近年、5Gの実用化やYoutube、TikTokの人気拡大から動画編集スキルの需要が高まっています。それにともない、動画編集の案件も急速に増加しています。動画編集のスキルを身に付け、手に職をつけたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
今回は動画編集のスキル習得をめざしている方に向けて、必要なPCのスペックやPC選びのポイントを解説していきます。
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PCの動画編集はどちらがおすすめ?
PCはデスクトップとノートPCの2種類があり、それぞれのOSもWindowsとMacの2種類に分かれます。
まずは、動画編集を始める際に選ぶべきPCのタイプについてみていきましょう。
【デスクトップ】or【ノート】
デスクトップPCもノートPCもエントリーモデルからハイスペックモデルまでありますが、平均的な性能はデスクトップPCのほうが上です。ノートPCよりも大きいパーツが使用されているので、冷却性能にも優れています。
動画編集をするとCPUに大きな負荷がかかり、発熱しがちです。デスクトップPCなら発熱を抑えた上で作業できます。拡張性が高いのもメリットです。後からパーツを交換したり増設したりもできます。
初心者でこれから動画編集のためにPCを購入するという方には、デスクトップPCがおすすめです。
一方、ノートPCは携帯性に優れているため、カフェなど、自宅外の場所で作業したい方にはおすすめです。ただし、デスクトップと比べると性能面で劣り、拡張性も乏しい点に留意しておきましょう。
動画編集をするクリエイターには次のようなデスクトップPCがおすすめです。
・DAIV FX-I7G60
GPUがRTX 4060です。メモリは8GBのものを2枚で合計16GB搭載しています。ストレージは1TBのM.2 SSDです。20万円台半ばくらいの価格で購入できます。
・DAIV FX-I7N2A
GPUはRTX A2000で、メモリは16GBのものを2枚で合計32GB搭載しています。ストレージは1TBのM.2 SSDです。価格が30万円台半ばと高めのため、初心者にはやや手が出づらいかもしれません。
・G-Tune DG-I7G6T
DAIV FX-I7G60よりもやや性能の高いGPUを搭載しています。メモリやストレージ容量などは、DAIV FX-I7G60と同じで、価格はわずかに高めです。
【Windows】or【Mac】
WindowsとMacでどちらが使いやすいとは一概にはいえません。慣れているものを選ぶのがおすすめです。
Windowsは世界的にシェアが高く、日本でも諸外国でも大半の方がWindowsを使用しています。価格帯はエントリーモデルからハイスペックモデルまで幅広くあります。
使用可能な編集ソフトの種類も多いため、迷ったらWindowsを選ぶのが無難でしょう。実際に、編集ソフトとして有名なDirector Suite 365やPromeoなどはWindowsのみ対応となっています。
MacはApple製品との連携がスムーズにとれるのが特徴です。ディスプレイがきれいで、クリエイターの多くはMacを使用しています。操作もシンプルなため、初心者でも使いやすいでしょう。ただし、動画編集ソフトのなかにはMacに対応していないものもあります。
動画編集に適したPCのパーツ別スペック
動画編集の快適性はPCのスペックに比例します。スペックの低いPCで無理に負荷のかかる作業をしようとすると、フリーズが頻発したり異常終了が起こったりします。PCの寿命を縮めてしまう可能性もあるでしょう。
またPCのスペックが足りるかどうか判断する際には、パーツ別に考えることが大切です。動画編集には、CPUとメモリの性能が大きく関わります。パーツ別のスペックの見方や選び方について紹介します。
CPU
CPUはPCに備わっているパーツのことで、高性能であるほど動作が速くなります。
WindowsのPCなら、CPUはインテル社のCoreシリーズかAMD社のRyzenシリーズが搭載されています。動画編集に使用するPCなら、やや高めのスペックが必要です。
CoreシリーズならCore i5以上のCPUが搭載されているものを選びましょう。RyzenシリーズならRyzen5が最低ラインです。
編集したい動画の画質や種類により、必要なスペックは異なります。目安となるスペックは次の通りです。
編集したい動画 | CPUのスペックの目安 |
フルHD動画編集・YouTube動画 | Core i5-12400/Ryzen5 5500 |
シンプルな4K動画編集 | Core i7-12700/Ryzen7 5700X |
複雑な4K動画 | Core i7-12700K/Ryzen9 5900X |
RAW動画・4Kのマルチ編集 | Core i9-12900K/Ryzen9 5950X |
シンプルな4K動画というのは、主にYouTube投稿動画などが該当します。
RAW動画は、圧縮や補正などがまったく施されていない未加工の動画のことです。ファイルサイズが非常に大きいため、編集するのにスペックを要します。通常は撮影時に自動的に何らかの加工が施されるため、RAW動画対応のカメラでないと撮影できません。
マルチ編集というのは、別々に撮影した複数の動画を組み合わせて編集することです。扱うデータ量が多くなるため、高いスペックを要します。
CPUのスペックが足りないと処理に時間がかかるため、できるだけ余裕をもたせて選びましょう。
Macの場合には、M1かM2プロセッサー搭載のモデルであれば動画編集に対応できます。
メモリ
メモリの容量もCPUと同様に処理速度へ大きく影響します。最低でも8GBは必要です。必要なメモリの容量の目安は次の通りです。
用途 | 必要なメモリ容量の目安 |
シンプルな動画編集のみ行う | 8GB |
フルHD画質の動画編集を快適に行う | 16GB |
4K動画編集や負荷のかかる処理も行う | 32GB以上 |
8GBの場合には、ブラウザなどほかのソフトウェアはできるだけ閉じて作業する必要があります。それでも動作がやや重くなってしまうこともあるかもしれません。動画編集に使用するPCであれば、16GB以上を選ぶのがおすすめです。
ストレージ(HDD/SSD)
PCのストレージは大きく分けてHDDとSSDの2つありますが、SSDのほうがデータの読み込みが速く、稼働音がほぼ鳴らない上に消費電力も少なくなります。
ただし価格はHDDより価格が高く、容量が少ないなどのデメリットもあるため、予算で選ぶことをおすすめします。
また、編集する動画の容量にもよりますが、512GB程度の容量があれば問題ありません。1TB以上ならさらに安心です。また、容量が足りない場合には、外部ストレージを取り付けて使用する方法もあります。外部ストレージにはSDカードやUSBメモリ、外付けハードディスクなどがあり、PCの内部ストレージの容量が足りなくなったときに活用できます。
GPU
GPUは画像処理装置のことで、画像や映像をきれいにモニターに映すためのパーツです。
動画編集でGPUは必須ではありません。予算的に余裕がなければGPU非搭載のPCでも問題ないでしょう。デスクトップなら後から増設もできます。
ただし、使用する動画編集ソフトによっては、GPUがあるとエンコード(※)が楽になる場合もあります。
※エンコード…動画のデータを圧縮し、別の形式へ変換すること。
ディスプレイ
デスクトップの場合にはPCの本体とは別にディスプレイも必要です。ディスプレイによって動画編集をするときの操作性に影響が出る場合もあります。
解像度に関してはフルHD(1920×1080)や4K(3840×2160)で問題ありません。大きさに関しては、最低でも23インチは必要です。4K動画編集なら27インチ以上のディスプレイを使用しましょう。
また、ディスプレイを2台用意してマルチディスプレイ環境にすれば、作業効率が上がります。
バッテリー・重量
頻繁にPCを持ち運ぶ方は、ノートPCで連続駆動時間が10時間以上だと安心です。持ち運ぶ際に重いと疲れるため、重量もチェックしておきましょう。1.5kg以下なら快適に持ち運べます。
まとめ
動画編集では複雑なデータ処理を行うため、スペックの高いPCが必要です。CPU性能とメモリ容量を重視して選ぶようにしましょう。PCを持ち運ぶ予定がなければ、拡張性が高く冷却性能に優れたデスクトップPCがおすすめです。