonエンジニアになると、実際のところ、どれくらいの年収を期待できるのでしょうか。
今回は、年齢別、職種別、働き方別にPythonエンジニアの年収を紹介し、他言語のエンジニアの年収とも比較します。また、Pythonエンジニアの収入が高い理由や、高収入を得るためのポイントも解説しますので、ぜひご覧ください。
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Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアの年収は、仕事内容や働き方などによっても差があります。そこで、Pythonエンジニアの年収を違った側面からそれぞれみていきましょう。
Pythonエンジニアの平均年収
日本のPythonエンジニアの平均年収は約608万円です。国税庁が行った調査によれば、職種や雇用形態を問わず、令和4年の給与所得者全体の平均年収は約458万円でした。
AI(人工知能)分野の市場が成長を遂げるなか、関連性の深いPythonの需要も増加しています。その影響で、Pythonエンジニアの平均年収は、日本の給与所得者全体の平均より150万円ほど多く、高水準で推移しています。
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告」
Pythonエンジニアの年齢別年収
次に、2020年のデータに基づくPythonエンジニアの年代別年収です。
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
平均年収 | 403万円 | 546万円 | 624万円 | 582万円 |
出典:
TECH Street「2020年プログラミング言語別年収ランキング」
Geekly Media「Pythonエンジニアの年収が高い理由。年代別・職種別で解説します。」
もっとも年収が多いのは40代のPythonエンジニアで約624万円です。年齢別の年収はエンジニアの経験年数やスキルセット、所属する企業の業種、担当プロジェクトの規模などによって変動するため目安として捉えましょう。
Pythonエンジニアの職種別年収
職種別でみると、Pythonエンジニアの平均年収には開きがみられます。そこで代表的な5つの職種を取り上げ、正社員の平均年収を比較してみましょう。
・データサイエンティストの年収:約672万円
データサイエンティストとは、ビッグデータを分析し、ビジネスにおける課題を解決する職業です。この仕事を担うためには、ビッグデータ解析に必要な数学や統計などの専門知識が求められます。そのほか、経営判断を左右するような重い責任も担う分、年収は高水準です。
・AIエンジニアの年収:約597万円
AIエンジニアとは、人工知能を活用したシステム開発を行う技術者のことを指します。高度なAI分野の専門知識に加え、最先端の知識や技術をアップデートし続けることも求められることから年収は高めです。
・Web(ウェブ)アプリケーションエンジニア:約503万円
Webアプリケーションエンジニアとは、Web上で動作するアプリを開発するITエンジニアです。AI分野に強いPythonは、Webアプリケーション分野でも広く活用されており、今後も需要が見込まれます。
・システムエンジニア:約496万円
システムエンジニアとは、ソフトウェアの設計から開発、運用、保守までを担う専門家のことをいいます。利用範囲の広いPythonを高いレベルで扱えるシステムエンジニアは、いまだ人材不足の状態にあるため、採用市場でのニーズも高めです。
・プログラマー:約419万円
プログラマーとは、プログラミング言語を用いてシステムの設計やソフトウェアの開発などを行う技術者を指します。プロジェクトの基盤である上流工程に関わることが少ないため、他の職種よりも年収は低めです。スキルと経験を積み重ねることで上流工程の業務へとステップアップできます。
Pythonエンジニアの働き方別年収
Pythonエンジニアの平均年収は、正社員とフリーランスで大きく異なります。下記は、2023年の働き方別の平均年収です。
働き方 | 正社員 | フリーランス | 副業フリーランス |
平均年収 | 約556万円 | 約720~960万円 | 約120~360万円 |
このデータから、フリーランスエンジニアは企業に直接雇用される正社員エンジニアよりも、平均で150万円以上多い収入を得ていることがわかります。実績を積んだハイスキルのフリーランスエンジニアほど、高収入を得られる傾向です。
とはいえ、フリーランスエンジニアはプロジェクトや契約内容によって年収が大きく変動するため、安定性の面では正社員には勝てません。
また、業務にかけられる時間が限られた副業フリーランスエンジニアは、専業のフリーランスエンジニアと比較して、平均収入は低い傾向にあります。
Pythonと他言語との年収比較
Pythonエンジニアの年収帯は約450〜780万円といわれています。他言語の年収帯は、下記が目安です。
言語 | 年収帯 |
PHP | 約405~690万円 |
Java | 約440~720万円 |
Ruby | 約435~780万円 |
C# | 約435~775万円 |
汎用性があり、需要も伸びているPythonは企業ニーズが高く、他の言語と比較して年収もやや高めを推移しています。
Pythonエンジニアは年収1,000万超も狙える!
経験豊富なPythonエンジニアは、採用市場でも高く評価されているため、正社員で年収1,000万円を超える求人もみられます。他の言語よりも高単価で受注できるので、フリーランスだと2,000万円を超える年収も夢ではありません。
ただし、高年収を狙える業務ではPythonへの深い知見以外にも、AIやデータ解析のスキル、他言語やマネジメントの経験などが求められることも少なくありません。
Pythonエンジニアの年収が高い理由
では、なぜ高年収を得られるPythonエンジニアが登場しているのでしょうか。その理由を解説します。
AI・機械学習分野で需要が高まっている
Pythonエンジニアの年収が高い理由のひとつに、AIツールの台頭により、AI開発に強いPythonエンジニアのニーズが増加している点があげられます。
その背景にあるのが、IT人材の不足です。経済産業省は2025年に約43万人、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると試算しています。
IT人材のなかでも特に必要性を叫ばれているのが、AIやIoTなどの分野で新しい価値を生み出せる高度IT人材です。そのため、AIやIoTをはじめとする先端領域でPythonのスキルと経験を活かせるエンジニアは需要が増しており、市場価値も上昇しています。
出典:経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」
Pythonを扱えるエンジニアがまだ少ない
世界各国との比較でみると、日本はプログラミング教育の後進国といわれています。そのため、Pythonを扱えるエンジニアがそれほど多くありません。
日本でもIT大国のアメリカやインド、北欧諸国などの後を追い、IT人材の育成が進められていますが、人材不足の根本的な解消には至っていません。
高度IT人材の需要増により人材不足に拍車がかかったことも、Pythonエンジニアの市場価値を押し上げている要因です。
プログラミング初心者でも今から高収入なPythonエンジニアをめざせる理由
Pythonと同様に人気のあるJavaやC言語などと比較しても、Pythonは初心者でも学びやすいプログラミング言語です。
一方で、AIやIoTなどの先端領域で活躍できるハイスキルのPythonエンジニアは少ない傾向があります。専門的な知識とスキル、豊富な実務経験をもったPythonエンジニアは、供給が追いついていないのが実状です。
そのため、プログラミング初心者であっても、基礎を習得後、さらなるスキルアップと経験を重ねることにより、Pythonエンジニアとして高収入を得られる可能性があります。
高収入なPythonエンジニアになるためのポイント
前述したように、高単価の案件を受注できるフリーランスのPythonエンジニアであれば年収2,000万円も狙えます。下記で、高収入のPythonエンジニアをめざす際に押さえておきたいポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
複数のプログラミング言語を身に付ける
Pythonだけでなく、複数のプログラミング言語を習得することはエンジニアが収入アップを狙う上で効果的な方法です。
おすすめはHTML、CSS、JavaScriptといったユーザーが直接触れるフロントエンドを構築する言語です。サーバー側で動くバックエンドの構築に使用されるPythonとセットで使用できれば、バックエンドとフロントエンドの両面から業務に携われます。
複数のプログラミング言語を身に付けることで、対応できる案件の幅も広がり、エンジニアとしての市場価値を高められます。
マネジメントや上流工程を経験する
マネジメントやプロジェクトの上流工程を経験したPythonエンジニアも、市場価値が高く、収入アップの可能性が高まります。
上流工程は、顧客からのヒアリングや設計書の作成といった、プロジェクトの計画段階にあたる業務です。エンジニアのマネジメント業務では、工程管理や品質管理、チームメンバーの指導などにあたります。
未経験のPythonエンジニアは、コーディングやテストなどの下流工程から携わるのが一般的です。エンジニアとして一定の経験を積んだ後、上流工程の業務を任されます。
さらに実績と経験を積み、リーダーやプロジェクトマネージャーなどのポジションに就くことで、高収入を得られるようになります。
高度な知識・スキルを身に付ける
時代が求める最先端の知識とスキルをキャッチアップし続けられれば、Pythonエンジニアとしての評価も上昇し、高収入を得られます。
例えば、AIをはじめ、IoTや5G、ロボットなどの高度なデジタル技術はシステム開発でも併用される機会が多く、需要のある分野です。
また、データサイエンティストが高収入であることからもわかるように、データ分析に関する専門的な知識とスキルは非常に需要があり、身に付けることで収入の増加が見込めます。
まとめ
人材ニーズのあるPythonエンジニアは、他言語のエンジニアと比較して年収が高めです。
とはいえ、高収入のPythonエンジニアをめざすには、複数言語や先端分野の専門的な知識とスキルの習得、マネジメントや上流工程の経験など、自らを高め続ける努力が欠かせません。
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